Ⅰ.上肢神経損傷に対するアプローチ |
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腕神経叢へのアプローチ |
柿木 良介 |
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腕神経叢は,鎖骨上から神経根部,幹部,分枝部の展開を,鎖骨下から神経束部,末梢神経部の展開ができる. |
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副神経に対するアプローチ |
多田 薫ほか |
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副神経を探索する際にランドマークとなるのは胸鎖乳突筋と大耳介神経である.副神経は大耳介神経が出現する点の約1cm頭側で胸鎖乳突筋の筋体後縁から出現する. |
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上腕部神経に対するアプローチ;Oberlin法(尺骨神経部分移行術) |
林 洸太ほか |
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尺骨神経部分移行術(Oberlin法)は,腕神経叢損傷に対する肘屈曲再建法であり,尺骨神経の神経束を筋皮神経の上腕二頭筋枝に移行する.本稿では,主にその手術手技について解説する. |
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肘関節周囲神経へのアプローチ |
松井雄一郎 |
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肘部管症候群に対する尺骨神経皮下前方移所術,前骨間神経麻痺や後骨間神経麻痺に対する神経剥離術について注意点を中心に述べる. |
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手関節周囲神経へのアプローチ |
射場 浩介ほか |
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手関節周囲神経へのアプローチでは神経剥離が目的の場合と,術野を走行する神経の温存が目的の場合がある.特に後者では正中神経,尺骨神経,橈骨神経それぞれの知覚枝の走行を確認することが必要と考える. |
Ⅱ.上肢骨折手術に必要なアプローチ |
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上腕骨近位骨折に対するアプローチ |
大泉 尚美ほか |
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上腕骨近位骨折に対する上方アプローチと三角筋大胸筋間アプローチを中心に,その適応,手技の実際とコツ,注意すべき合併症について述べる. |
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上腕骨骨幹部骨折に対するアプローチ |
西田 匡宏ほか |
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上腕骨には大きく分けて3つの進入路がある.橈骨神経の走行が重要であるが,それが理解できれば展開はそれほど難しくはない.プレート固定術に関しても概説する. |
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上腕骨遠位端粉砕骨折における手術アプローチ |
今谷 潤也 |
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上腕骨遠位端粉砕骨折の手術で用いられる様々なアプローチ法を紹介した.肘関節の後方,外側,内側,前方の各種アプローチについて,その違いや具体的な手術手技,適応症例について詳述した. |
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肘関節脱臼骨折に対する手術アプローチ |
島田 幸造 |
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肘関節脱臼骨折の病態をその受傷機転に基づいて,外反(MCL損傷)型,PLRI型,TTI型,肘頭粉砕型に大別し,それぞれの手術アプローチを解説する. |
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前腕骨骨折に対するアプローチ |
佐藤 和生 |
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前腕骨幹部骨折に対するアプローチの紹介.尺骨はスタンダードな尺側アプローチ,橈骨は掌側と背側2つのアプローチを,解剖を中心に解説する. |
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手関節周囲骨折へのアプローチ |
佐藤 和毅 |
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手関節周囲骨折のアプローチでは解剖を熟知して脈管や腱損傷をきたさないように,そして整復固定操作をしやすいように骨折部を展開することが肝要である. |
Ⅲ.各関節周囲ならびに関節内アプローチ |
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肩後方アプローチ |
鏑木 秀俊ほか |
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肩後方アプローチに必要な僧帽筋と三角筋,後方の腱板筋群である棘下筋と小円筋,上腕三頭筋長頭腱,ならびに肩甲上神経と腋窩神経について述べる.また,アプローチの種類と展開について解説する. |
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肘関節内病変へのアプローチ |
織田 崇ほか |
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内側アプローチと外側アプローチを適切に選択し,拡大や組み合わせることにより様々な局在や性状の肘関節内病変に対処することができる. |
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手指関節内病変へのアプローチ |
内藤 聖人 |
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多岐にわたる手指関節内病変へのアプローチを,実際の症例を提示しながら紹介する.症例に応じた治療戦略を術者が検討する際,各アプローチの特徴を理解し,使用する必要がある. |
Ⅳ.経験する頻度が比較的高い手術に必要なアプローチ |
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人工肩関節置換術に必要なアプローチ |
瓜田 淳 |
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人工肩関節置換術の多くは前内側進入(deltopectoral approach)で行われる.視野が良く手術操作がしやすい術野の展開を心がける. |
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肩腱板損傷に対するアプローチ |
松村 昇 |
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肩腱板損傷に対する直視下腱板修復術および筋腱移行術に必要なアプローチに関して,後上方型の腱板損傷と前上方型の腱板損傷に分けて解説する. |
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人工肘関節全置換術に対するアプローチ |
伊藤 宣 |
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人工肘関節全置換術の際にはCampbellの後方アプローチがスタンダードであるが,triceps-onアプローチも一考に値する.組織侵襲を最小にしながら十分な展開を得るようにすべきである. |
Ⅴ.知っておきたいアプローチ |
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胸郭出口症候群に対するアプローチ |
井上 彰ほか |
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当院では,胸郭出口症候群に対する手術は内視鏡アシスト下での経腋窩アプローチで行っている.内視鏡を併用することで直視下法では不可能であった良好な手術野の確保,解剖学的な病態把握が可能となった.本稿では内視鏡アシスト下経腋窩アプローチの詳細について述べる. |
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前腕部皮弁採取に必要なアプローチ |
河村 健二 |
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橈側前腕皮弁を栄養する皮膚穿通枝は橈側手根屈筋と腕橈骨筋の筋間中隔に存在する.後骨間動脈皮弁を栄養する皮膚穿通枝は尺側手根伸筋と小指伸筋の筋間中隔に存在する. |
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前腕コンパートメント症候群に対するアプローチ |
善家 雄吉ほか |
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前腕のコンパートメント症候群は,迅速で的確な診断と治療が重要であるが,急性期,亜急性期,慢性期に分けて,それぞれに対するアプローチにつき図説する. |