パーキンソン病について(原因/治療/病態) |
塩月 寛美 |
パーキンソン病では運動学習に関係する大脳基底核の障害がある.リハビリテーションを行ううえで問題となるパーキンソン病の症状,病態機序を中心に概説した. |
パーキンソン病のリハビリテーション(歴史的展開) |
長岡 正範 |
病態機序の理解のうえに,これまで用いられてきた方法を概観し,より有効なリハビリテーションの方法を確立する必要がある. |
パーキンソン病の認知機能障害とその対策 |
檜皮谷泰寛ほか |
パーキンソン病の認知症および認知機能障害の特徴と診断方法および治療法,リハビリテーションについて解説する. |
パーキンソン病の歩行障害に対する運動療法―早期パーキンソン病からの継続したリハビリテーション― |
武澤 信夫 |
パーキンソン病のリハビリテーション戦略は,身体能力を維持するために早期パーキンソン病からの予防的リハビリテーションと自主訓練も含めた継続的なリハビリテーションが必要である.身体能力の維持のためには,体幹・骨盤や下肢の運動能力,姿勢・骨盤機能の改善のための運動療法が有用である. |
すくみ足の機序とその対策 |
阿部 和夫 |
パーキンソン病におけるすくみ足は,日常生活動作の大きな障害となる.その病態生理を理解して,重症度によらずに有効なリハビリテーションを考案することが必要である. |
パーキンソン病の嚥下障害とその治療 |
山本 敏之 |
パーキンソン病の嚥下障害は予後に関わる重要な症状である.早期診断,嚥下造影検査による評価,内服治療とリハビリテーションについて解説する. |
パーキンソン病の姿勢障害に対する理学療法―特に首下がりについて― |
林 康子ほか |
パーキンソン病にみられる首下がりは,パーキンソン病の姿勢障害がもたらす二次的障害ととらえ,その病態と治療法について解説する. |
パーキンソン病の音楽療法 |
林 明人 |
本年作成された日本神経学会によるパーキンソン病治療のガイドラインで,音リズム刺激の歩行に対する効果が推奨され,音楽療法という用語も初めて記載された.今後,パーキンソン病のリハビリテーションで音楽療法が広く活用されることが望まれる. |
リー・シルバーマン療法(LSVT®BIG)によるパーキンソン病患者のリハビリテーション |
坂元千佳子ほか |
LSVT®BIGは,パーキンソン病患者の運動障害を改善することを目的に開発された運動プログラムである.LSVT® BIGの基本概念,内容,効果について解説する. |
患者教室「パーキンソンの集い」―19年目を迎えて― |
中村 紀子 |
「パーキンソン病ってどんな病気?」と患者さんに訊かれて発足した患者教室.いつの間にか19年間続いてしまった理由(わけ)と,取り組みの一部(体力診断,FIM,予後など)を紹介する. |
パーキンソン病の在宅リハビリテーション―在宅医療の役割― |
石垣 泰則 |
在宅リハビリテーションは広義の生活復帰を目指す.患者にとって自宅生活は病院生活と比べ,より自由,快適,人間的である.QOLのうえで在宅療養が有利な所以である. |
訪問リハビリテーション |
田村 茂 |
パーキンソン病の重症度のどの段階でも運動療法を必要とするが,訪問リハビリテーションでは直接,生活改善を支援する環境へのアプローチを最初から念頭に置いて効果的に取り組む必要がある. |
患者会の活動 |
舟波 真美 |
症状の多さに比例して多種多様のリハビリが考えられるこの病気.孤独になりがちな闘病生活のなかで患者会の存在は大きな役割を持つ.そんな患者会で一緒に自分に合うリハビリを探して,長く楽しみながらリハビリしていきたい. |
患者会への社会学的アプローチ―「リハビリジム」が照らし出す「回復(restitution)」なき後の希望― |
伊藤 智樹 |
患者会の活動に学びながら,「回復」が望めないリハビリテーションの意義をどのように考えたらよいかを,社会学的に導き出す. |