頚椎 |
辻 崇 |
頭蓋内病変,肩関節疾患,絞扼性末梢神経障害等の鑑別を最初に行い,次いで神経学的所見から脊髄症および神経根障害の有無と高位診断を行うことが重要である. |
腰椎 |
元文 芳和 |
神経支配を理解し各疾患の特徴的所見を把握することにより,大体の診断は可能で,画像所見で確認する. |
手指 |
中川 照彦ほか |
日常診療でしばしば遭遇する手指の外傷性および非外傷性の変形や拘縮に関して,その特有の所見や判別テストについて述べ,発生機転,病態についても簡単に解説した. |
手関節 |
重松 浩司ほか |
手関節部の診断は解剖および外観上のメルクマールを熟知することで,より正確な診断が可能となる.実際の診療に役立つよう本稿ではこれらを重視して記載した. |
肘関節 |
安藤 亮 |
野球肘(離断性骨軟骨炎・リトルリーグ肘),内・外側側副靱帯損傷,上腕骨外側上顆炎(テニス肘)・滑膜ヒダ障害,肘部管症候群・上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)を診断する際に必要な徒手検査法について理解を深める. |
肩関節 |
水掫 貴満ほか |
一般整形外科医にとって診断の一助となるべく,肩関節疾患のなかでも頻度の高い腱板断裂,反復性肩関節脱臼,投球障害肩について理学所見の取り方や疾患特有の判別テストについて述べる. |
股関節 |
上島圭一郎ほか |
股関節疾患は小児から高齢者まで,また外傷から慢性疾患まで幅が広い.年齢に応じた代表的な疾患を念頭に置いて,病歴,疾患特有の理学所見,画像所見をもとに診断を進めることが重要である. |
膝関節 |
黒田 良祐ほか |
膝関節疾患で有用な判別テストや特徴的画像所見について述べた.特に靱帯損傷では,不安定性を評価するうえで徒手検査は重要であり,覚えておくべき徒手検査を説明する. |
足関節 |
谷口 晃 |
足関節における果部骨折,変形性関節症,靱帯損傷,距骨骨軟骨損傷,足根管症候群の所見と判別テスト,および診察のポイントに関して詳述した. |
足部 |
仁木 久照 |
先天性内反足,足根骨癒合,成人期扁平足,外反母趾,強剛母趾,内反小趾にみられる特有の所見や判別テスト,特有でなくても知っておくと診断と治療に役立つ所見について述べた. |
小児骨折 |
野口 雅夫ほか |
小児と成人の違いは,小児には成長軟骨帯があり成長することであろう.その成長軟骨も年齢により骨端核の骨化が異なるため,その変遷を知る必要がある.骨幹部骨折においても10歳以下には自家矯正能はあるが,10歳を超えると自家矯正能は低下するため,成人同様に解剖学的整復内固定が必要になる. |
高齢者骨折 |
正田 悦朗 |
高齢者骨折は骨粗鬆症を基盤とした脆弱性骨折であるが,その治療にあたっては,骨粗鬆骨骨折の特徴を理解するとともに,全身状態や社会的背景なども加味して行う必要がある. |
絞扼性神経障害 |
池田 純ほか |
絞扼性神経障害の診断で重要なのは病歴の聴取と理学所見であり,疾患特有の所見に精通することが求められる.上下肢の絞扼性神経障害について頻度の高いものを紹介する. |
スポーツ傷害 |
亀山 泰ほか |
スポーツ外傷・障害の診断において特有な理学所見,圧痛部位,ストレステストなどについて,各部位ごとに好発するスポーツ種目を提示して特に成長期に多いスポーツ傷害について解説する. |
関節リウマチ類似疾患 |
町田 崇博ほか |
関節症状をきたす患者に対する早期診断・早期治療に必要な,関節リウマチおよびその類似疾患の特有の検査所見や,診断基準などについて述べる. |
骨・軟部腫瘍 |
羽鳥 正仁 |
骨・軟部腫瘍の正しい診断には,臨床経過,所見と併せ,単純X線,CT,MRIなど必要な画像検査を効率よく組み合わせて行うことが大切である. |
骨関節感染症 |
石井 朝夫 |
近年,骨関節感染症における検査は,炎症状態を計測する検査から,より感染に特異的な検査や画像診断が開発されつつある.それらにより骨関節感染症の診断と病勢をより正確に判断できるようになってくる. |
麻痺性疾患 |
柳 東次郎ほか |
臨床でみられる末梢神経障害や神経根症と思しき症例のなかには脳梗塞や筋萎縮性側索硬化症(ALS),遺伝性疾患などが存在していることがあり,そのような症例に直面した際に手助けとなるポイントを示した. |
代謝性骨疾患 |
岸本 光司 |
骨パジェット病,骨軟化症,骨形成不全症,大理石骨病など一般臨床では比較的遭遇する頻度の低い,骨代謝疾患の特徴的な理学所見,X線所見を紹介する. |