上腕骨近位端骨折;髄内釘法 |
井上 尚美 |
上腕骨近位端骨折に対する髄内釘法は,手術器械の進歩により手技は簡便になったが,安定した臨床成績を得るためには,整復位と固定性が重要であり,その手技の要点と盲点について述べた. |
上腕骨近位端骨折;プレート固定法(従来法およびMIPO法) |
島村 安則ほか |
ロッキングプレートによる骨接合術は粗鬆骨においても早期可動域訓練を可能とする優れた治療法である.またMIPO法の併用によりさらなる低侵襲化と早期回復が期待される. |
上腕骨近位端骨折に対する保存的治療―下垂位での早期運動療法について― |
石黒 隆 |
骨折部の適合性が得られ,立位での振り子運動が可能なものに対して受傷後1週から積極的に下垂位での振り子運動を行った.本法により良好な可動域と骨癒合が獲得されている. |
上腕骨骨幹部骨折;プレート法および髄内釘法 |
大塚 誠ほか |
腕骨骨幹部骨折に対する手術治療として観血的プレート固定,MIPO,順行性および逆行性髄内釘固定の基本的な手術手技と注意点について述べる. |
上腕骨遠位端骨折;主として高齢者の骨折手術 |
長野 博志 |
高齢者の上腕骨遠位端骨折は治療に難渋する骨折の1つである.ここではその骨折に対するロッキングプレートを用いた骨接合術の術式,注意点について述べた. |
小児上腕骨顆上骨折の治療法 |
井上 博 |
転位を有する上腕骨顆上骨折の初期治療は徒手整復と経皮的K-wire固定が一般的合意である.神経血管障害のリスクサインを理解しての対処が必要である. |
小児上腕骨外顆骨折・内上顆骨折の治療法 |
星 亨 |
小児の骨端核の出現時期など年齢別のX線所見を理解したうえで診断する.初期治療の重要性を把握し,手術適応を見誤ることなく,積極的に適切な治療を施すべきである. |
上腕骨遠位骨端線離開の治療法 |
阿部 宗昭 |
上腕骨遠位骨端線離開の臨床像とX線像の特徴,肘関節脱臼や外顆骨折との鑑別点を述べた.治療では内反変形を残さぬように整復し,整復位は経皮ピンニングで保持する.もし変形を残したら早めに骨切り術で矯正する. |
肘頭骨折の治療法 |
徳永 真巳 |
Tension band wiring法とプレート内固定法に関してハンズオン形式で執筆した.手術の前に是非一読いただきたい. |
橈骨頭・頚部骨折の治療法 |
坂井 健介ほか |
橈骨頭・頚部骨折の治療法に対し小児例ならびに成人例に大別して概説する.小児では経皮的整復法の習熟が肝要であり,成人ではとりわけ粉砕骨折に対する骨接合術の手技が最も難しく,予後を大きく左右する. |
小児のMonteggia骨折 |
吉田 健治 |
真のMonteggia骨折および類似骨折について理解しておくとともに,急性骨塑性変形(acute plastic bowing)を伴うMonteggia骨折についての認識が必要である.陳旧例には尺骨骨切術が有用である. |
小児の橈尺骨骨幹部骨折の治療方法 |
日下部虎夫 |
小児の橈尺骨々折の治療においては年齢によって治療方法の選択が異なる.幼児期には遺残変形の許容範囲が大きいので保存的治療が優先される.年長児では手術的治療の適応が多くなるが,その方法と固定材料の選択は個々の症例で異なる. |
橈骨遠位端骨折;プレート固定法 |
坂野 裕昭 |
掌側ロッキングプレート固定術により良好な術後成績を獲得し,合併症を防止するためには従来のプレート固定術よりも的確な手術手技が不可欠である. |
橈骨遠位端骨折;創外固定 |
岩部 昌平 |
橈骨遠位端骨折に対する創外固定法は,低侵襲で多くの骨折型に適応できる治療法である.正しい適応と使い方を習得し,掌側ロッキングプレート法などの他方法と使い分けることで,観血的治療法の幅は大きく広がる. |
橈骨遠位端骨折;保存的治療法 |
高畑 智嗣 |
橈骨遠位端骨折に対する保存的治療における,適応,整復のための麻酔法,徒手整復法,外固定法,後療法,および合併症について,基本的事項ならびに筆者の用いる方法を記述した. |
橈骨遠位骨折(変形治癒の手術法) |
上原 貢ほか |
橈骨遠位骨折後の変形治癒は患者ごとに患者背景,症状,画像所見を総合的に検討し手術適応・術式を判断する.小児では成長に伴い変形が矯正されるが,骨端線損傷では変形が進行することを考慮して治療計画を立てる. |
尺骨茎状突起骨折の手術法 |
内田 和宏 |
尺骨茎状突起骨折の手術適応は遠位橈尺関節の不安定性を生じる近位部骨折とTFCC付着部を含む基部骨折の一部であり,固定法はtension band wiringが適している. |
舟状骨骨折の手術法 |
藤岡 宏幸ほか |
新鮮安定型骨折では小皮切で骨接合術を行う.骨折線が中央部より遠位の場合は掌側進入,近位部では背側進入による観血的骨接合術を行い,偽関節例では骨移植を併用する. |
手根骨(舟状骨を除く),中手骨骨折の治療法 |
酒井 和裕 |
有鉤骨骨折について鉤部骨片摘出術,体部の整復固定術を述べた.中手骨骨折は保存的治療のナックルキャストを用いた早期運動療法,手術的治療の適応とピンニング,髄内鋼線固定術,プレート固定術などについて述べた. |
手指骨骨折の治療法 |
山中 一良ほか |
末節骨,中節骨,基節骨の3つの骨に発生する骨折の病態は様々であり,各種の手法を駆使して治療にあたる必要がある. |