高齢者の歩容・歩行の特徴 |
森田 定雄 |
歩行に影響するような疾患や異常がない高齢者の歩行には,若年者とほぼ同じ歩容のものから,小刻み歩行,すり足歩行といわれるものまで幅広く含まれる. |
高齢者の歩行能力とバランス機能 |
猪飼 哲夫 |
高齢者のバランス機能,歩行能力とバランス機能の関係などの研究結果を示し,歩容の特徴やバランス機能の歩行能力への関与を解説した. |
歩行が脳機能を活性化するメカニズム |
堀田 晴美ほか |
大脳皮質や海馬において血流と神経成長因子分泌を増加させる働きを持つコリン作動性神経が歩行中に賦活され,脳の高次機能を活性化する. |
高齢者の歩行量とこころ・からだの活性化との関係 |
青柳 幸利 |
高齢者の日常的な身体活動と心身の健康との関係およびそのような活動に影響を及ぼす諸要因に関する学際的研究(中之条研究)を紹介する. |
高齢者・障害者の歩容・歩行についての研究と臨床との溝をトレッドミル歩行分析で橋渡し |
鈴木 亨ほか |
最新の3次元動作解析装置Kinema Tracer®の概略について紹介した.転倒しやすい歩行が自立以前の患者でも,簡便に再現性高く評価が可能であり,歩行自立に向けた訓練も可能である. |
片麻痺歩行の運動学的特性と運動学習によるその再構築 |
長谷 公隆 |
片麻痺歩行は,麻痺側下肢の運動出力不全を代償するための同時収縮制御に基づいており,その機能的再構築は,課題指向型訓練を含めた治療的運動学習によって達成される. |
脳卒中片麻痺患者の歩行障害に対する訓練 |
三原 雅史ほか |
当院における脳卒中後歩行障害の予後データを紹介し,歩行障害に対するリハビリテーション介入の効果について現在のエビデンスを中心に概説した. |
半側空間無視を伴う脳卒中片麻痺患者に対する歩行訓練の方法 |
伊藤 克浩 |
半側空間無視を伴う脳卒中片麻痺者に対する歩行訓練について,理学療法士ならではの視点から空間認知の問題を運動障害や姿勢の定位の問題と併せて捉えている.運動療法介入および歩行訓練について症例を通して紹介. |
パーキンソン病患者の歩容の特徴と歩行訓練 |
阿部 和夫 |
パーキンソン病(PD)の特徴的な歩容は,やや前屈みで,手の振りがなく,足底の前方に体重がかかった小刻み歩行であり,特徴的歩行障害だけでPDと診断することも可能である. |
運動学的・運動力学的視点から捉えた運動失調患者の歩行と歩行練習 |
溝部 朋文ほか |
運動失調の姿勢制御を解釈し,運動療法に結びつけるためのモデルや理論を提案するとともに,運動失調という側面から高齢者の歩行障害を考察し,運動療法を検討する. |
変形性膝関節症に基づく歩行障害とその対応策 |
吉永 勝訓ほか |
変形性膝関節症による歩行障害について床反力,足圧分布所見も含めて記載した.また,その対応として装具療法,運動療法とその効果などについて述べた. |
腰部脊柱管狭窄症患者の歩行の特徴と歩行訓練 |
林 泰史 |
間欠性跛行を示す腰部脊柱管狭窄症に対する訓練方法としては腰椎のストレッチ,腹筋強化を中心にして進める.これらにより,緒症状・ADL改善を通して効果を上げていく. |
骨粗鬆症に伴う円背による歩行障害とそれに適した歩行練習 |
峯 貴文 |
円背姿勢の身体的特徴と問題点をきちんと把握し,継続して実施できるような運動や生活指導と環境の整備を行うことが重要である. |
つまずきを防いで転倒予防 |
大高 洋平 |
つまずき予防には,障害物を認知し回避する能力の向上が必要である.それには,視覚・認知系および回避動作を行う運動制御系が適切に働くようにすることが必要である. |
病院で行われる転倒予防教室の効果 |
長屋 政博ほか |
転倒もしくはつまずきを経験した高齢者に対して,当院で行っている転倒予防教室での筋力強化およびバランス訓練を主体とした運動プログラムについて概説した. |
地域住民を対象とした転倒予防―太極拳など伝統的身体技法の効用― |
高杉紳一郎ほか |
時空を越えて愛好される伝統的身体技法に焦点を当て,太極拳の効果を検証し,フラや日舞の所作に秘められた心身両面の効果を探る. |
高齢者の転倒とその社会的・経済的損失 |
林 泰史 |
毎年,女性の約20%に見られる転倒は1年間に約7,300億円の医療・介護費用を費やすが,運動による筋力増強でそれを半減できる. |
歩容に応じた歩行補助具の選択 |
中山 恭秀 |
“何のために歩行補助具を用いるのか?”という視点から,代表的な障害像やその歩容を中心に選択する臨床的思考過程を述べる. |
歩行支援ロボットの活用による下肢機能・中枢神経機能への改善効果 |
蜂須賀研二 |
歩行訓練ロボットは重度片麻痺患者の歩行訓練に有用である可能性がある. |