リハビリテーション医療に必要な足関節・足部の機能解剖学 |
屋比久博己ほか |
足のリハビリテーション診療に必要な知識として,足関節・足部機能において重要な役割を担う距腿関節,距骨下関節,Chopart関節および足アーチの構造と機能について解説する. |
リハビリテーション医療に必要な足関節・足部におけるバイオメカニクス |
垣花 昌隆ほか |
足関節および足部は膝関節より大きな荷重を支え,動的に荷重の衝撃を吸収し,また床からの反力を有効に体幹に伝達している. |
リハビリテーション医療に必要な足関節・足部の画像診断法 |
羽鳥 正仁ほか |
正確な病歴聴取,理学所見をとったうえで,画像検査を行う.画像診断の基本は単純X線検査である.画像検査の長所,短所を理解したうえでCT,MRI,骨シンチグラフィー検査を追加する. |
リハビリテーション医療で使える足関節・足部の疾患や障害への超音波断層法の応用 |
林 典雄 |
足関節後方部痛を訴えるアスリートを診療する場合には,アキレス腱周辺組織の「何が」疼痛と関連するのかについて,エコー評価とともに鑑別することが大切である. |
脳性麻痺による足部変形の整形外科治療と術前後リハビリテーション治療 |
福岡 真二 |
脳性麻痺の子どもの運動発達が停滞し,足部変形も固定したときは,orthopaedic selective spasticity-control surgeryにより底屈筋力を温存しつつ変形を矯正し,さらなる運動発達を目指す. |
脊髄損傷に伴う足部ケアとリハビリテーション医療 |
渡邉 耕太 |
脊髄損傷における足部障害として尖足や趾屈曲変形が生じる.急性期にはその予防が,回復期にも継続した理学療法が必要となる.手術として腱延長や移行術,骨切り術,関節固定術などが適応となる. |
痙性麻痺足に対する痙縮治療の現状 |
青山 公紀ほか |
痙縮の治療では痙縮のみを評価するのではなく,増悪させている要因があればその対策を含めた全身的な評価が必要で,そのうえで最も適した治療法を選択する必要がある. |
痙性麻痺足に対する最新の治療―体外衝撃波による痙縮治療― |
吉田 清志ほか |
痙性麻痺足に伴う尖足に対する体外衝撃波治療は持続する痙縮改善効果を紹介する.体外衝撃波治療は簡便で非常に低侵襲な痙縮に対する新規治療である. |
二分脊椎・脊髄髄膜瘤による足部障害,歩行機能障害への対応 |
落合 達宏 |
二分脊椎の下肢麻痺の歩行機能障害と合併する足部変形への対応について,脊髄障害高位診断のSharrard分類と運動予後,踵足や内反凹足の治療などを述べた. |
末梢神経疾患や筋疾患(シャルコー・マリー・トゥース病など)による足関節および足部の障害に対するリハビリテーション治療 |
小林 庸子 |
CMTの内反凹足やDMDの内反尖足など荷重や成長に伴う変形進行が予測される状態に対しての早期からの予防的介入と,変形の少ない末梢優位の筋力低下に対してカーボン製AFOの蹴り出し改善効果に注目する. |
足関節および足部のスポーツ傷害に対する保存療法の実際 |
橋本 健史 |
足関節のスポーツ傷害では超音波検査で早期診断を行い,足関節不安定症を合併することが多いので,主治療のほかにタオルギャザーなどの運動療法を併用するべきである. |
アキレス腱断裂に対する保存療法および縫合術後のリハビリテーション治療 |
安田 稔人ほか |
早期運動療法の導入により,アキレス腱断裂の保存療法の再断裂率は手術療法と同等となった.一方,腱断端の離開による腱延長を回避するためには,腱の組織修復過程に応じたリハビリテーション治療が重要である. |
足部軟部組織障害(アキレス腱症など)に対するリハビリテーション治療 |
青木 孝文 |
アキレス腱障害と足底腱膜炎の病態を理解するうえで,腱の血流,踵部の軟部組織の構造を十分把握することが重要で,そこからリハビリテーションを考える必要がある. |
足関節外側靱帯損傷に対するリハビリテーション治療―再受傷予防を目指して― |
後藤 恭輔ほか |
足関節靱帯損傷に対する保存療法および手術療法における当院のリハビリテーションプログラムを解説する. |
足関節果部骨折・脱臼骨折に対する整形外科的治療後のリハビリテーション治療 |
岩澤 裕之ほか |
足関節果部骨折・脱臼骨折の治療においては果間関節窩が保たれることが重要であり,リハビリテーションにおいては靱帯・骨間膜損傷に配慮して介入を行うことが重要である. |
足部・足関節疾患の整形外科的治療後のリハビリテーション治療のポイント |
高倉 義幸 |
足部・足関節疾患の保存療法および手術療法後のリハビリテーション治療の要点を紹介し,筋力増強訓練を中心とした運動療法の実際とそのポイントについて述べる. |
外反母趾に対する運動療法(母趾外転筋運動訓練) |
佐本 憲宏 |
軽度から中等度の外反母趾変形では,保存治療を選択することが多い.靴の指導,運動療法,装具療法が中心になるが,母趾外転筋運動訓練を中心とした運動療法が最も重要な治療となる. |
足趾・前足部障害に対するリハビリテーション治療 |
生駒 和也ほか |
強剛母趾の治療では靴の選択が重要であり,ロッカーボトム,トゥボックスの高い靴を履くように指導する.モートン病の治療では,後脛骨筋や長腓骨筋の筋力訓練が立位の安定に重要である. |
変形性足関節症に対する運動療法 |
倉 秀治ほか |
変形足関節症に対する運動療法は,病期によらず重要な治療の一環である.保存,手術治療の双方においてシステマチックに行うことによって有効性が期待できる. |
成人期扁平足への対応 |
平野 貴章ほか |
脛骨筋腱機能不全症における保存治療,リハビリテーションでは,病期を的確に判断し保存療法の限界を考えながら治療を行うことが重要である. |
小児期扁平足への対応 |
若林健二郎ほか |
扁平足は足部縦アーチの低下した状態であり,ほとんどが立位荷重により変形が出現する.本稿では静力学的扁平足の病態とその診断,運動療法,装具療法,観血的治療について記載する. |
糖尿病および末梢血管障害による足部障害への対応 |
門野 邦彦ほか |
糖尿病および末梢血行障害が基礎にある足部創傷は治癒に時間がかかり,一旦,治癒しても容易に再発する.創傷期だけでなく,回復期,治癒後も生活期のリハビリテーションが重要であり,長期的な視野でかかわっていくことが重要と考えている. |
関節リウマチに伴う足趾,足部の変形や障害に対する整形外科およびリハビリテーション治療 |
野口 貴明ほか |
関節リウマチにおける足の診察は非常に重要である.足の変形の有無にかかわらず,リハビリテーションやフットケア,手術に関する情報はリウマチ医として必ず患者に情報提供する必要がある. |
足関節および足部の障害に対する装具治療(療法)の現状と処方上のポイント |
大串 幹 |
足関節と足部の装具は立つ,歩く,活動するの基盤となる.多くの和式生活に適した短下肢装具が開発されており,処方には機能を知ることが重要である. |
靴選びのポイント―靴の構造と機能― |
関 広幸ほか |
靴を構成する構造とその歩行中の機能と治療応用について解説した.靴にかかわる足の障害を発見し対処するうえでのこれらの基本的知識は重要である. |