父兄が邪魔するアトピー性皮膚炎患者への診察の極意 |
赤坂季代美ほか |
父兄が邪魔するアトピー性皮膚炎患者の診察で大切なことは,キーパーソンである父兄といかに良好な関係を築くことができるかである.我々が日常診療で心がけていることについて,症例提示を混じえて述べてみたい. |
治らないとぼやく痒疹患者への診療の極意 |
大原 香子 |
内科的基礎疾患を有する痒疹や若年者の痒疹より,アトピー性皮膚炎を有する中高年男性は一層難治である.信頼関係,治療意欲の向上,目標設定,根気が必要となる. |
ハンドクリームなどお構いなしでステロイド外用薬に頼ろうとする,手湿疹患者への診療の極意 |
曽我部陽子 |
手湿疹治療では,初期から保湿剤併用の重要性を繰り返し説明し,受診のたびに保湿の状態を確認しながら,ガイドラインに沿った標準的な治療を行うことが重要である. |
とにかく原因を知りたがる蕁麻疹患者に納得してもらうための極意 |
千貫 祐子 |
蕁麻疹の各病型の割合では,直接的原因ないし誘因なく自発的に膨疹が出現する特発性の蕁麻疹が大半を占めるため,特別な検査を要さない. |
生物学的製剤に頼らない乾癬診療の極意 |
日野 亮介 |
乾癬治療の基本となる外用,内服,光線療法を組み合わせて適切に使用することで,生物学的製剤に頼らなくても治療効果を出す工夫を紹介する. |
生活習慣を全く変える気のない掌蹠膿疱症患者への診療の極意 |
小林 里実 |
掌蹠膿疱症の発症原因は複合的であり,互いに関連している.治癒を目指す治療の組み立てに必要な検索とアプローチを示した.正しい情報提供とインフォームドコンセントで患者の治療選択を支える. |
液体窒素では難治な尋常性疣贅患者に次なる一手を打つための極意 |
清水 晶 |
疣贅の治療法は多様であり,保険適用外のものも多い.疣贅の基本的事項を整理し,本邦の治療法と英国のガイドラインを紹介する. |
病識に乏しい糖尿病性潰瘍患者へのトータルマネジメントの極意 |
池上 隆太 |
糖尿病性足潰瘍は感染,末梢動脈疾患,神経障害の評価が重要であり,その結果に基づき患者教育も含めて適切な治療を行う. |
繰り返す円形脱毛症患者への治療の極意 |
野見山朋子 |
再発性の円形脱毛症の治療にはアドヒアランスの向上が不可欠である.再燃や治療抵抗性に対する治療法の切り替えや対処法を紹介する. |
拡大する白斑(vitiligo)を呈する患者をサポートするための極意 |
大磯 直毅 |
治療抵抗性で進行性の白斑や治療抵抗性の白斑に罹患している患者は特にQOLが低下する.患者をサポートするためには診療を通じての信頼関係構築が重要である. |
尋常性痤瘡患者に対する外用薬の使い分けの極意 |
谷岡 未樹 |
数ある選択肢からどのような状態の患者にどの薬剤を選択すべきなのか,バーチャル患者を通してエビデンスと実臨床のギャップを埋める. |
とにかく早く治してほしいという酒皶・脂漏性皮膚炎患者への診療の極意 |
小林 美和 |
「赤ら顔」に悩む酒皶,成人の脂漏性皮膚炎は,ともに慢性で難治性である.対症療法を工夫しつつ,分かりやすい説明と具体的な生活指導で,患者とともに改善策を考えたい. |
皮膚からみつける膠原病の早期発見の極意 |
小寺 雅也 |
Window of opportunityを逃さず,早期診断,早期治療に結びつけるために膠原病の皮膚症状を的確にとらえることが重要である. |
多種多様な薬剤を服用して現れる薬疹患者への対応―診療の極意:被疑薬を絞るには― |
水川 良子 |
多種多様な薬剤を服用して現れる薬疹患者への対応を,被疑薬決定のポイントを中心に概説する. |
性感染症の治療,そして問診のコツ |
加藤 雪彦 |
我が国で梅毒は再興感染症と位置づけられ,早期発見が求められている.本稿では,梅毒の診断と治療,HIVの診断の方法,および聞きにくいことを問診する際のコツについて概説する. |
勝手にOTCを使用して現れる白癬患者への診療の極意 |
北見 由季 |
白癬患者に皮膚科医がどのタイミングで関われるかで治療方針も変わる.患者の常識は,ときに誤りも多い.外用剤の選び方,スキンケアの指導も白癬治療には重要である. |
家族や他職種に疥癬を理解させるための極意 |
西尾 晴子 |
疥癬を早期発見し,集団感染させないためには患者の家族や他職種に疾患を理解してもらうことが大切である.皮膚科医がどう対応していくのがよいのかについて述べる. |
シミの治療を希望する患者とのトラブルを避けるための極意 |
堀 仁子 |
シミは良性の色素性病変であり,患者が治療を希望した場合に治療を行う.シミの治療について習熟し,患者と良好なコミュニケーションをとることが患者の満足度を上げる. |
ナースが考えるスキンケアの極意 |
佐藤 文 |
ナースが考えるスキンケアの極意とは,皮膚の生理機能を損なう状況を予測・予防し,皮膚の健康を維持増進できるように取り組むことである. |
レストレスレッグス症候群の診断・治療の極意 |
鈴木 圭輔ほか |
レストレスレッグス症候群(RLS)では,(1) 下肢を動かしたいという強い衝動,安静時・夜間に症状が出現し,運動により改善するという特徴がある.(2) 診断には上記4徴に加えてRLS mimicsの除外が必要である.(3) 治療には鉄剤,ドパミン作動薬やα2δリガンド製剤が用いられる.(4) アルコールやカフェイン摂取,抗ヒスタミン薬,抗うつ薬,選択的セロトニン再取り込み阻害剤,ドパミン拮抗薬などの薬剤でRLS症状は誘発・悪化する. |
トータルで皮膚科外来診療の患者満足度を向上させる極意―活用したい!日本皮膚科学会認定皮膚疾患ケア看護師 |
安部 正敏ほか |
日本皮膚科学会は,皮膚科診療のトータルレベルの向上を目的に皮膚疾患ケア看護師制度を創設した.質の高い皮膚疾患ケアを社会にアピールする手段として期待される. |