ステロイド外用薬 |
増井 友里 |
ステロイド外用薬で治療する際には,強さや基剤,副作用をはじめ,部位による経皮吸収の違いなどの十分な知識が必要で,患者への外用指導も大切である. |
タクロリムス外用薬 |
神戸 直智 |
本剤の持つ外用当初の刺激感や皮膚通過性の悪さといったデメリットをむしろ愛すべき特徴として認識することで,皮膚科医としての外用療法の幅が広がること請け合いである. |
アダパレン・BPO外用薬 |
菊地 克子 |
アダパレンもBPOも尋常性痤瘡の急性炎症期から維持期まで使用できる外用薬である.アダパレンは妊婦や妊娠を希望する女性には禁忌である. |
活性型ビタミンD3外用薬 |
山﨑 文和 |
活性型ビタミンD3外用薬は乾癬治療において欠かすことのできない薬剤であるが,年齢・病態を考慮しないと高Ca血症などの副作用を生じるので注意が必要である. |
抗ヒスタミン薬 |
猪又 直子 |
抗ヒスタミン薬は基本的に第二世代非鎮静性が第一選択薬となり,その薬物特性を理解し,年齢や合併症などを考慮したうえで適応する薬剤を工夫して処方することが大切である. |
抗菌薬 |
藤本 和久 |
主な病原菌は黄色ブドウ球菌,A群溶連菌,緑膿菌で,毒素産生型のMRSAにも要注意.抗菌薬の選択と内服・外用の併用が重要. |
アシクロビル,バラシクロビル,ファムシクロビル |
古賀 文二ほか |
アシクロビル,バラシクロビル,ファムシクロビルの使用方法について詳述した. |
イトラコナゾール,テルビナフィン |
常深祐一郎 |
皮膚真菌症は頻度が高く,幅広い年齢層で罹患するうえ,基礎疾患を有する症例も少なくない.病態によっては経口抗真菌薬が必要となるので,特殊な症例における使用方法にも熟知しておく. |
抗結核薬 |
石井 則久 |
結核治療は結核疹を含め日本結核病学会の治療指針に準拠する.必ず多剤で確実に内服し,耐性菌を作らない.また副作用を早期に発見し,適切な処置を行う. |
イベルメクチン,フェノトリン |
谷口 裕子 |
疥癬の治療では,フェノトリン外用あるいはイベルメクチン内服を1週間隔で通常2回行う.角化型疥癬の場合は,投与回数の追加,内服・外用の併用を考慮する. |
ステロイド(経口,点滴) |
玉城善史郎 |
皮膚科領域においてもステロイドの内服・点滴は重要な治療法の1つである.ステロイドの種類や特性および多彩な副作用とその対処法について熟知することで,より効果的な使い方が可能となる. |
シクロスポリン |
常深祐一郎 |
シクロスポリンは皮膚科で最も使用されている免疫抑制剤で,皮膚科医は投与方法や副作用のモニタリングについて熟知しなければならない.病態によっては小児や高齢者,妊婦でも使用される. |
DDS(Diaminodiphenylsulfone) |
宮垣 朝光 |
DDSはさまざまな皮膚疾患に有効であり,臨床の現場で幅広く使用されているが,副作用も多く,使用には細心の注意を要する. |
エトレチナート |
福地 修 |
エトレチナートは,内服する際には注意が必要な薬剤ではあるが,年齢や投与量を考慮し,適切に使用すれば最大限の効果を引き出すことができる. |
コルヒチン |
三井 純雪 |
コルヒチンは,NLRP3インフラマソームの形成を抑制することで,ベーチェット病などの炎症性疾患に有効である.一方,毒性も強く,副作用の発現に注意が必要である. |
メトトレキサート |
伊藤 寿啓 |
メトトレキサートは海外で乾癬に対し以前より使われているが,本邦では適応がないため,わずかに乾癬性関節炎に使われているにすぎなかった.生物学的製剤による治療が行われるようになり,本剤を使う機会が増えている. |
シクロホスファミド,アザチオプリン |
浅野 善英 |
自己免疫・免疫異常を基盤とする皮膚疾患において,経口ステロイドとの併用でシクロホスファミドは寛解導入療法に,アザチオプリンは維持療法に用いられる. |
生物学的製剤(抗体製剤) |
多田 弥生 |
乾癬に対する各生物学的製剤の作用機転,効果とその特徴,副作用を概観するなかでの使用上の注意点を,主に日本皮膚科学会の指針を基にまとめた. |
IVIG(intravenous immunoglobulin) |
泉 健太郎ほか |
皮膚科領域において易感染性を惹起することなく,難治性炎症性疾患や自己免疫性疾患の治療に用いられる免疫グロブリン静注療法(intravenous immunoglobulin;IVIG)について解説する. |
骨粗鬆症治療薬 |
池田 高治 |
副腎皮質ステロイド投薬時は骨粗鬆症治療を併用し,定期的な骨密度測定を行い治療の見直しを続ける必要がある. |
神経障害性疼痛の治療薬 |
山口 重樹 |
帯状疱疹後神経痛では,痛みの訴え方が「火」をイメージさせる際には三環系抗うつ薬,「電気」をイメージさせる際にはプレガバリンが奏効する可能性が高い. |
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs) |
北山 尚美ほか |
非ステロイド系抗炎症薬の作用機序と分類,主な副作用とその対応について,皮膚科領域の疾患における使用法や各種疾患別の解説. |
アセトアミノフェン,トラマドール,トラマドール・アセトアミノフェン合剤 |
角山 正博 |
痛みが侵害受容性か神経障害性か,急性痛か慢性痛かを見極めて,副作用に配慮しながらアセトアミノフェンやトラマドール製剤を使用することが重要である. |
抗血小板薬,血管拡張薬 |
川上 民裕 |
皮膚科実臨床を意識し,抗血小板薬,ワーファリンを中心とした抗凝固薬,血管拡張薬をまとめた.下肢の網状皮斑(リベド)は,抗凝固薬・抗血小板薬の使用を意識させる皮膚症状である.ワーファリンは,使用方法が難しい.今後,新規経口抗凝固薬(NOAC)へ移行するだろう. |
DOACs(direct oral anticoagulants) |
八巻 隆 |
VTEに対するDOACsによる治療法および臨床成績について詳述した. |
ボセンタン,マシテンタン,アンブリセンタン,シルデナフィル,タダラフィル,リオシグアト |
濱口 儒人 |
肺動脈性高血圧症に対してエンドセリン受容体拮抗薬,PDE5阻害薬が開発されている.また,これらの薬剤は末梢循環障害に対する有効性も期待されている. |
悪性黒色腫に対する新規治療薬(免疫チェックポイント阻害薬・分子標的薬) |
吉川 周佐 |
悪性黒色腫に対する新規治療薬についての適正な使用法について概説した. |
インターフェロンγ-1a,ボリノスタット |
菅谷 誠 |
皮膚悪性リンパ腫に対してインターフェロンγ-1aとボリノスタットが認可された.臨床成績や使用上の注意事項について解説する. |
フィナステリド・デュタステリド |
大山 学 |
男性型脱毛症に対する新旧の内服治療薬であるフィナステリド・デュタステリドについて,特徴の違い,両者の使い分けに対する考え方などについて解説した. |
局所麻酔薬 |
田村 敦志 |
局所麻酔薬はほとんどの状況下で使用できる安全性の高い薬剤であるが,血管内注入や過量投与による中毒には十分な注意が必要である. |
❖トピックス❖ |
パゾパニブ |
藤澤 章弘 |
パゾパニブは軟部肉腫に対する本邦初の分子標的薬であり,内服薬である.従来の治療が困難な症例において,治療の新たな選択肢の1つになりうる. |
乳児血管腫に対するプロプラノロール療法 |
戸田さゆりほか |
乳児血管腫に対しプロプラノロール内服療法が保険適用となった.自然退縮する疾患であるため,治療すべき症例を適切に選択し,副作用に留意しつつ投与することが重要である. |
ヒドロキシクロロキン |
谷川 瑛子 |
HCQはSLE,CLE治療のメインステイである.従来のステロイドを含む免疫抑制療法でもコントロールできない症状に有効であり,ステロイドの減量・中止にも有用な免疫調整薬である. |