アトピー性皮膚炎治療薬①―内服薬・注射薬― |
佐伯 秀久 |
アトピー性皮膚炎に対する全身治療薬として,JAK阻害内服薬と生物学的製剤を取り上げ,各薬剤の特徴や使用に当たって注意すべき事項(ピットフォール)を概説した. |
アトピー性皮膚炎治療薬②―外用薬の上手な使用法― |
向井 秀樹 |
重症AD患者の治療薬は,全身療法の全盛期を迎えているが,新規薬を含めた外用療法の適切かつ十分な使用法を見直し,皮膚科医の原点である外用療法の重要性を強調したい. |
蕁麻疹治療薬 |
葉山 惟大 |
蕁麻疹の基本的な治療薬は抗ヒスタミン薬である.抗ヒスタミン薬で治療抵抗性の場合は補助的治療薬を追加する.それでも効果のない場合は抗IgE抗体であるオマリズマブを投与する. |
乾癬治療薬①―生物学的製剤― |
鳥居 秀嗣 |
乾癬に対する生物学的製剤は現在12製剤が上市されているが,有効性を最大限引き出し,かつ安全に使用していくためには,各薬剤の特性を十分に理解しておく必要がある. |
乾癬治療薬②―シクロスポリン・エトレチナート・メトトレキサート・アプレミラスト・JAK阻害薬― |
多田 弥生 |
シクロスポリンでの腎障害対策,メトトレキサートの投与方法と骨髄障害,JAK阻害薬の定期モニタリングが重要. |
乾癬治療薬③―外用薬のピットフォール― |
阿部名美子 |
外用療法は乾癬治療における基本であり,患者に継続して行ってもらうことが重要である.そのための工夫について概説する. |
膠原病治療関連①―ステロイド・免疫抑制薬― |
浅野 善英 |
ステロイドと免疫抑制薬の副作用は膠原病患者の予後を左右するため,適切に投与前リスク評価を行い,投与中は副作用の予防・早期発見・早期治療に努めることが重要である. |
膠原病治療関連②―ヒドロキシクロロキン・生物学的製剤・IVIG・DDS・PAH治療薬など― |
深澤 毅倫ほか |
現在,膠原病診療で用いられる薬剤は多種類にわたる.これらの薬剤に関して,日常診療において注意すべきピットフォールについてまとめた. |
血管炎治療薬 |
川上 民裕 |
ステロイド薬と免疫抑制薬が中心の血管炎治療に抗IL-5抗体製剤,C5a受容体阻害薬などが新規参入,免疫グロブリン大量静注療法,ジアフェニルスルホン(DDS)で多彩になる. |
皮膚科診療における抗腫瘍薬 |
吉野 公二 |
抗腫瘍薬を使用する際は保険承認されているかを確認し,また疾患の種類,ステージ分類ごとに定められており最適な使用が推奨される. |
皮膚悪性リンパ腫治療薬 |
菅谷 誠 |
皮膚悪性リンパ腫に対する治療薬は,作用機序や副作用が多彩である.奏効率,投与方法やスケジュールなど考慮して,患者と相談しながら選択していく. |
皮膚科診療における抗ヘルペスウイルス薬 |
白濱 茂穂 |
腎排泄型の抗ヘルペスウイルス薬を投与する場合は腎障害や脳症を引き起こす可能性があるので腎機能を考慮した投与量の設定が必要である. |
帯状疱疹ワクチン |
渡辺 大輔 |
帯状疱疹の疫学の変化や最近のトピックスおよび2つのワクチン(生ワクチン,サブユニットワクチン)の特徴や注意点についてまとめた. |
痤瘡治療薬 |
都築 美輝ほか |
痤瘡の治療においては,皮疹の状態に合わせて適切な薬剤を選択し,長期的な視点で治療を進めることが重要である. |
皮膚科で使う抗真菌薬 |
常深祐一郎 |
保険の適応症を鵜呑みにせず各真菌に真に効果の高い抗真菌薬を把握する.外用薬では合併症は先に治療し,病変の状態に合わせて基剤を選択し,塗布方法も確実に指導する. |
多汗症治療薬 |
藤本 智子 |
複数ある治療を行うなかで,期待される治療効果がでないとき,治療薬が無効と判断する前に正しい使用方法の説明が十分でないピットフォールの可能性を今一度考えたい. |
自己免疫性水疱症の治療薬 |
山上 淳 |
自己免疫性水疱症に対して使われるアザチオプリンによる白血球減少・脱毛とNUDT15遺伝子多型について,天疱瘡に対するリツキシマブ治療について解説した. |
皮膚潰瘍治療薬 |
門野 岳史 |
皮膚潰瘍治療薬を選択する際は,壊死組織の有無,感染や臨界的定着の可能性,肉芽形成の状態,滲出液の量に応じたwound bed preparationを考慮する. |
脱毛症治療薬―JAK阻害薬を含めて― |
大山 学 |
比較的安全性が高いものが多い脱毛症に対する治療薬ではあるが,使用にあたりピットフォールに陥らないために知っておくべきポイントはある.重症円形脱毛症に対するバリシチニブ内服薬の注意点についても触れた. |
酒皶治療薬 |
山﨑 研志 |
酒皶の治療では,患者ごとに酒皶以外の併存症が顔面症候に与える影響を把握し,そのうえで酒皶病型・症候にあわせた治療薬や治療方法を選択する. |
性感染症治療薬 |
石地 尚興 |
梅毒はペニシリンの筋注療法が可能になった.性器ヘルペスは再発頻度が多い場合PITや抑制療法も考える.尖圭コンジローマの保険適用はイミキモドクリームのみである. |
ステロイド外用薬・保湿外用薬 |
大谷 道輝 |
外用薬の選択では,主薬だけでなく基剤や剤形および添加物の理解が不可欠である.加えて,塗布や塗擦の指示も忘れてはならない. |
古典的外用薬を使う |
日野 治子 |
ステロイドをはじめとする使いやすい外用薬に加えて,亜鉛華軟膏など古典的外用薬を併用すると,一層の治療効果を上げ得る. |
抗ヒスタミン薬 |
石氏 陽三 |
抗ヒスタミン薬は,蕁麻疹など病態にヒスタミンが関与する疾患には有効である.主な副作用は眠気である.脳内H1受容体占拠率により,鎮静性と非鎮静性に分類される. |
皮膚科診療における抗菌薬 |
盛山 吉弘 |
皮膚軟部組織感染症は,purulent/nonpurulentに分類するところから始まる.劇症型の壊死性軟部組織感染症では,初期治療に広域抗菌薬を用いる. |
皮膚科診療における抗酸菌治療薬 |
三上万理子 |
生物学的製剤使用に伴い皮膚抗酸菌感染症は増えており,治療上薬剤選択は重要である.今回は薬剤感受性試験やマクロライド耐性遺伝子も含め,抗菌薬治療についてまとめた. |
皮膚科診療における漢方薬 |
岸川 由香 |
漢方薬を処方するときに,処方医師も処方される患者も安心した信頼関係のある医療が成り立ち,医療効率のよい治療となるように,処方医師として最低限必要な漢方薬の知識と副作用を解説した. |
美容関連治療 |
小林ひかり |
近年,皮膚科診療において美容皮膚科領域の比重は高まっている.トラブルを起こしやすい注入治療を中心にピットフォールについて述べた. |
疥癬・シラミ症治療薬 |
和田 康夫ほか |
疥癬,シラミ症の薬剤は,虫卵には効果が乏しい.虫卵が孵化する頃に,再投与が必要である. |
皮膚科診療における小児への投薬 |
玉城善史郎 |
小児で用いられる薬剤や近年新たに小児に適用となった薬剤などについてその使用方法や注意事項を概説した. |