Monthly Book Derma（デルマ） 251|全日本病院出版会

口唇に生じる疾患の診断と治療

中村晃一郎/編

978-4-88117-914-7 C3047

2016年12月

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定価2,750円(税込み)

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感染症や薬疹、血管性浮腫や膠原病など、口唇の病変に潜むさまざまな皮膚疾患を見逃さないために・・・診断のコツから他科との連携まで詳述した一書です。

接触口唇炎	関東　裕美
刺激性接触口唇炎では，患者背景を見極め原因製品の確認と同時に局所培養を積極的に行う．諸検査でアトピー素因の有無，香粧品や全身型金属アレルギーの関与を検討し，日常生活指導をする．
アフタ性口内炎	中村晃一郎
アフタ性口内炎は口唇，口腔内に生じる潰瘍性病変であり，急性期治療にはステロイド軟膏外用を行う．再発予防に日常生活での口腔ケアなども重要である．
クインケ浮腫	岩本　和真ほか
血管性浮腫はマスト細胞の活性化や過剰なブラジキニンにより生じる．生命に関わる重篤な血管性浮腫を引き起こすこともあるため，適切な病型診断と治療を行う必要がある．
光線性口唇炎	須山　孝雪ほか
光線性口唇炎は皮膚の日光角化症が口唇に生じたもので，炎症性疾患ではなく腫瘍性病変と考えられている．赤唇の上皮内病変であり，治療には機能や整容性の温存も重要になる．
口唇に生じる固定薬疹	水川　良子ほか
口唇・口腔内に生じる固定薬疹は稀でなく，いくつかの特徴を有する．
肉芽腫性口唇炎	多田　弥生ほか
肉芽腫性口唇炎は，発症当初は血管神経性浮腫との鑑別が難しい，びまん性の口唇腫脹を伴う疾患である．神経麻痺，クローン病の併発は稀ではあるが，注意が必要である．
口唇に生じる扁平苔癬	石井賢太郎ほか
口唇・口腔の扁平苔癬について，その全体像を概説した．発症機序，臨床病理像，各種原因との関連，治療法，悪性転化などについて記載した．
口唇に生じる円板状エリテマトーデス	新井　　達
口唇に生じる円板状エリテマトーデス(DLE)は下口唇に好発し，扁平苔癬との鑑別を要する．将来的な二次発癌の可能性もあるので，積極的な治療と経過観察が重要である．
口唇に生じる天疱瘡	石河　　晃
尋常性天疱瘡では口腔粘膜に初発することが多く，そのうち10％に口唇病変を伴う．腫瘍随伴性天疱瘡，粘膜類天疱瘡の鑑別が必要で蛍光抗体直接法を施行すべきである．
口唇ヘルペス	浅田　秀夫
口唇ヘルペスは，口唇にみられるウイルス性疾患の代表である．主に単純ヘルペスウイルス1型によって生じ，再発を繰り返す．稀に，Behçet病や帯状疱疹などとの鑑別を要することがある．
口唇炎・口角炎と真菌症	常深祐一郎
広義の口唇炎・口角炎には湿疹である狭義の口唇炎・口角炎と，真菌感染症であるカンジダ性口唇炎・カンジタ性口角炎が含まれ，直接鏡検で鑑別する．治療は各々外用ステロイドと外用抗真菌薬である．
口唇に生じる血管腫・血管系腫瘍	梅林　芳弘
現在の標準的分類では，苺状血管腫は内皮の増殖を伴う脈管腫瘍であるが，単純性血管腫は血管拡張が主体で内皮の増殖を伴わない毛細血管奇形に位置づけられる．
口唇メラノーシス・色素性母斑	門野　岳史
口唇に生じる色素性病変の多くは口唇メラノーシスであり，色素性母斑は少ない．また，多発する場合はPeutz-Jeghers症候群やLaugier-Hunziker-Baran症候群などが考えられる．
口唇に生じる悪性黒色腫	吉川　周佐
口唇部悪性黒色腫に対しての診断および治療における考え方を，実際の症例を提示し概説した．
口唇に生じる有棘細胞癌・疣状癌	柳澤　宏人ほか
口唇周囲の有棘細胞癌についてのまとめと，当院で経験した症例の報告を行う．