下腿開放骨折と急性期合併症(コンパートメント症候群など)に対する治療 |
土田 芳彦 |
損傷下肢の機能再建は,外傷蘇生,阻血回避,壊死回避,感染回避を確実にやり切ることから始まり,それに続き「骨軟部組織再建」を好機の窓の間にやり切ることが必須である. |
骨盤輪損傷(創外固定,経皮スクリュー固定) |
杉本 一郎 |
創外固定法は急性期の有効なデバイスで,実用性を考慮し3つの創外固定法を紹介した.経皮的ピンニングは小侵襲で早期に施行できるという利点がある.仙腸関節のほか腸骨翼・恥骨への適応についても言及した. |
骨盤輪損傷(プレート固定) |
鈴木 卓 |
骨盤輪損傷のプレート固定の適応とその具体的な方法について述べる.特に後方部分の損傷の評価と固定方法に注意を払う必要がある. |
寛骨臼骨折 |
大泉 旭 |
各骨折型に対して正しい手術進入法の選択と,その進入法に応じた整復・固定法を理解していただきたい. |
大腿骨頚部骨折 |
前 隆男 |
大腿骨頚部骨折の治療は骨折部の不安定性に基づいて治療する.安定型や若年の不安定型は骨温存手術を行い,不安定型においては人工物置換術が一般的である.しかしこの優れた手技も社会の超高齢化に伴って新たなる合併症の出現や適応の是非などが問題となってきている. |
大腿骨転子部骨折(plating) |
塩田 直史 |
Sliding hip screwは大腿骨転子部骨折の安定型に良い適応がある.手術はアライメントを調整し,骨性コンタクトを得るよう整復し,インプラントを挿入して固定すべきである.後外側不安定性がある時はtrochanteric stabilizing plateで支持するべきだ. |
大腿骨転子部骨折(nailing) |
正田 悦朗 |
大腿骨転子部骨折に対するshort femoral nailの適応,術前準備,実際の手術手技およびその留意点について記載した. |
大腿骨転子下骨折 |
松村 福広 |
大腿骨転子下骨折の術前評価のポイントについて解説し,髄内釘固定とプレート固定を中心に,実際の手術手技のコツと問題点について言及した. |
大腿骨骨幹部骨折 |
普久原朝海 |
Isthmusより近位・遠位の髄腔拡大部での大腿骨骨幹部骨折に対する髄内釘治療は難易度が高い.良好な整復位と固定力を得るために必要なテクニックとピットフォールを中心に述べる. |
大腿骨遠位部骨折(retrograde nailing) |
寺田 忠司 |
大腿骨遠位部骨折に対する逆行性髄内釘の適応,手術手技,ピットフォールなどについて自験例を交えて述べた. |
大腿骨遠位部骨折(プレート固定) |
大塚 誠 |
プレート固定と髄内釘固定の選択,ORIFとMIPOの選択,人工関節周囲骨折に対する治療選択など様々な骨折型に応じた治療戦略と基本的な手技,ピットフォールを中心に述べる. |
膝蓋骨骨折 |
新倉 隆宏ほか |
膝蓋骨骨折の治療目標は,膝関節伸展機構と関節適合性の再建である.内固定方法としてテンションバンドワイヤ法が代表的で,応用することで様々な骨折型に対応可能であるので習熟すべき手技である. |
脛骨近位端骨折(鏡視下整復内固定,ACL/PCL裂離骨折) |
徳永 真巳 |
脛骨プラトー骨折に対する関節鏡視下整復内固定術により,より低侵襲でより正確な整復を行うことが可能である.本稿では,プラトー骨折に対する鏡視下法の実際とACL/PCL裂離骨折の治療法を述べた. |
脛骨近位部骨折に対する観血的治療 |
前原 孝 |
脛骨近位部骨折に対する術前評価,インプラントの準備やアプローチの選択,プレート固定の原則など,治療計画を立てるうえで重要となるポイントについて概説する. |
下腿骨幹部骨折 |
伊勢福修司 |
骨癒合に必要な固定を得るためには,十分にリーミングして,太く長い髄内釘を挿入し,近位・遠位に複数の横止めスクリューを挿入することが大切である. |
脛骨遠位部骨折(nailing) |
最上 敦彦 |
軟部のダメージを最小限にしなければならない“脛骨遠位部骨折”において,遠位骨片のコントロールが可能であるならば,主たる内固定材料を髄内に置く髄内釘の適応を検討すべきである. |
脛骨遠位部骨折(plating) |
佐々木和浩 |
腫脹が強く,軟部組織の状態が悪い場合は,staged operationを行う.治療成功の鍵は,軟部組織の評価・修復と初期治療におけるアライメントと関節面の整復である. |
足関節骨折 |
小林 誠 |
・Lauge-HansenのSERは間違い.
・脛腓間ストレステストが大事.
・Mortise viewが大事. |
足部骨折(踵骨を除く) |
依光 正則ほか |
リスフラン関節損傷に対しては,個々の関節の機能に応じた内固定法の選択が必要であり,距骨骨折に対しては,骨折の不安定性に応じた内固定法の選択の必要性がある. |
踵骨骨折 |
黒住 健人 |
まず正確な画像診断を行い,早期に可能な限り低侵襲な方法で整復内固定を行うことにより,踵骨骨折治療成績のさらなる向上が期待できる. |