創傷治療:皮膚科医はもっとドレッシング材を使用すべき |
松村 由美 |
創傷被覆材を各種皮膚潰瘍に使用する際には,炎症,感染,虚血の状態を把握したうえで適切に使用する.疼痛緩和には非固着性被覆材が有用である. |
創傷治療:局所陰圧閉鎖療法 |
簗 由一郎ほか |
局所陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy;NPWT)のメカニズム・適応・禁忌・合併症について述べ,具体的な手順について概説した. |
◇コラム◇ Critical colonizationってなに? |
宮地 良樹 |
創傷治療:フットケアのコツ |
高山かおる |
足や爪の病気は,糖尿病性壊疽や高齢者の転倒を招くことに結びつく.対症療法にとどまらない,根治的な管理を目的としたフットケアについてまとめる. |
酒皶:自然免疫病態論に基づく治療 |
山崎 研志 |
酒皶の病態を自然免疫機構の変化・異常という側面から解釈した病態論を紹介し,酒皶の病型別治療方法の考え方や選択方法の背景を自然免疫機構の側面から解説する. |
挫瘡:アダパレンと抗菌薬の併用療法 |
谷岡 未樹 |
アダパレンの承認により,海外と同様に本邦での尋常性挫瘡治療の第一選択は外用レチノイドと抗菌薬の併用療法となった.本邦での併用療法の臨床試験のデータを実臨床に反映させ,併用療法を普及させることが重要である. |
アンチエイジング:根拠のあるアンチエイジングはどれか |
川田 暁 |
皮膚の老化や光老化を対象とするアンチエイジング治療にはさまざまなものがある.そのなかでエビデンスのあるものはどれなのか.各種のガイドラインを中心に解説する. |
シミ:肝斑と誤診される顔面真皮メラノサイトーシス(facial dermal melanocytosis) |
渡辺 晋一 |
顔面に左右対称性に色素沈着がみられる真皮メラノサイトーシスが存在する.この疾患は,Qスイッチレーザー治療が有効であるが,しばしば肝斑と誤診されている. |
蕁麻疹:抗ヒスタミン薬は倍量か変更か |
谷崎 英昭 |
難治性蕁麻疹の薬剤選択においては変更と増量が候補に挙がる.個々の薬剤の構造や薬物動態を踏まえ,日常診療における非鎮静性抗ヒスタミン薬選択の一助となる情報を発信したい. |
◇コラム◇ 蕁麻疹患者は外用薬を希望し,効果に満足している? |
宮地 良樹 |
かゆみ:レミッチはアトピー性皮膚炎にも有効か |
冨永 光俊ほか |
かゆみに関与する中心的なオピオイド系は,μ-オピオイド系(かゆみ誘発系)とκ-オピオイド系(かゆみ抑制系)であり,中枢あるいは末梢でかゆみ発現を制御する. |
アトピー性皮膚炎:ネオーラル®の現実的な使用法とエビデンス |
五十嵐敦之 |
ネオーラル®の投与法は朝1回食前投与がPK/PD理論の点からよいとされる.難治例では隔日内服など投与方法の工夫が必要である. |
帯状疱疹後神経痛 |
渡辺 大輔 |
帯状疱疹後神経痛はしばしば治療に難渋するが,痛みを適切に評価したうえでエビデンスの高い薬剤を使用する.また欧米ではワクチンによる予防効果も報告されている. |
白斑:エキシマレーザー/ライト治療とカモフラージュメイクの効用 |
谷岡 未樹 |
尋常性白斑の治療はナローバンドUVBの登場で飛躍的に向上したが,次世代の紫外線治療器としてエキシマレーザー/ライトが登場した.また,患者のQOL改善にカモフラージュメイクが有用であるエビデンスが確立されつつある. |
天疱瘡:IVIG療法の適応と使い方 |
牧野 輝彦ほか |
2008年にステロイド治療に抵抗する天疱瘡に対して保険診療として許可されたヒト免疫グロブリン製剤大量静注療法(IVIG療法)の使用方法と注意点について解説する. |
◇コラム◇ 天疱瘡:リツキシマブは有効か? |
宮本樹里亜ほか |
類天疱瘡:高齢者の非ステロイド療法 |
名嘉眞武国ほか |
BP,MMPの高齢者に対する非ステロイド療法は軽症例に行われる.しかし効果がないと判定されれば全身状態まで悪化することから速やかにステロイド全身療法を開始する. |
掌蹠多汗症:塩化アルミニウムのコツ |
藤本 智子ほか |
多汗症治療のコツは,患者の年齢に適した,重症度に応じた,部位に適した方法を選択することである.塩化アルミニウムが第一選択となった背景を理解することが治療のコツをつかむことにつながる. |
男性型脱毛症:フィナステリドの総括 |
板見 智 |
男性型脱毛症診療ガイドラインにおけるフィナステリドの推奨度はAである.しかしながら即効性はなく,1年間の内服前後の臨床写真を比較して継続するかどうかを決める. |
円形脱毛症:ステロイドミニパルス療法 |
乾 重樹 |
重症型円形脱毛症に対するステロイドミニパルス療法について解説する.筆者らのデータでは,発症から6か月以内で,かつ脱毛面積が全頭に至らない段階での治療開始が最も推奨される. |
乾癬:生物学的製剤の光と影 |
朝比奈昭彦 |
生物学的製剤を処方する際は,その優れた有効性だけでなく,投与時の問題や感染症などのリスクを熟知したうえで,適切で安全な使用を心がける必要がある. |
乾癬:光線療法のポジショニングと実際 |
森田 明理 |
乾癬の光線療法では,ナローバンドUVBが最も一般的に.生物製剤が登場した今,光線療法のポジショニングが課題.照射方法は,エキシマライトが登場し,全身・部分照射から,難治部位へのターゲット型照射が,一般診療レベルとなった. |
掌蹠膿疱症の治療戦略 |
照井 正 |
増悪因子は積極的に治療を行う.ステロイド外用薬と活性型ビタミンD3外用薬を中心とし,光線療法も考慮する.骨関節症状にはNSAIDやネオーラルなどが使用される. |
静脈瘤:もはや皮膚科医のテリトリー |
谷岡 未樹 |
下肢静脈瘤は頻度の高い疾患であり,皮膚に症状が出た場合,だるさやこむら返りを伴っている場合が多い.皮膚科医は皮膚症状から背景にある下肢静脈瘤を診断し適切に対処する必要がある. |
白癬:治療の現況 |
常深祐一郎 |
白癬の治療は外用抗真菌薬と経口抗真菌薬であるが,治癒率を高めるには,外用薬の選択や患者指導,経口抗真菌薬の積極的利用など見直すべき点は多い. |
疥癬:イベルメクチンの効果的な使い方 |
和田 康夫 |
イベルメクチンを効果的に使用するためには,ヒゼンダニの生活史,イベルメクチンの作用点,疥癬の治療経過を理解し,戦略的に使用することが大切と考える. |
陥入爪:とっておきの治療法 |
河合 修三 |
陥入爪は,種々の治療法のメリット,デメリットを理解したうえで,爪の彎曲とオーバーネイルの有無に基づいて,保存的治療と手術の選択を行う. |
◇コラム◇ 爪切りのコツ |
立花 隆夫 |
疣贅:足底の疣贅の無痛治療 |
江川 清文 |
ヨクイニンやスピール膏など保険適応を有する疣贅治療法以外にも,活性型ビタミンD3,グルタルアルデヒドやフェノール外用療法など保険適応のないものにも触れた. |
皮膚良性腫瘍:炭酸ガスレーザーを用いた治療のコツ |
葛西健一郎 |
皮膚良性腫瘍の炭酸ガスレーザー治療は,病変の組織学的構造を理解したうえで直視下に確認しながら蒸散し,術後創を愛護的に湿潤状態で管理することで良好な結果が得られる. |
◇トピックス◇ |
分子標的薬の皮膚マネジメント |
松村 由美 |
皮膚科ジェネリック製剤の選択基準 |
生駒 憲広ほか |
サージトロンはこんなに便利 |
中川 浩一 |
ケミカルピーリングはいま |
古川 福実ほか |
◇コラム◇ 新規治療の可能性 |
光線力学療法 |
長野 徹 |
イミキモド |
中川 秀己 |