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Monthly Book Orthopaedics(オルソペディクス) 38/10

Monthly Book Orthopaedics(オルソペディクス) 38/10

整形外科医に役立つ骨粗鬆症治療トータルマネジメントの知識  <増刊号>

斎藤 充/編

2025年9月

or3810

定価6,600円(税込み)

3営業日内ですぐに発送!

骨を診るプロフェッショナルたる整形外科医が治療をリードし管理していくために必要な知識を、この1冊に凝縮。
看護・歯科領域との多職種連携のノウハウも必読!

目次

Ⅰ.整形外科医が開発した骨粗鬆症AI(人工知能)の現在,未来への展望
AIを用いたX線画像解析による骨密度推定と診断補助―日常診療からの骨粗鬆症早期発見を目指して― 茂呂  徹
X線画像を用いた特許技術によるAI骨粗鬆症診断補助システム(AIBONEX)の開発と有用性を紹介.
AIを用いた単純X線画像およびCT画像からの骨粗鬆症診断の現在,未来 上村 圭亮
高齢者の骨折予防に向け,AIを用いたCT・X線画像からの骨密度計測法を開発中.現在,多施設共同研究と医療機器化に向けた検証を進行中.
椎体Xpから椎体骨折を見出すAIの現在と未来
荒川翔太郎ほか
AIによる椎体高比の自動計測は,椎体骨折診断における臨床医の主観的評価を補完し,将来的な骨粗鬆症のスクリーニングや治療評価への応用が期待される.
AIを活用した骨粗鬆症性椎体骨折の診療 藪  晋人ほか
我々がAIを用いて構築した骨粗鬆症性椎体骨折における新鮮・陳旧性識別モデル,および受傷6か月時点における骨癒合不全や椎体変形の予測モデルについて概説する.
脆弱性骨盤骨折の診断最前線―現状とAIが拓く未来― 稲垣 直哉ほか
骨粗鬆症をベースとした脆弱性骨盤骨折のなかでも仙骨骨折は誤診率が高く,早期診断が困難である.我々はXPを用いたAIによる診断支援技術の開発に着手し従来の課題解決に向け検討した.
Ⅱ.若年期の骨粗鬆症再考:若年期のビタミンD不足と性ホルモン異常
日本人におけるビタミンD欠乏の実態:若年から高齢者まで 越智 小枝
ビタミンDは骨代謝に必須の栄養素であるが,現代の生活様式は必然的にビタミンD不足をきたし得る.標準的な疫学調査と検査手法を確立し,有効な介入を模索する必要がある.
日本人若年女性におけるビタミンD不足による運動器への影響 坂本 優子
若年女性,特に20代のビタミンD欠乏は深刻であり,妊娠・授乳期の急激な骨代謝・骨密度の変化への負の影響が危惧される.十分な充足を目標とした対策や啓発が求められる.
女性アスリートのヘルスケア:無月経と骨粗鬆症,検査と対策 大沢 亜紀ほか
FATは骨量低下を伴う重大な健康障害であり,早期発見と包括的支援が不可欠である.
スポーツの疲労骨折の病態と対策
橋本 健史
アスリートの疲労骨折の原因はCa,ビタミンDなどの低栄養と低いbone mass index,練習量の急な増加である.診断には超音波検査が有効である.
脊椎の疲労骨折―分離症治療のこれまでとこれから― 藤本秀太郎ほか
腰椎分離症の病因・治療戦略を概説し,ビタミンD欠乏や低侵襲手術による新たな治療の展望を紹介.
Ⅲ.四肢難治性骨折の対策update
非定型大腿骨骨折の危険因子とその対策 土江 博幸ほか
非定型大腿骨骨折は骨吸収抑制剤の使用や大腿骨の弯曲など,さまざまな危険因子が存在する.本稿では,その危険因子とともに,骨粗鬆症治療薬を中心とした対策を概説する.
非定型大腿骨骨折の分類からみた臨床応用 王  耀東
非定型大腿骨骨折(AFF)は「弯曲変形を主要因として骨幹部中央に好発する脆弱性疲労骨折(弯曲型AFF)」と「薬剤性の骨代謝回転抑制を主要因として骨幹部近位に好発する“typical”AFF」に大別しうる(Oh理論).
インプラント周囲骨折例(非定型インプラント周囲骨折を含む)への対策 岡田 祥明ほか
インプラント周囲骨折は骨粗鬆症性骨折である.PFFは強固な固定が重要,APFFはBP製剤がリスク因子で,手術だけでなく予防と再発防止には骨粗鬆症治療の管理が求められる.
骨質劣化型骨粗鬆症を伴う下肢外傷における骨折治癒促進法を併用した治療戦略 野坂 光司ほか
イリザロフ固定とTeriparatide・LIPUS併用による骨質劣化型脆弱性骨折の治療戦略(CELTAB法)を症例とともに報告する.
Ⅳ.整形外科術後の骨粗鬆症治療update
椎体インプラントルースニングの危険因子update 有村 大吾ほか
脊椎固定術後のスクリュールースニングの危険因子である椎体HU値は骨密度を反映するが,骨質劣化を反映する血清ペントシジンを組み合わせることで,より強力な危険因子となる.
椎体骨折および高齢者脊柱変形に対する手術治療に際しての骨粗鬆症治療の重要性 高畑 雅彦
骨粗鬆症患者に対する椎体形成術や脊椎固定術では骨粗鬆症関連合併症を予防するため術前からの骨形成促進剤の投与が推奨される.
人工膝関節術後の骨粗鬆症治療の意義と実際 箕田 行秀
TKA術後成績を高めるためには,骨粗鬆症のスクリーニング・適切な治療介入が重要である.
人工股関節置換術後の骨粗鬆症治療の意義と実際 小林 直実ほか
超高齢者へのTHAが増加するなか,術後のステム・カップ周囲BMD低下対策として,骨粗鬆症薬の有効性と選択が重要課題となっている.
Ⅴ.続発性骨粗鬆症と整形外科治療
ステロイド性骨粗鬆症の病態と薬物治療update 近藤 直樹
ステロイドを投与する高齢者は増加し,グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の頻度は今後高まることが予想される.ステロイド治療と同時に骨粗鬆症治療薬を投与すべきである.
関節リウマチの骨粗鬆症リスク因子と薬物治療 蛯名 耕介
関節リウマチ患者ではさまざまな疾患関連因子の影響により若年より高頻度に骨粗鬆症を合併しやすく,早期からの骨粗鬆症の評価や骨代謝状態に応じた治療介入が重要である.
関節リウマチ例における骨粗鬆症の病態と治療:骨密度と骨質低下の観点から 山下  祐ほか
関節リウマチでは,骨密度の低下に加えて骨質の劣化も生じ,重度の骨強度低下をきたす.病態を的確に把握し,適切な骨粗鬆症治療を選択することが重要である.
がんロコモ対策としての骨粗鬆症診療の重要性とCTIBLへの対応 小柳 広高
がん治療中の骨粗鬆症は骨折を契機にADL低下や治療中断を招くため,早期からの評価と介入が極めて重要である.
Ⅵ.人生100年時代の骨粗鬆症逐次療法
骨粗鬆症治療目標の設定Treat to Target 宗圓  聰
骨密度が骨粗鬆症領域を超えることを治療目標とし,初期治療については治療開始から3年で治療目標を達成できる可能性が少なくとも50%となるような治療薬を選択する.
骨吸収抑制剤をベースとした骨粗鬆症治療,逐次療法 大野久美子
骨吸収抑制薬は骨粗鬆症初期から骨形成薬治療後の逐次療法も担う骨粗鬆症の中心的薬剤である.長期使用時は定期的に骨粗鬆症評価を行い,副作用対策として歯科連携を行う.
骨形成促進剤をベースとした骨粗鬆症治療,逐次療法 小早川知範
骨折の危険性の高い骨粗鬆症に対しては,骨形成促進薬の投与を推奨すべきである.その後は,骨吸収抑制薬への逐次治療を継続することが,骨量の維持および新規骨折予防の観点から重要である.
Ⅶ.整形外科,多職種連携による骨粗鬆症治療
『大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン2021改訂第3版』の要点と多職種連携 澤口  毅
2021年に発刊された大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン第3版では,多職種連携の下での早期手術と二次性骨折予防が推奨された.2022年4月の診療報酬改定で両者に加算がついたことで,わが国の大腿骨頚部/転子部骨折診療は急速に改善されつつある.
整形外科・歯科・行政の連携(多職種連携)から考える骨粗鬆症リエゾンサービスの現在と,未来の展望 沖本 信和ほか
顎骨骨髄炎・壊死対策から始めるリエゾンサービスは各地で求められる.行政が参加することで強化されCQ解決にも有用である.
歯科衛生士という立場から考える医科歯科連携の現在,未来の展望(希望) 髙石 怜子ほか
骨粗鬆症患者の咬合機能の維持は経口摂取と転倒予防に寄与し,歯性感染症コントロールは顎骨壊死を予防する.咬合機能の維持は経口摂取と転倒予防に寄与する.歯科標榜のない病院も多いため,病診連携や診診連携が重要となる.
看護師という立場から考える急性期病院,クリニックでの多職種連携の現在,未来展望 林  綾野
急性期から地域,教育活動まで,看護師が担う骨粗鬆症対策における多職種連携の実践を紹介する.

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