呼吸リハビリテーションのEBM |
宮川 哲夫 |
呼吸リハビリテーションのEBMについて,診療ガイドライン,メタ分析,システマティックレビューを中心に概説した.様々なエビデンスが集積されてきており,包括的呼吸リハビリテーションは益々重要となってきている. |
呼吸困難感のメカニズムと対策 |
泉﨑 雅彦 |
Air hungerはCOPDをはじめ各種呼吸器疾患で起こる.COPDの呼吸困難感の主たる原因は気流制限による動的肺過膨張である. |
個々の病態に適した作業療法を含む呼吸リハビリテーション―Personalized patient-specific PR program including OT(PPR-OT program)― |
前倉 亮治ほか |
運動負荷心肺機能検査を用いて患者個々の病態を評価し,これに適した作業療法を含む呼吸リハビリテーションを行うことは,呼吸困難感や運動耐容能に加え生命予後も改善する. |
呼吸機能障害とソーシャルワーク |
井上 健朗ほか |
呼吸機能障害について,社会生活の基本的欲求充足の側面からみた障害の捉え方と社会・経済的支援で用いる社会保障制度の理解について解説した. |
神経筋疾患の呼吸リハビリテーション(成人) |
花山 耕三 |
成人発症の神経筋疾患の呼吸リハビリテーションは,他の麻痺性疾患のそれと大差はないが,その疾患の発症様式,進行の速さ,患者本人の意思決定などについての配慮が必要である. |
神経筋疾患の呼吸リハビリテーション(小児) |
石川 悠加 |
神経筋疾患の国内外のガイドラインでは,非侵襲的陽圧換気療法,咳介助を活用し,生命とQOLの改善をはかることが推奨されている. |
脊髄障害者の呼吸リハビリテーション |
土岐 明子 |
脊髄損傷によっておこる呼吸機能障害,呼吸器合併症の病態,肺拡張,気道分泌物除去,換気状態の改善に有効な気道クリアランス療法,人工呼吸器管理方法について解説する. |
ICU・周術期における呼吸リハビリテーション |
笠井 史人 |
ICU・周術期の呼吸リハビリテーションはICU-AWに対するABCDEバンドルの登場で,排痰手技偏重から質の高いチームアプローチへの取り組みに変わってきている. |
呼吸リハビリテーションと嚥下障害 |
海老原 覚ほか |
嚥下障害に対するリハビリテーションは,嚥下関連筋の筋力トレーニングと並行して,食事に関連する感覚を刺激する促通訓練を行うことが重要である. |
救急医療からみた呼吸リハビリテーション |
中村 俊介 |
呼吸リハビリテーションは,救急医療・集中治療領域においても早期から積極的に進めることが可能であり,安全に実施するためにはチーム医療を展開することが重要となる. |
呼吸リハビリテーションの栄養管理 |
宮崎慎二郎ほか |
COPDにおいては栄養障害やサルコペニアを生じ,これらは生命予後に悪影響を及ぼす.適切な栄養管理と運動療法を組み合わせて行うリハビリテーション栄養の考え方が重要となる. |
呼吸リハビリテーションにおけるリスクマネージメント |
加賀谷 斉 |
安全とは,受容できないリスクがないことである.医療安全の基本,呼吸リハビリテーションを行ううえでのリスクマネージメントについて解説した. |
人工呼吸患者のリハビリテーション |
石原 英樹 |
人工呼吸器装着患者に対する呼吸リハビリテーションの適応は,患者の病態・人工呼吸の目的などを考慮する必要があり,多職種による関わりと連携が必須となる. |
呼吸リハビリテーションにおける評価法 |
黒澤 一 |
評価は呼吸リハビリテーションの適切な処方を行うために重要なプロセスである.身体活動性の向上と維持が重要であり,個人の背景や社会的な評価も見逃してはならない. |
呼吸理学療法の実際 |
高橋 仁美 |
呼吸理学療法は,コンディショニングと運動療法から構成される.COPDに対する運動療法の効果として,呼吸困難,運動耐容能,健康関連QOLの改善は科学的に証明されている. |
在宅呼吸リハビリテーション |
城石 涼太ほか |
在宅では身体活動量の維持に加え,患者自身,または家族が自己管理できるように,在宅生活を考慮した支援が必要である. |
慢性呼吸不全患者のセルフマネージメント教育 |
田中 一正 |
教育とは,学習者の行動に価値ある変化をもたらすプロセスである.学習者が,学習によってより望ましい状態に変化するための,協力者でありたい. |
呼吸リハビリテーションと薬物療法―COPDへの基本的な薬物療法とリハビリテーション― |
鈴木 康介ほか |
COPDに対する基本的な治療薬を安定期・増悪期に分け記載した.現在,販売されている吸入機器も掲載しているため,日々の診療に役立てていただきたい. |
呼吸リハビリテーションにおけるADL・IADLトレーニング |
髙島 千敬 |
呼吸器疾患における活動制限は外見では判断できないことが多いため,実際の活動場面での評価,指導が重要である.本稿では,ADL・IADLトレーニングの実際について解説する. |
呼吸リハビリテーションと音楽療法 |
板東 浩ほか |
音楽療法を呼吸リハビリテーションに適用し,口すぼめ呼吸は成人のCOPDや小児の気管支喘息で効果が期待される.歌唱や楽器演奏による呼吸法が有効で,RCTの論文も多い. |
震災に備える呼吸リハビリテーション |
佐野 裕子 |
災害に備えるためには,平常時の患者教育が重要であり,身体活動量を高く保ち,息切れ対策として口すぼめ呼吸やパニックコントロールは通常時に身につけておく. |
NICU・PICUにおける呼吸リハビリテーション |
木原 秀樹 |
新生児・小児は呼吸予備能が非常に低く,呼吸リハビリテーションの施行は適切な評価により適応を見分け必要最低限とし,多大なストレスをかけないよう細心の注意を払う. |