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Monthly Book Orthopaedics(オルソペディクス) 34/8

Monthly Book Orthopaedics(オルソペディクス) 34/8

セラピスト・トレーナーと取り組む難治性グロインペイン
―さらば診断できない鼡径部痛症候群―

仁賀 定雄/編

2021年8月

or3408

定価2,640円(税込み)

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鼡径部痛症候群は、“診断できない症候群”から“診断できる症候群”へ-新たなフェーズに入った本疾患の現状と、後半には「症例集」を収載。エキスパートの実地診療がまるわかりです!

目次

難治性グロインペインの診断と治療・予防の歴史 仁賀 定雄
90%のグロインペイン症例で器質的病変が診断可能になり,難治性GPの病態診断とリハビリ・予防はブレイクスルーを果たした.鼡径部痛症候群は「器質的病変を診断できる症候群」になった.
グロインペインの問診と理学所見の取り方・リハビリテーションを進める基準・スポーツ復帰の基準 仁賀 定雄
Pubic plateの破綻まで進んで難治性になった難治性グロインペインについて,問診・理学所見の取り方・リハビリを進める基準・スポーツ復帰の基準・予防・再発予防を解説する.
MRI所見からみた難治性グロインペインの病態 齊藤 昌愛ほか
MRI撮影した651例のグロインペイン症例の検討から,cleft signがプレー復帰の遅れに関連する独立したMRI所見であった.Cleft signが示すpubic plateのエンテーシスの破綻が難治性グロインペインの器質的病変の終末像の可能性がある.
コンピュータシミュレーション解析からみた骨盤後傾獲得の意義
加茂野絵美ほか
骨盤後傾が股関節屈曲内旋時のインピンジメントに与える影響を三次元動的シミュレーションにより検証し,実際の手術によるcam切除と比較した.
呼吸理学療法による機能不全の評価と改善方法 加藤 太郎
難治性グロインペインには全身的機能不全,特に体幹の不安定性が関与する.呼吸理学療法における横隔膜と腹横筋間の拮抗―共同関係の視点から,体幹機能不全に対する評価と治療について述べた.
三次元動作解析からみたクロスモーションスイングの意義 加谷 光規
サッカーキック動作においてクロスモーションスイングが骨盤垂直,水平回旋を誘導することを明らかにした.グロインペインの病態や治療,さらには予防に役立つ可能性があるというのが本稿のポイントと考える.
Pelvic Mobilityテスト―スポーツ障害における骨盤機能評価の重要性― 藤井 康成ほか
機能は胸郭,脊椎とともに運動連鎖の要をなし,その障害は体幹,上下肢のスポーツ障害における機能的障害の代表的部位の一つである.本稿では,骨盤機能評価法であるPelvic Mobilityテストとそのコンディショニング法について紹介する.
股関節内病変の診断と治療 宇都宮 啓
FAIが原因で股関節唇損傷に至った場合の難治性グロインペインに対し,リハビリテーションに抵抗性の場合に実施する,股関節鏡手術および術後経過の現状を解説した.
難治性グロインペインに対するアスレティックリハビリテーション 二瓶 伊浩ほか
Cleft signを伴う難治性グロインペインに対するアスレティックリハビリテーションは,骨盤帯および全身の機能不全を評価・改善して復帰・予防・再発予防を行うものである.
<難治性グロインペインから復帰した症例の実際>
症例1:34歳,男性.プロサッカー選手 宮本 幸則ほか
4年間にわたるグロインペインが悪化して日常動作も困難になり離脱したプロサッカー選手が機能改善のリハビリで復帰し,復帰後は自身で機能改善・機能維持できるようになった.
症例2:28歳,男性.プロサッカー選手 新山 圭祐ほか
キック等の練習内容変更により発生した機能不全によってcleft signと腸腰筋腱周囲炎を伴うグロインペインを発症したと考えられるキーパー.再発予防には本人,指導者などの理解が重要.
症例3:19歳,男性.プロサッカー選手 能登 篤史ほか
鼡径部痛症候群からの復帰には,的確な病態の把握が必要である.加えて患部外へのアプローチおよび選手とのコミュニケーションを通して選手自身が自分の身体を理解し復帰へのモチベーションを保つことが重要である.
症例4:29歳,男性.プロサッカー選手 井上 浩司ほか
難治性鼡径部痛症候群の競技復帰のタイミングは,呼吸時の胸郭運動と腹圧動作,胸郭回旋および体幹機能の低下や,それに伴う代償運動が改善され,体幹支持動作で痛みの誘発がないことが確認されたときである.
症例5:28歳,男性.プロサッカー選手(海外リーグ所属),日本代表 畑中 仁堂ほか
海外サッカーリーグ所属選手.発症前から日本で習得していた予防運動をいつも施行しており,グロインペイン発症後も休むことなくプレー続行しながら自分で機能改善を果たし痛みを消失させた.
症例6:32歳,男性.プロサッカー選手 野﨑 信行ほか
左胸部の強い打撲を受傷後に練習・試合継続した結果,代償運動によって二次的にcleft signを伴う難治性グロインペインに移行したと考えられる症例のリハビリ経過を報告する.
症例7:34歳,男性.プロサッカー選手 草場 優作ほか
グロインペインの予防には,何らかの外傷・障害を負った後,代償動作でプレー続行することで生じる機能不全を早期から評価して改善する予防に選手およびメディカルスタッフが日頃から取り組み,機能不全の早期発見・早期修正に取り組むことが重要であると考える.
症例8:18歳,男性.高校野球左投げ投手 森  大志ほか
野球での難治性グロインペイン発症の背景には,野球の動作練習以外の,骨盤へ過剰な負荷がかかるトレーニングで機能不全を発生する例が多く,トレーニング内容の見直しと機能不全改善の両方が重要となる.
症例9:29歳,男性.実業団競歩選手 鈴木 陽介ほか
世界記録樹立後に発症し2年以上復帰できなかった実業団競歩選手の難治性グロインペインの診断・リハビリ・復帰・再発予防について.
症例10:22歳,女性.大学長距離(5,000m)選手 二瓶 伊浩ほか
FAI術後,一旦競技復帰を果たしたが機能改善が不十分な状態で強度の高い練習を継続したことにより機能的な運動連鎖が破綻し,グロインペインが再燃した女子長距離選手に対するリハビリを紹介する.
症例11:37歳,男性.プロダンサー 牧野 孝成ほか
長内転筋腱断裂を見逃さずに診断するには鑑別診断の一つとして本損傷を念頭に置いて診断することが重要であり,治療・予防においては患部の修復と機能障害の両方の改善を行うことが大切である.

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