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Monthly Book Orthopaedics(オルソペディクス) 29/10

Monthly Book Orthopaedics(オルソペディクス) 29/10

脊椎疾患診療マニュアル―私のコツ―<増刊号>

西良浩一/編

2016年10月

or2910

定価6,380円(税込み)

3営業日内ですぐに発送!

目次

I.診断のコツ
 <頚 椎>
Myelopathyの手の症候 海渡 貴司
頚部脊髄症は索路徴候と髄節徴候からなる多彩な手の症候を呈するが,論理的にこれら症候を観察・評価することにより,手という局所から病態に迫る多彩な情報を得ることができる.
頚部神経根症の手の症候―他疾患との鑑別点― 田中 靖久
頚部神経根症に特徴的な手指のしびれと麻痺は,脊髄症や末梢神経障害でも生じる.問診でいかに他疾患と鑑別できるか,いかに障害神経根を診断するかを述べる.重篤な下垂指例の特徴を概説する.
手のしびれ:myelopathy/radiculopathyとneuropathy 園生 雅弘
手のしびれを訴える患者において,頚椎症,ニューロパチー,腕神経叢障害などの間で鑑別診断するためのコツを,病歴,神経診察,補助検査の3つの観点から論じる.
各種頚椎疾患における画像所見の見分け方 宮﨑 正志
脊椎脊髄疾患の画像評価はMRIが中心的な役割を果たしているが,動的因子の評価が得られないために単純X線像での動態撮影を行い動的因子の存在を加味して読影すべきである.
頚髄症とALSの鑑別 和泉 唯信ほか
ALSの診断は多くの疾患を鑑別して行うが,実際には特に頚髄症を合併していることが少なくない.頚髄症とALSを鑑別する,あるいはALSの合併を見逃さないためにどうするかを解説する.
頚髄損傷の予後判断 菅野 晴夫
頚髄損傷の予後予測に役立つ麻痺の重症度やMRIなどの臨床的評価の要点をまとめ,手術や全身管理などの治療が予後に与える影響についても概説した.
頚椎疾患手術治療介入のタイミング 大谷 隼一ほか
頚椎疾患に対する手術治療において,本邦では頚椎後方除圧術を選択することが多い.代表的疾患である頚髄症と非骨傷性脊髄損傷に対する手術治療介入のタイミングについて検討した.
 <腰 椎>
腰痛の脳イメージング 下  和弘ほか
fMRIを中心に腰痛の脳イメージング研究を概説する.近年の研究から,腰痛のリスクファクターが脳に存在する可能性や脳の可塑性をターゲットとした腰痛治療が示されている.
原因不明の非特異的腰痛に陥りやすい病態(こども) 山下 一太ほか
こども・思春期の腰痛で原因不明の非特異的腰痛に陥りやすい病態としては,(1) 腰椎分離症(初期),(2) 椎間板性腰痛,(3) 椎間関節炎,(4) 腰椎骨端輪骨折が挙げられる.画像所見としては,通常のMRIに加えて,STIR-MRI,CTが有用な場合がある.
原因不明の非特異的腰痛に陥りやすい病態(おとな) 加藤 欽志ほか
成人・高齢者の腰痛診療において,非特異的腰痛に陥りやすい病態,すなわち見逃されやすい特異的腰痛の例について概説し,実際の臨床現場における対応について考察した.
発育期腰椎分離症の保存治療update「骨はつくのか? つかないのか?」 酒井 紀典
発育期腰椎分離症の骨癒合率は向上してきているが,再発も含めた発生予防が今後の課題である.
椎間板性腰痛の診断と治療 青木 保親ほか
慢性難治性の椎間板性腰痛を減らすために,初療医の病態・患者管理に対する知識が不可欠である.慢性化症例の治療は保存療法が原則であるが,一部の症例で固定術が適応される場合もある.
HIZ性腰痛の診断とレビュー
高田洋一郎ほか
腰椎MRIにおけるHigh Intensity Zoneに関してこれまでに報告されている文献的レビューを行った.
膠原病による腰部障害の臨床 鈴木 亨暢
関節リウマチでは頚椎だけでなく腰椎の病変も頻繁に認められる.脊椎関節炎は仙腸関節炎や脊椎の腱付着部炎を引き起こし,若年者の腰痛に関する診断では特に念頭に置く必要がある.
仙腸関節障害の診療 金岡 恒治
仙腸関節障害は画像検査に異常を認めない機能的腰部障害の1~2割を占めると考えられ,腰椎椎間板ヘルニアとの鑑別を必要とするため,脊椎外科医にはその評価方法の習得が求められる.
 <腫瘍・感染など>
脊髄髄内腫瘍・非腫瘍性脊髄病変の鑑別診断のコツと治療方針の立て方 岩波 明生
脊髄髄内腫瘍と非腫瘍性病変の鑑別は困難であることが多い.画像診断のみならず,問診・神経学的所見などの臨床所見を把握したうえで,他科も交えて総合的に診断することが大切である.
転移性脊椎腫瘍:手術適応と術式 村上 英樹
転移性脊椎腫瘍の手術適応に関しては,個々の患者の全身状態と予後を十分に把握し,適応と術式を選択する必要がある.我々整形外科医の適切な治療選択が求められる.
化膿性脊椎炎と脊椎カリエス 谷島 伸二ほか
化膿性脊椎炎,脊椎カリエスのそれぞれの症状,画像所見の特徴を熟知しておくことが早期診断のコツである.
SAPHO症候群の画像診断 髙尾正一郎
SAPHO症候群の診断において,画像診断は重要な役割を持つ.本稿では前胸部,脊椎および長管骨に分けてSAPHO症候群の画像所見につき解説する.
 <脊椎一般>
高齢者脊椎疾患の疫学的実態―腰部脊柱管狭窄症と頚髄圧迫について― 石元 優々ほか
一般高齢者コホートにおいて,腰部脊柱管狭窄症の有病率は男女とも約10%であり,MRI上の頚髄圧迫は全体の1/4に認めた.またMRI上の腰部脊柱管狭窄と症状との間には乖離を認めた.
身体表現性障害および詐病診療に役立つ臨床所見 杉本 佳久
交通事故を契機とした詐病や身体表現性障害といったケースで有用な所見,Hoover徴候,Sonoo外転試験について紹介する.
脊椎手術前後での骨粗鬆症対策のコツ 和田 明人ほか
骨粗鬆症を伴った高齢者脊椎疾患に対してインストルメンテーション併用長範囲固定術を行う際,テリパラチド製剤の併用は骨癒合に対して有用である.
パーキンソン合併手術症例の対応 八木  満ほか
パーキンソン病に対する脊椎手術は病期や脊柱変形の程度により手術の成否が異なる.良好な手術成績を得るためには慎重に適応を検討する必要がある.
II.手術のコツ
 <固定術>
確実に決めるCBT 松川啓太朗
CBTで良好な治療成績を得るためには,(1) 皮質骨との最大限の接触,(2) 効果的な椎体荷重分散性のための椎体内への長い軌道,(3) 隣接上位椎間関節干渉の回避が重要である.
Extreme lateral interbody fusion(XLIF) with PPS 石井  賢ほか
経皮的椎弓根スクリュー(PPS)を併用した側方経路腰椎椎体間固定術(XLIF)の適応と限界,基本手術手技,治療効果等について概説する.
Oblique lateral interbody fusion(OLIF) with PPS 大鳥 精司ほか
Oblique lateral interbody fusion(OLIF)を用いた腰椎すべり症に対する間接除圧手術,脊柱変形に対する矯正手術のアプローチ,成績を記載する.ただ,脊髄神経損傷,内臓損傷(腹膜,胸膜,大腸,尿管等),血管損傷などの合併症には注意すべきである.
Temporary fixationとしての最小侵襲脊椎安定術(MISt)―PPS without fusion technique― 篠原  光ほか
PPS without fusionは,最小の侵襲で強力な固定を得ることが可能であり,転移性脊椎腫瘍や感染性脊椎炎,脊椎骨折などに有用な術式である.
成人脊柱変形矯正 福田健太郎
成人脊柱変形矯正手術の目標は冠状面のみならず矢状面アライメントの獲得であり,矢状面バランスの獲得に重要なのは患者固有の骨盤形態に見合った腰椎前弯の獲得である.
早期発症側弯症の治療と診断 鈴木 哲平ほか
軽症例でも見逃してはならない合併奇形の存在,側弯のタイプによって治療法や適応時期が様々であることなど一般整形外科医に求められる知識から最新の知見まで述べる.
 <内視鏡手術>
最新のPED foraminoplastic epiduroscopy 寺井 智也ほか
腰椎椎間板ヘルニアに対する低侵襲脊椎手術のPED法について,局所麻酔下に行うtransforaminal法のforaminoplastic epiduroscopyの手技を中心に紹介する.
HIZに対するthermal annuloplasty 東野 恒作ほか
腰椎椎間板後方HIZに対するthermal annuloplastyの基礎研究を報告する.
ここまでみえる経皮的脊椎内視鏡PED法 浦山 茂樹ほか
腰椎椎間板ヘルニアに対する経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術(PED)の4種類のアプローチを画像を用いて解説し,PEDを安全に行うためのコツと手術のリスクおよび危機管理について詳述する.

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