成長期のX線画像診断 |
鈴江 直人ほか |
成長期の骨格は大人のミニチュアではない.正常の骨化進行過程と,主にスポーツで発生しやすい障害のX線所見について解説した. |
成長期における上肢のオーバーユース障害の画像診断 |
岩堀 裕介 |
成長期には骨端線が存在し病変と紛らわしいため,単純X線像は必ず両側を撮影して比較する.成長期に特有の病変である離断性骨軟骨炎は症状が比較的軽度な反面,難治性であるため慎重な対応が要求される.画像診断技術が進歩した現在でも,病歴・身体所見との照らし合わせを怠ってはならない. |
老化の画像診断 |
金井 一男 |
変形性関節症,変形性脊椎症,骨粗鬆症など,加齢に伴う特徴的な画像所見を単純X線写真を中心に示し,また常に念頭に置くべき疾患との鑑別点について述べた. |
関節リウマチの画像診断 |
松下 功ほか |
画像検査はリウマチ診療において極めて重要なツールである.画像検査を有効に活用していくことで寛解はより身近な目標となり,関節リウマチ患者の機能予後は向上すると期待される. |
深部静脈血栓の画像診断 |
稲葉 裕ほか |
DVTの画像診断では,下肢静脈エコーは非侵襲的に血栓の位置や性状を繰り返し確認できる有用な検査法であり,造影CTは迅速に多くの情報が得られる利用価値の高い検査法である. |
肩こりの画像診断 |
小林 勉 |
音響カプラーを用いたreal-time elastography(RTE,エラストグラフィ)を用いて,僧帽筋に肩こりを自覚している人の僧帽筋の硬さを評価したところ,肩こりを自覚していない人の僧帽筋と比してより硬いという客観的評価が可能であった. |
腰痛・殿部痛の画像診断 |
本郷 道生ほか |
問診と診察で重篤な疾患を示唆する危険信号や下肢神経症状があれば,X線,MRI,CTを行う.異常所見が直ちに症状と関連があるとは限らないことに留意する. |
腰椎のスポーツ傷害の画像診断 |
西良 浩一 |
スポーツ選手の腰痛は繰り返す動作で生じる過労性障害であることがほとんどである.どのような動作で腰痛が生じるのかを聴取し,一番ストレスが生じている部位を中心にSTIR-MRIを撮像することが診断の近道である. |
肩の痛みと運動障害の画像診断―画像診断を利用しない怠慢と患者の不幸― |
佐志 隆士 |
MRIは肩関節全体を自在の角度,自在の断面で画像化できる.さらに病変部に異常に存在する“水”に対して非常に高い感度を持っている.MRIを診断治療に活用すべきである.
Column1:覗いてみたい
Column2:関節が壊れ,人は死ぬ
Column3:痛みは画像化できない.痛いことはしてはいけない
Column4:画像よりも臨床が優先する |
肩スポーツ傷害の画像診断 |
上本 宗唯 |
画像から得られる的確な情報は,確実な初期診断あるいは円滑な理学療法に大きな役割を果たす.画像所見の改善のみに目を奪われることなく,選手の抱えている問題点への解決に全力を注ぐことが肝要である. |
肘の痛みと運動障害の画像診断 |
新井 猛ほか |
上腕骨外側上顆炎では超音波検査とMRIが有用である.変形性肘関節の病態には単純X線以外に3DCTが有用である. |
肘スポーツ傷害の画像診断 |
丸山 真博ほか |
肘関節のスポーツ傷害の診断では単純X線の肘関節45°屈曲位正面像や斜位像が必須である.また,発症初期の単純X線では傷害を認めないことがあり注意を要する. |
手・手関節の痛みと運動障害の超音波画像診断 |
中島 祐子ほか |
超音波検査が,手外科領域・リハビリテーション領域において,診断のみならず経過観察にも非常に有用であることを代表的な疾患を取り上げて報告する. |
手・手関節スポーツ傷害の画像診断 |
池上 博泰 |
手・手関節では構造が複雑でサイズが小さいため,問診・理学所見のみでは診断が難しいことがある.画像診断は最近の進歩とあいまって,ますます重要となっている. |
Femoroacetabular Impingement(FAI)の画像診断 |
迫田 真輔ほか |
FAIによる股関節唇損傷が注目されているが,その画像診断法は未だ広く知られていない.FAIのメカニズムと画像診断,特に単純X線所見を中心に紹介する. |
股関節・大腿部のスポーツ外傷・障害の画像診断 |
奥脇 透 |
股関節・大腿部では,成長期の裂離骨折や骨端症,成人の疲労骨折,腱付着部症,筋打撲傷および肉離れなどについて,その特徴的な画像所見を理解しておく. |
膝の痛みと運動障害の画像診断―人工膝関節置換術における画像のみかた― |
田澤 浩 |
変形性膝関節症について基本的な画像診断法と人工膝関節置換術において筆者が注意している画像所見について解説した. |
膝スポーツ傷害の画像診断 |
堀部 秀二ほか |
MRIは軟部組織損傷の,CTは骨傷の診断に欠かせないが,単純X線も軽視すべきではない.また,これら画像は,治療方針の決定や術後評価・リハにも有用である. |
足・足関節の痛みと運動障害の画像診断 |
田中 康仁 |
足・足関節は形態が複雑であるために,画像診断に工夫が必要である.最近,急激に増加してきている代表的な疼痛疾患である変形性足関節症と成人期扁平足の病態ならびに画像診断のポイントについて述べた. |
足・足関節スポーツ傷害の画像診断 |
笹原 潤ほか |
足・足関節スポーツ傷害の正確な画像診断を行うためには,各検査ツールの特徴をよく理解しておくことが重要であり,リアルタイムで簡便かつ低侵襲に評価が可能である超音波検査の有用性は高い. |