〈疾患管理〉 |
脳疾患の管理 |
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脳血管障害の再発予防は? |
松浦 大輔 |
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脳血管障害は再発の多い疾患であり,適切な二次予防が不可欠である.回復期リハビリテーション病棟は,急性期と生活期の橋わたしとして重要な機能を担う. |
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てんかん発作の診断,対応と治療は? |
松本 敦仁 |
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脳疾患後の回復期リハビリテーションにおいて,てんかん発作が生じることがある.具体的な診断,実際の発作時の対応,臨床的な薬物治療をガイドラインに沿って述べていく. |
糖尿病の管理 |
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高齢者・低栄養者の血糖コントロールは? |
勝谷 将史 |
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高齢糖尿病患者の特徴と血糖コントロールの目標,運動療法の禁忌や制限が必要な病態,インスリン療法からの離脱に向けた指標を解説する. |
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退院後に向けた指導は? |
勝谷 将史 |
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どのような問題が糖尿病治療に影響するのかを知り,回復期リハビリテーション病棟ならではの患者背景を考慮した治療の選択と多職種による退院指導の実際を述べる. |
血圧の管理 |
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血圧管理と目標値は? |
松浦 大輔 |
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高血圧治療の最大の目的は脳心血管病のリスク軽減であり,病態に応じた最適な薬物治療や,リハビリテーション中のリスクマネジメントが必要である. |
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起立性低血圧への対応とリハビリテーションは? |
松浦 大輔 |
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リハビリテーションを安全に進めるうえで,血圧低下への対応は重要である.血圧低下をきたす病態や緊急時の対応,起立性低血圧への対策について述べる. |
脂質異常症の管理 |
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脂質異常症の脂質管理はどのように行うか? |
角田 賢 |
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脂質異常症は,動脈硬化性疾患の危険因子の1つであり,血中脂質の管理は回復期にとって重要課題の1つであるため,高齢者の特性を理解しながら治療を行うことが重要になる. |
心疾患の管理 |
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回復期リハビリテーション病棟では心疾患のリスク管理・疾病管理はどう行うか? |
勝木 達夫 |
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高齢心疾患合併例でのリハビリテーションは,安静時心拍数+30/分を目安に自覚症状を確認して運動負荷試験を行う.心疾患予後を予測し,退院後の運動の場を検討する. |
呼吸器疾患の管理 |
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呼吸器疾患・呼吸障害の管理と対応は? |
石川 朗 |
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回復期リハビリテーション病棟において,呼吸器疾患や呼吸障害を対象としたリハビリテーションは不可欠であり,積極的に導入されることを切望する. |
腎疾患の管理 |
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腎疾患の管理・対応は? |
和田 義敬ほか |
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回復期リハビリテーション病棟における慢性腎臓病患者への検査,運動療法,食事療法,透析患者に対する病棟の取り組みについて紹介する. |
DVTの管理 |
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DVTが疑われる患者に対する検査・診断とその対応は?―検査・診断と薬物治療とリハビリテーション医療― |
畠中めぐみほか |
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DVTの入院時スクリーニングでは,肺血栓塞栓症のリスクとなる中枢型DVTを早期発見し,DOACによる抗凝固療法を行いながら安全なリハビリテーション医療を行う. |
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DVTの予防や治療後の対応は?―理学的予防法,薬物的予防法― |
畠中めぐみほか |
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DVT予防の基本は歩行と積極的な運動である.圧迫法や薬物的予防法は疾患や治療などのDVTリスクにより選択される.予防の成功のため,十分な説明により患者の理解と協力を得る. |
脳卒中後の大腿骨骨折の管理 |
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脳卒中後の転倒による大腿骨近位部骨折症例の管理・対応は?―リハビリテーションの進め方― |
木下 翔司ほか |
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大腿骨近位部骨折は脳卒中患者に発症しやすい.安全かつ効果的なリハビリテーション医療のためには,包括的な身体・認知機能評価にもとづくリハビリテーション処方が重要である. |
変形性膝関節症の管理 |
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変形性膝関節症の管理と対応は? |
猪飼 哲夫 |
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回復期リハビリテーション病棟における患者の変形性膝関節症合併率は高い.薬物療法,膝装具や足底装具などの処方,大腿四頭筋訓練などのリハビリテーションを施行する. |
骨粗鬆症の管理 |
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骨粗鬆症が疑われる患者に対するスクリーニング検査にはどのようなものがあるか? |
佐久間真由美 |
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回復期病棟で行える骨粗鬆症のスクリーニング検査にはどのようなものがあるか.危険因子の把握,身体所見,骨密度検査,画像検査について述べる. |
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骨粗鬆症診断後の治療は? |
佐久間真由美 |
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骨粗鬆症の治療薬は骨吸収抑制剤と骨形成促進剤に大きく分けられる.各治療薬の特徴と主な注意点,回復期における薬剤選択について考える. |
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回復期リハビリテーション病棟における骨粗鬆症性椎体骨折の現状と対応は? |
佐々木正修 |
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骨粗鬆症性椎体骨折を保存的に治療するには,骨折椎体に異常可動性が内在していることを理解し,適切な安静を行ったのちに早期離床・早期訓練を行う. |
栄養・食事管理 |
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回復期リハビリテーション病棟における栄養スクリーニングはどう実施するか? |
西岡 心大 |
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回復期リハビリテーション病棟において,低栄養患者を発見するためには栄養スクリーニングが不可欠であり,適切な手法を選択する必要がある. |
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食事摂取量が不十分な低栄養患者にはどのように対応するか? |
西岡 心大ほか |
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回復期リハビリテーション病棟入院患者の食事摂取量が低下する背景には病態や治療など様々な要因があり,それらを評価したうえで食事や栄養強化製品などを使い分ける必要がある. |
薬剤管理 |
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気をつけるべき副作用は? |
西村 典子ほか |
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基礎疾患に対する薬剤の副作用のほかに,高齢者に多くみられる疾患(便秘症,排尿障害,骨粗鬆症など)に使用する薬剤の副作用にも気を配る必要がある. |
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睡眠薬の転倒リスクと高齢者への使い方は? |
小原 和久 |
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高齢者へは筋弛緩作用,持ち越し効果の少ない睡眠薬を選択し,薬物代謝能の低下や薬物相互作用による用量調節など,各睡眠薬の特徴を理解して使用することが重要である. |
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ポリファーマシー解消に向けた取り組みは? |
小瀬 英司 |
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「リハビリテーション薬剤」は,特に回復期リハビリテーション病棟で薬剤管理を行う際には,必要な概念である. |
体温管理 |
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体温管理はどのように行うか?―原因とリハビリテーション中止基準― |
岡崎 英人 |
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発熱の対応は,回復期でみる場合,熱を除いたバイタルが安定していることが基本となる.訓練は原則として中止する必要はないが,付随する症状に合わせた訓練を選択する. |
精神症状の管理 |
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精神症状への対応は?―抗うつ薬・抗不安薬・向精神薬の使い方― |
本田 有正 |
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精神症状は大きなリハビリテーション阻害因子となる.抗うつ薬・抗不安薬・抗精神薬などの薬理学的特徴をきちんと理解したうえで,内服管理を行うことが必要である. |
〈障害管理〉 |
歩行障害の対応 |
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歩行自立に向けた評価とリハビリテーションはどう行うか?―バランス,歩行速度,耐久性― |
松下 信郎ほか |
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回復期リハビリテーション病棟での歩行自立や退院後の生活範囲の拡大に向けたバランス,歩行速度,耐久性の評価について当院の取り組みを含め概説した. |
嚥下障害の対応 |
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嚥下障害が疑われる患者に対する検査・評価とその対応は?―スクリーニング検査,嚥下造影検査,嚥下内視鏡検査― |
酒井 貴哉ほか |
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回復期リハビリテーション病棟の患者に対し,正しくスクリーニングテストを施行する.嚥下障害が疑われた際は必要に応じて,嚥下造影検査,嚥下内視鏡検査を施行し,適切なリハビリテーション計画を立てる. |
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嚥下障害者に対する胃瘻などの代替栄養法の適応,患者家族への説明は? |
武原 格 |
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代替栄養法には,それぞれ長所と短所があるため,特徴を理解することが重要である.相互参加型モデルの意思決定が求められ,支援が必要な場面もある. |
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気管切開の管理をどのように行うか?―抜去のタイミング,嚥下訓練― |
大熊 るり |
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気管切開にはデメリットが多く,それを上回るメリットがあるかアセスメントする.カニューレ抜去の可否は気道閉塞の有無,呼吸状態,咳嗽力,痰の量などから判断する. |
肩手症候群の対応 |
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肩手症候群に対する治療法は?―その有効性や投与量など― |
江﨑 祥太ほか |
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回復期リハビリテーション病棟で遭遇する狭義,および広義の高次脳機能障害について,検査や診断・評価に対して総論的に解説した. |
痙縮への対応 |
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痙縮に対してのアプローチ方法は? |
菅原 英和 |
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回復期の早い段階で痙縮の悪循環を断ち切っておくことはその後のリハビリテーションの円滑化につながる.今回,物理療法,ボツリヌス治療,フェノールブロックを解説する. |
しびれ・疼痛の対応 |
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しびれ・疼痛の概念,原因,診断と評価の方法は? |
大井 清文 |
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しびれ・疼痛の定義と分類を良く理解したうえで,診断のための問診,神経学的診察,画像検査および筋電図検査などを行い,原因を明らかにすること. |
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神経障害性疼痛に対する対応は? |
大井 清文 |
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神経障害性疼痛は,リハビリテーョン療法に加え,患者に使用する薬剤の治療効果と副作用をよく説明しながら,早期に治療を開始する. |
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侵害受容性疼痛(主に体性痛)に対する対応は? |
大井 清文 |
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体性痛における薬物療法では多様式鎮痛法(multimodal analgesia)が,リハビリテーション療法においては集学的生物心理社会学的リハビリテーションが効果的である. |
高次脳機能障害の対応 |
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高次脳機能障害への対応は?―検査や診断法― |
江﨑 祥太ほか |
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回復期リハビリテーション病棟で遭遇する狭義,および広義の高次脳機能障害について,検査や診断・評価について総論的に解説した. |
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リハビリテーションの効果と予後予測は? |
原 貴敏 |
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高次脳機能障害に対する回復期リハビリテーションは,多職種が連携した包括的全人的プログラムが必要である.また,感情の制御や表情認知・感情認識に対するプログラムの導入が注目されている. |
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帰宅願望が強い高次脳機能障害者への対応は?―離院・離棟対策― |
福江 亮ほか |
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離院・離棟は致命的になる可能性があるため,適切なスクリーニング,発生予防策,離院発生時の捜索などの工夫が必要である.当院で実践している離院・離棟予防策について報告する. |
排尿障害の対応 |
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脳血管障害,脳外傷などの対応は? |
青木 重陽 |
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脳血管障害や脳外傷などの排尿障害は,前頭葉機能低下による過活動膀胱に加えて,高齢に伴う問題などが重なり,複合的な病態となることが多い.包括的な対応が望まれる. |
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脊髄損傷の排尿障害に対する回復期の対応は? |
原木 望ほか |
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脊髄障害は排尿障害を合併する.回復期には膀胱機能を評価し,適切な排尿方法を選択する.そのために,適切な知識と対応を習得する必要がある. |
排便障害の対応 |
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排便障害の管理と対応は? |
山上 大亮ほか |
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近年更新されている慢性便秘症の診断や新規治療薬について,また脊髄損傷者特有の排便障害とその管理について概説する. |
〈その他〉 |
病棟管理 |
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ソーシャルハイリスク患者への対応は?―協力者不在・経済的困窮者,外国人― |
藤井由記代 |
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ソーシャルハイリスクのある患者に対するリハビリテーションチームの実践のヒントを紹介する. |