皮膚生検のコツと皮膚の病理組織診断の進め方 |
高橋 和宏 |
皮膚病理診断は皮膚生検することからすべてが始まる.適応の判断,組織を採取する部位や方法,得られた病理組織の診断まで,すべてが皮膚科医としての力量が試される場面であり,知識,技術の習熟が必要である. |
皮膚疾患の免疫組織化学 |
清原 隆宏 |
免疫組織化学は診断のみならず,原発転移の判断や予後の指標としても重要な意味を持つ. |
電子顕微鏡による皮膚疾患の病理診断 |
山田 七子ほか |
電子顕微鏡検査の有用な疾患であるMerkel細胞癌,紡錘細胞型有棘細胞癌,無色素性悪性黒色腫,アミロイド沈着,Fabry病などを取り上げ,筋線維芽細胞についても概説した. |
覚えておきたい皮膚病理組織用語 |
清原 隆宏ほか |
皮膚病理において,皮膚病理組織用語の果たす役割は大きい.用語が示す所見からいくつかの疾患群が鑑別に挙がり,ときには最終診断にまで到達できる.知識の整理や円滑な討論のためにも必須である. |
海綿状態を呈する炎症性皮膚疾患 |
二神 綾子 |
海綿状態を呈する炎症性皮膚疾患について,Ackerman,Weedonらによる炎症性皮膚疾患の分類法に基づき,基本的な病理組織像,経時的変化,さらに鑑別診断を述べた. |
乾癬様パターンを呈する炎症性皮膚疾患 |
押谷 佳美 |
乾癬様パターンを呈する病理組織標本をみたときに考える必要のある疾患を挙げ,これらについての特徴的な所見と注意点や鑑別点について解説する. |
表皮真皮境界部の炎症性皮膚疾患 |
原田 研 |
表皮真皮境界部の炎症性皮膚疾患は,そのすべてに空胞変性が観察され,類似点が多い.病因別に組織パターンを整理すると,理解しやすい. |
浅もしくは深在性血管周囲性浸潤パターンを呈する炎症性皮膚疾患 |
曽和 順子 |
炎症細胞の浸潤パターンと,炎症細胞の種類に注目し,疾患リストを挙げ,次に特徴的な所見を探し,病理組織学的に鑑別していく.最後は臨床所見と合わせて最終診断する. |
結節状浸潤性もしくはびまん浸潤性パターンを呈する炎症性皮膚疾患 |
信藤 肇 |
真皮内に結節状あるいはびまん性の炎症細胞浸潤パターンを示す疾患群について,浸潤する細胞により疾患を分類し,診断に必要な所見について解説した. |
水疱症・膿疱症 |
名嘉眞武国 |
水疱症では,診断に導いていくためには現在でも病理組織学的検討は重要かつ基本である.膿疱症の多くは臨床症状や経過も加味して診断していくことが主となる. |
皮膚血管炎および血管炎を伴わない血管炎類似疾患 |
陳 科榮 |
皮膚血管炎には皮膚に限局した血管炎と全身性血管炎を合併する疾患がある.血管炎を伴わない血管炎類似疾患との区別は病理組織所見が決め手になる. |
角化異常症 |
石河 晃 |
構造蛋白の遺伝子変異によって生じる疾患はその遺伝子産物の異常が形態に反映されるため,両者をからめて記憶しておくことが肝要である. |
脂肪織疾患 |
高橋 和宏 |
脂肪織疾患の分類は,病態の多彩さを反映し,非常に複雑難解である.病理組織診断のポイントとなる特徴の差から脂肪織疾患を分類し,特徴を詳記する. |
皮膚の感染症1:細菌,ウイルス |
鶴田 大輔ほか |
表皮,真皮,皮下組織などの皮膚および毛を場とする皮膚感染症における病理組織についてアルゴリズム的アプローチにて診断する方法論を示す. |
皮膚の感染症2:真菌,寄生虫 |
田邉 洋 |
皮膚真菌症や皮膚寄生虫疾患の診断にはKOH直接鏡検や病理組織検査を用途に応じて使い分け,診断に生かす必要がある. |
結合組織の異常を呈する疾患 |
永井 弥生 |
膠原線維および弾性線維の異常をきたす代表的な遺伝性および後天性疾患を解説した. |
皮膚付属器の疾患 |
井上 智子 |
皮膚付属器の主に炎症性疾患を,Ackermanの診断法によるパターン分類の「毛包炎・毛包周囲炎」,「脱毛症」を基に分類し,病理組織像の診断の手がかりとなる所見をまとめた. |
沈着症,色素異常症(色素沈着症,色素脱失症) |
塩見 達志 |
代表的な沈着症,色素異常症(色素沈着症,色素脱失症)における病理組織学的なアプローチの仕方. |
組織球/マクロファージやランゲルハンス細胞が主体をなす皮膚疾患 |
浅井 純 |
肉芽腫性疾患や組織球症を中心に,組織球/マクロファージ系細胞が主体をなす皮膚疾患について,病理組織学的鑑別点を挙げながら解説した. |
形質細胞あるいは肥満細胞浸潤を特徴とする皮膚疾患 |
尾藤 利憲 |
反応性増殖と腫瘍性増殖の細胞浸潤の違い,同じ疾患でも発症からの経過期間により浸潤パターンが変化する点などが注目される. |
好中球浸潤を特徴とする皮膚疾患 |
村上 正基ほか |
病理診断に当たっては好中球の主たる浸潤部位によって分けて考えるのが実際的である.好中球がなんのためにそこに動員され,何をしているのかを考えながら標本をみると皮膚病理の理解が深まる. |
好酸球浸潤を特徴とする皮膚疾患 |
三砂 範幸 |
好酸球浸潤を特徴とする皮膚疾患を,8つの基本的パターンで分類して整理した.このなかから,いくつかの興味ある,好酸球浸潤を特徴とする皮膚疾患について解説した. |
リンパ球浸潤のみを特徴とする皮膚疾患 |
梅林 芳弘 |
組織標本中の浸潤細胞がほぼリンパ球のみである場合,まず腫瘍(リンパ腫)か炎症かを考える.炎症であれば,表皮の反応パターンによって,診断にアプローチしていく. |
母斑・母斑症 |
吉田 雄一 |
代表的な母斑・母斑症についてはまず病因を理解すれば,なぜ特徴的な臨床・病理組織学的所見を呈するのか理解が容易になると思われる. |
皮膚上皮性腫瘍1:総 論―皮膚上皮性腫瘍の診断方法と腫瘍細胞分化の診断― |
安齋 眞一 |
上皮性腫瘍の診断は,良・悪性の判断と,腫瘍の全体構築,そして,腫瘍細胞の分化によって決定される.分化の診断は,正常組織との形態的・機能的類似性から行われる. |
皮膚上皮性腫瘍2:各 論―各腫瘍および嚢腫の病理診断のポイント― |
安齋 眞一 |
皮膚上皮性腫瘍の病理診断は,腫瘍の全体構築および腫瘍細胞の分化,そして特徴的な基本構築や細胞形態に基づいて行われる.その具体的方法について解説した. |
皮膚軟部腫瘍 |
福本 隆也 |
皮膚および皮下組織に出現する軟部腫瘍は多岐にわたる.頻度の高いものはもちろん,頻度は低くても重要な疾患については知っておく必要がある. |
色素細胞性腫瘍・母斑 |
伊東 慶悟 |
色素細胞母斑の基本的な病理組織像の見方を中心に記載し,悪性黒色腫と対比させてポイントを解説した.真皮メラノサイト系母斑に関しては,膠原線維の増加を伴って結節を形成する青色母斑と,膠原線維の増加を伴わずに扁平な青色斑を形成するグループ(太田母斑,伊藤母斑,後天性真皮メラノサイトーシス,蒙古斑,異所性蒙古斑)に分類して解説した. |
皮膚の悪性リンパ腫 |
小玉 和郎 |
リンパ腫を疑わせるプレパラートを目の前にしたときに,どのようなステップで診断に行き着くようにしていけばよいのか一つの手法を提示している.なるべく実践的に解説したつもりである. |
ダーモスコピーと皮膚病理組織の関係 |
小林 憲ほか |
ダーモスコピー上の色はメラニンの深さを知る手がかりである.ダーモスコピー構造と,対応する病理組織所見の関係を理解する. |