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Monthly Book Orthopaedics(オルソペディクス) 37/10

Monthly Book Orthopaedics(オルソペディクス) 37/10

運動器の痛みに対する薬の上手な使いかた<増刊号>

川口善治/編

2024年10月

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定価6,600円(税込み)

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「運動器」「痛み」そして「薬」のエキスパート達が、令和における「痛み」の概念を整理し、理屈立てた薬剤の選択・処方の指針を示しました!

目次

Ⅰ.薬剤別
NSAIDs 植田 昌敬ほか
NSAIDsの作用機序から,運動器の痛みに対する有効性および副作用を理解する.痛みの病態を理解することにより,より効果的な治療の1つになることが期待される.
アセトアミノフェン―その薬剤機序・特性から使用法を考える― 三木 健司
中枢機能からの鎮痛効果を示すアセトアミノフェンは侵害受容性・痛覚変調性疼痛に使用しやすい薬剤で,腎機能・胃粘膜・心血管・血液障害症例に使用しやすいことから,今後も使用が拡大すると考えられる.
ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液 関口 美穂
ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液は,下行性疼痛抑制系の活性化,抗炎症作用を有し,安全性が高い薬物で運動器疼痛に有効であることが明らかにされている.
Ca2+チャネルα2δリガンド 稲毛 一秀ほか
Ca2+チャネルα2δリガンドは,神経障害性疼痛を中心とした慢性疼痛管理において有用な選択肢の一つである.
抗てんかん薬(カルバマゼピン,バルプロ酸ナトリウムなど) 上野 博司
抗てんかん薬は痛みの治療に頻用されているが,カルバマゼピンは三叉神経痛に対して,バルプロ酸ナトリウムは片頭痛予防薬として,その有効性が確立されている.
デュロキセチン 折田 純久
デュロキセチンは慢性腰痛症や変形性関節症等の慢性運動器疼痛に適応を持つSNRIであるが,副作用に注意し漸増しながら投与することが重要である.
三環系抗うつ薬 伊達  久
三環系抗うつ薬は下行性疼痛抑制系を含め複数の機序で強い鎮痛効果をもたらす.しかし眠気や口渇などの副作用もあり,少量で使用することが望ましい.
抗不安薬(ベンゾジアゼピン系薬物) 杉浦 健之
ベンゾジアゼピン系抗不安薬には,抗不安作用のほかに,抗うつ,催眠,筋弛緩,抗けいれん作用がある.運動器疼痛患者の身体症候に合わせ,薬効の特徴を考慮して使用する.
中枢性筋弛緩薬(エペリゾン,チザニジン) 宮城 正行ほか
中枢性筋弛緩薬は中枢神経を抑制し,筋緊張緩和と血流改善が期待できる.エビデンスは不十分だが,腰痛などの運動器疼痛疾患に他の鎮痛剤と併用して疼痛緩和を目指したい.
トラマドール 稲毛 一秀ほか
トラマドールは,非オピオイド鎮痛薬で治療困難な慢性疼痛に対して有効な薬剤である.
ブプレノルフィン貼付剤 山口 重樹
オピオイド鎮痛薬であるブプレノルフィン貼付剤は,その製剤の特徴により,腰痛症および変形性関節症の痛みの緩和に有用な薬の選択肢である.
オピオイド鎮痛薬(強度) 井関 雅子
非がん性痛である運動器の痛みに強オピオイドの使用を検討する際には,適切な患者選択を施行したうえで,明確な目的のもとに,一定期間の投与を原則とすべきである.
運動器疾患に対する漢方薬 貝沼茂三郎
①まずは陰陽を考える,②高齢者の腰下肢痛は腎虚を考える,③関節痛に対する漢方処方をかぜ症候群に用いる漢方薬を基本骨格として組み立てる.
現在の疼痛治療薬の使用状況と新薬の開発の現状 牛田 享宏
運動器の痛み領域での治療薬の使用状況をまとめた.これら薬物療法による満足度は決して高くはなく,新しい鎮痛機序に基づき進められている薬剤開発の状況についても報告する.
Ⅱ.疾患別
非特異的腰痛と薬物療法 井上 泰一ほか
非特異的腰痛は,既知の原因に起因しない腰痛と定義される.それぞれの薬剤について,急性腰痛の場合と慢性腰痛の場合に分けて概説する.
腰部脊柱管狭窄症 栁澤 義和
腰部脊柱管狭窄症の薬物治療は病態や病期に合わせた薬物選択が重要である.薬物療法の最終目標は痛みの緩和だけではなく患者の生活の質を向上させることである.
腰椎椎間板ヘルニアに対する薬物治療 坂野 友啓ほか
腰椎椎間板ヘルニアの薬物治療に関して特定の薬物のエビデンスは高くない.さまざまな薬剤を駆使して疼痛をコントロールするが,遷延する場合には次の段階の治療に移行していく必要がある.
肩こり
小林  洋ほか
肩こりの治療には,原発性肩こりの病態の理解,症候性肩こりの鑑別,painDETECTなどのツールを用いた神経障害性疼痛のスクリーニングが,適切な薬剤選択のために必要である.
頚部神経根症の治療―薬物投与を含む保存療法について― 鈴木  学ほか
頚部神経根症の治療は,下垂指に代表される重篤な麻痺を呈していない限り保存療法が原則となる.頚椎の伸展動作を避けるように指導し,疼痛の軽減のために薬物投与を行う.
凍結肩(肩関節周囲炎) 今井 晋二
狭義の凍結肩を屈曲100°未満,下垂位外旋10°未満,結帯L5未満と定義する.凍結肩に腱板完全断裂はみられない.凍結肩は自然に治癒すると考えられてきたが,長期経過において疼痛や可動域の制限が遷延する症例が多く存在する.炎症期では疼痛コントロール,拘縮期では運動療法が大切である.
上肢の関節痛(肩痛を除く) 頭川 峰志
手の変形性関節症,腱鞘炎,上腕骨外側上顆炎など手や肘のcommon diseaseの病態と薬物治療に関するレビュー,具体的な使い方について述べる.
股関節痛 伊藤 芳章
股関節痛に使用する薬剤としてはNSAIDsが主流となるが,その他の薬剤については複数の変形性股関節症のガイドラインによって推奨度は異なっている.
変形性膝関節症の薬物療法 青山 直樹ほか
膝OAの薬物療法では,併存疾患を考慮したうえで,その痛みの病態に即した薬剤を使用することが重要である.
足関節痛 村橋 靖崇ほか
足部・足関節疾患は多岐にわたり,病態に合わせた治療が重要である.各疾患を正確に診断し,病態に応じた適切な薬物治療は外来診療において必要不可欠である.
線維筋痛症 竹村 佳記
プレガバリンとデュロキセチンが推奨されているが,痛覚変調性疼痛であることを考慮すると漢方薬も一法かもしれない.運動療法や集学的治療の併用も大切である.
関節リウマチ
大野久美子ほか
関節リウマチの主症状は痛みであり,鎮痛剤だけでなく関節炎や関節破壊抑制のために,抗リウマチ薬や手術加療,運動療法を組み合わせた加療を要する.
がん性疼痛 伊東 久勝
がん治療の進歩に伴い,がん性疼痛に関わる問題が多様化している.痛み診断や薬への反応性,生命予後,ライフスタイルを総合的に判断して,がん性疼痛治療を行う.
痛覚変調性疼痛:混乱に彩られた方便 北原 雅樹
痛覚変調性疼痛とは痛みの第三の要因として国際疼痛学会によって新たに提示された概念である.その概要と現状の混乱および慢性痛診療での利用法について概説する.
Ⅲ.その他
アンチ・ドーピングに留意したアスリートに対する鎮痛薬の処方 塚越 祐太ほか
アスリートの痛みの治療にNSAIDsは使用可能である.オピオイドや糖質コルチコイドは競技会時に使用が禁止されている.治療使用特例の申請には客観的な医療情報が必要である.
小児の痛みと鎮痛薬の処方 田村 大輔ほか
小児の痛みの評価方法,実際に処方する機会の多い鎮痛薬の特徴と想定される副作用などにつき,症例も交えまとめた.

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