A.全般,評価,基礎 |
摂食・嚥下リハビリテーションにおける栄養管理の位置づけ |
柴本 勇 |
摂食・嚥下リハビリテーションを実施しながら栄養管理も重要である.経口摂取を目指しながら,必要な栄養・水分の補給路を選択し実践することが望まれる. |
摂食・嚥下障害における栄養管理とシステム |
金谷 節子 |
嚥下障害は低栄養状態を作り医療費を上げる.患者への個別対応は入院受付に栄養士を配置し正しい情報を収集,さらに病棟専任栄養士による栄養管理システムが嚥下食成功のポイントである. |
栄養スクリーニングとアセスメント |
緒方みゆきほか |
栄養管理の実施には,栄養スクリーニング・アセスメントが欠かせない.SGAを含めた評価方法と評価に基づいたプランニングについて紹介した. |
摂食・嚥下障害と栄養不良―経口摂取への移行のために― |
栢下 淳ほか |
栄養管理には,必要エネルギー量およびたんぱく量を適切な食事形態および適切なルートで投与する必要がある.嚥下障害者が経口摂取を行う場合には,嚥下機能の評価を行う必要がある. |
摂食機能の発達と食物形態 |
尾本 和彦 |
障害児者では発達的な視点から評価・診断・指導をとらえ,食物調理についても離乳食の概念を基礎に置くことが重要である. |
食べやすい食品のテクスチャー特性と咀嚼運動 |
高橋 智子 |
重曹溶液浸漬し軟化処理を施した食肉および形態を変化させて調製した豚食肉のテクスチャー特性と咀嚼運動,さらには嚥下直前の肉食塊の性状について述べる. |
身体機能からみた経口摂取と食品形態 |
黒住 千春ほか |
嚥下の機能改善により経口摂取が可能になったとしても,制限された食材および環境,食事介助などの問題が解決されなければ真の食事の自立とはいえない.食事の自立とは,自力で,安全に,おいしく摂取し,食べる楽しみを得ることである. |
摂食訓練における食品形態と栄養管理 |
前田 広士ほか |
摂食・嚥下障害のリハビリテーションでは,病態の正確な評価を行うとともに摂食訓練可能な安全条件を設定するが,その際に患者に適した食品形態(嚥下食)を選択することが重要である. |
B.各論,疾患,施設対応 |
小児,障害児における摂食・嚥下障害と栄養管理の問題 |
牟田園満佐子 |
特別支援学校における個別に栄養管理された安全でおいしい段階食は,児童生徒の健康維持・改善に役立ち,生きる力そのものである. |
脳卒中急性期の摂食・嚥下障害の管理とリハビリテーション |
近藤 国嗣 |
脳卒中急性期には高頻度で摂食・嚥下障害が認められ,ときに誤嚥性肺炎を生じる.多くの例は改善するため,栄養療法を行いつつ障害を評価し,適切なタイミングで経口摂取を開始する. |
繰り返す誤嚥性肺炎・虚弱高齢者における嚥下障害 |
丸茂 一義 |
虚弱高齢患者における嚥下性肺疾患の原因として誤嚥の機会増加,気道クリアランスの低下,誤嚥物の気道障害性などがある.また胃食道逆流についても注意が必要である. |
神経筋疾患における栄養障害と摂食・嚥下障害の管理 |
野崎 園子 |
嚥下障害に気づきにくく,受容しにくい.初期から,嚥下と栄養の定期的評価が重要.悪化時導入した経管栄養は,回復期に再評価が必要. |
頭頸部癌術後の摂食・嚥下障害と栄養管理 |
山下亜依子 |
頭頸部は飲食にかかわる重要な部位であり,術後は経口摂取の制限や経口摂取以外の栄養管理が必要となり,管理栄養士はチームの一員として重要な役割を担っている. |
在宅・地域医療における摂食・嚥下障害者への嚥下食提供時の工夫と栄養管理・栄養サポート |
大塚 純子 |
在宅や地域において嚥下食の必要性は非常に高い.また様々な配慮すべき点があり課題も多い.適切かつ,日々の生活のなかに根づかせていくために栄養管理も踏まえて述べる. |
在宅高齢者の嚥下障害管理における栄養問題:開業医の立場から在宅ターミナルケアにおける摂食・嚥下障害者に対するかかわり |
藤島百合子 |
摂食・嚥下障害を合併する在宅高齢者の管理には,その嚥下状態に合わせた適切な補助栄養を早期から導入することが重要である. |
摂食・嚥下外来における嚥下リハビリテーションと栄養指導 |
高橋 浩二 |
摂食・嚥下外来では摂食・嚥下障害の診断,排出訓練,機能訓練,代償法や食事介助の指導,栄養評価,栄養指導を行っている.当科での外来診療における取り組みについて述べた. |
回復期リハビリテーション病棟における摂食・嚥下リハビリテーションと栄養評価 |
大熊 るり |
回復期リハビリテーション病棟で嚥下障害へのアプローチや栄養管理を行う際の留意点,代替栄養からの離脱状況などについて述べた. |
高齢者施設(特別養護老人ホーム,老人保健施設など)における摂食機能療法と栄養管理―福祉領域の口腔機能向上(摂食・嚥下機能向上)支援について― |
植田耕一郎 |
特養,老健等の口腔機能向上支援は,歯科衛生士をはじめとする専門職の配置をはかることで,介護の重度化予防を達成する. |
C.経管栄養法,NST,栄養剤 |
摂食・嚥下障害における経腸栄養と経静脈栄養:全般 |
片桐 伯真 |
経腸栄養法と経静脈栄養法,それぞれの利点・問題点と,摂食・嚥下障害の重症度や予後に応じた選択の指標について述べた. |
摂食・嚥下リハビリテーションにおける胃瘻の有用性と現状の問題点およびその解決法 |
合田 文則ほか |
摂食・嚥下障害患者のリハビリテーションにおいて胃瘻は重要な栄養管理のツールであり,胃瘻からの半固形化栄養材短時間摂取法はその効果を最大限発揮できる栄養法である. |
経鼻経管栄養法と間欠的口腔食道経管栄養法 |
藤森まり子 |
経鼻胃経管栄養と間欠的口腔食道経管栄養について長所・短所および安全に実施する具体的な手技について解説した.また,経腸栄養剤の種類と特徴についても触れた. |
NSTと摂食・嚥下リハビリテーションの関係 |
伊藤 彰博ほか |
摂食・嚥下障害患者に対する適切な栄養管理を提供するNSTの活動は,急性期,回復期を通して必要不可欠な医療である. |
栄養補助食品とトロミ調整食品 |
大越 ひろ |
嚥下機能に障害をもつ患者の食事に欠かせないものである栄養補助食品とトロミ調整食品について,その必要性と製品例を示した. |
アメリカにおける摂食・嚥下リハビリテーション,嚥下食の考え方と現状 |
松尾浩一郎 |
現在のアメリカの摂食・嚥下リハや嚥下食では,Evidence based researchに基づいた標準化(standardization)の考え方が重要視されている. |