パッチテスト・プリックテスト |
高山かおる |
プリックテストは即時型アレルギー(アナフィラキシーや蕁麻疹など)の原因を検出するため,パッチテストは遅延型アレルギー(接触皮膚炎などの原因物質)の原因検索のための検査として行われるが,正しく行うことができればどちらも特異度の高い検査である.正しく安全に行う方法を取得できるように解説する. |
食物アレルギーの検査 |
千貫 祐子ほか |
食物アレルギーの臨床型には,新生児・乳児消化管アレルギー,食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎,即時型症状,食物依存性運動誘発アナフィラキシー,口腔アレルギー症候群などがある.病型ごとに適切な検査方法を選択し,安全で的確な診断を行うことが重要である. |
薬疹の検査 |
渡辺 秀晃 |
重症型薬疹以外の薬疹型でも,薬疹を繰り返さないようにパッチテストや薬剤添加リンパ球刺激試験などで原因薬を同定することで,その後患者が安心して投薬を受けることができる. |
重症薬疹(DIHS,SJS,TEN)の検査 |
藤山 幹子 |
重症薬疹の検査は病型により異なり,特殊な検査も多い.また,病態に応じて必要な検査をもれなく行うことが求められる.SJS/TENとDIHSについて,必要な検査を解説する. |
光線過敏症の検査 |
川原 繁 |
主な光線過敏症の診断とその原因検索および適切な遮光指導に必要な作用波長を決定するために有用な種々の検査法について概説した. |
抗核抗体・自己抗体 |
浅野 善英 |
膠原病診療においては,蛍光抗体間接法とELISA法を適切に組み合わせて用いることにより,自己抗体の有無とその意義を正確に評価することが重要である. |
皮膚疾患の遺伝子診断 |
中野 創 |
遺伝子診断を行う場合は,発症者のみならず未発症者からも検体を採取することが重要である.症状を詳細に観察し,臨床診断を決定しておくことも大切である. |
水疱症の検査(蛍光抗体法) |
石井 文人 |
各種自己免疫水疱症の原因抗体とその対応抗原について述べる.また蛍光抗体法の原理と検査の手順および各種水疱症の所見を概説する. |
水疱症の検査(免疫ブロット法・ELISA法) |
山上 淳 |
自己免疫性水疱症の診断に重要な免疫ブロット法とELISA法の原理と特徴を理解し,その結果を実際の診療で活用する方法を解説する. |
血管炎の検査 |
陳 科榮 |
血管炎の検査はまず臨床症状を確認し,血液検査,検尿,症状によっては血管造影をする必要がある.皮膚病変は肉眼で確認でき,容易に生検できるうえに,診断の決め手となるので,そのポイントについても述べたい. |
循環障害の検査 |
大久保佳子 |
動脈性,静脈性循環障害の原因を診断するためのさまざまな検査について概説した.循環障害は,皮膚科医にとってより身近な存在になってきていると思われる. |
真菌鏡検 |
常深祐一郎 |
皮膚真菌症診断の大原則は病変部位からの真菌の検出である.ほとんどが表在性真菌症であるので,鏡検でほぼすべての症例に対応可能である. |
真菌培養・深在性真菌症の検査 |
畑 康樹 |
真菌培養の方法を分離培養,同定培養に分けて解説し,日常診療に役立つよう分離頻度の高い真菌の具体的な培養所見を示し,最後に深在性真菌症の検査法についてまとめた. |
梅毒の検査 |
尾上 智彦ほか |
梅毒の検査であるTP抗原の検出,血清反応(脂質抗原法とTP抗原法)を用いた梅毒の検査方法に関して,特に留意すべき点を解説した.また近年,本邦で普及しつつある自動化法に関して言及した. |
抗酸菌の検査 |
四津 里英ほか |
皮膚抗酸菌症の診断のために必要な検査手順を,従来の検査法から分子生物学的検査・クォンティフェロン検査を含む最新のものまでを,総論的に概説する. |
ハンセン病の検査 |
山口さやかほか |
ハンセン病の診断のために必要な検査の実践的な流れについて解説し,確定診断や治療に際してのコンサルト先についても紹介する. |
疥癬の検査 |
和田 康夫 |
疥癬の診断には,まず疥癬トンネルを肉眼で探す.疥癬トンネルが見つかったら,先端部に黒点がないか探す.黒点があれば,それがヒゼンダニである. |
単純疱疹・帯状疱疹の検査 |
渡辺 大輔 |
ヘルペスウイルスは潜伏感染,再活性化するという特徴を持つ.検査に当たってはそれぞれの有用性や感度,特異度,限界を理解したうえで適切に選択し,正しい解釈を行う. |
皮膚リンパ腫の検査(遺伝子再構成) |
濱田 利久 |
遺伝子再構成検査はリンパ腫の診断に不可欠である.検査のために必要な試料の採取法と検査方法および結果の読み方について注意点を含めて概説した. |
皮膚リンパ腫の検査(免疫染色) |
菅谷 誠 |
悪性リンパ腫の分類には免疫染色の正しい知識が必要である.B細胞,T細胞,NK細胞のマーカーで腫瘍細胞の系統を確認後,鑑別診断に有用なCD分子の染色を追加する. |
皮膚病理(特殊染色・免疫染色) |
安齋 眞一 |
皮膚検体の病理診断に必要な特殊染色と免疫組織化学染色について述べた.各染色や抗体の染色性のまとめを表に示し,各疾患における染色性を本文で述べた. |
電子顕微鏡 |
井川 哲子ほか |
電子顕微鏡検査を行う際に必要な手技や心がけるべきことを簡単にまとめ,正常表皮と疾患例の代表的な電顕所見について紹介する. |
ダーモスコピー(メラノサイト系) |
皆川 茜 |
体幹四肢,顔面,掌蹠,爪部,粘膜の解剖学的部位別に特徴的なダーモスコピー所見を解説する.ダーモスコピーで診断に迷う症例の取り扱いについて言及する. |
ダーモスコピー(メラノサイト系以外) |
外川 八英 |
基底細胞癌,脂漏性角化症,エクリン汗孔腫,ボーエン病を黒い病変と黒くない病変に分けて,そのダーモスコピー所見と病理像について実際の症例に基づいて解説する. |
トリコスコピー |
乾 重樹 |
ダーモスコープを用いて脱毛部の頭皮,毛孔を観察することによって,脱毛症を診断していく方法の実際について解説する. |
画像検査(超音波検査) |
大畑 恵之 |
皮膚科における超音波検査法について,その基本的な原理や施行方法について,代表的な皮膚疾患のエコー像を通して学ぶ. |
画像検査(CT,MRI,PET/PET-CTなど) |
北村 真也ほか |
皮膚科領域における特徴的な画像所見を呈する代表疾患について,当科で経験した症例を供覧しながら概説する. |
発汗機能検査 |
西澤 綾 |
発汗機能検査には,ミノール法,換気カプセル法,定量的軸索反射発汗試験(QSART)などがある.これらの検査を症状により組み合わせ,診断,治療効果の判定を行う. |
乾癬の生物学的製剤使用のための検査 |
伊藤 寿啓 |
乾癬に対する生物学的製剤使用時のスクリーニングならびに使用後の検査について解説する. |
皮膚疾患のQOL評価 |
加藤 則人 |
皮膚疾患はQOLを障害する可能性があることを十分認識し,外来診療の待ち時間などを利用して質問票によるQOL評価を積極的に行いたい. |