軽中等度難聴 |
土橋 奈々 |
軽中等度難聴は一見聞こえているようにみえるため発見されにくい.言語発達の遅れやコミュニケーションの問題を引き起こすため早期の難聴診断,聴覚補償が必要である. |
聴力は正常なのにことばが遅い |
大津 雅秀 |
ことばの遅い児の中には自閉スペクトラム症(ASD)や聴覚情報処理障害(APD)などが含まれていることに留意して早期発見,早期療育につなげる. |
中耳炎を繰り返す |
穐吉 亮平 |
中耳炎を繰り返す児に対しては,反復性中耳炎を念頭に置く必要がある.背景には,未熟な免疫能と原因菌の除菌が困難であることが挙げられる.反復性中耳炎の病態,危険因子,治療について述べる. |
耳介周囲が腫れている |
井上 真規ほか |
耳介周囲の腫脹の原因は,日常診療で遭遇することの多い疾患から非常に稀な疾患まで様々である.疾患によっては早急な外科的治療が必要なこともあり,迅速な診断が重要である. |
めまい |
岡﨑 鈴代 |
小児のめまいは稀で,成人と疾患分布が異なる.頻度,好発時期を念頭に置いて適切に検査,診断を行うことが重要である. |
遷延する滲出性中耳炎 |
外池百合恵ほか |
遷延する小児滲出性中耳炎について,考慮すべき危険因子および背景にある見逃してはいけない疾患を挙げ,鑑別する際に役立つ所見や検査について述べる. |
一側性難聴 |
江﨑 友子 |
新生児聴覚スクリーニングの普及に伴い,一側性難聴の発見時期は就学期から乳児期に移行している.聴覚管理を行うにあたり,原因検索を行っておくことが重要である. |
鼻出血を繰り返す |
白倉 真之ほか |
小児の鼻出血は鼻中隔からの出血例が多数であるが,稀に腫瘍性病変や全身性疾患が合併していることがあり,時に緊急を要する.処置時には心理面での配慮も求められる. |
粘稠な鼻汁が止まらない |
増田佐和子 |
小児の粘稠な鼻汁は珍しくなく,その多くは鼻副鼻腔炎によるものである.治療に抵抗する場合は線毛機能不全症候群や無汗性外胚葉形成不全など見逃してはいけない疾患にも注意する. |
鼻呼吸ができなくて苦しそう |
馬場信太郎 |
鼻閉をきたす小児の特有の疾患は後鼻孔閉鎖症や鼻腔狭窄症がある.後鼻孔閉鎖症の手術は鋤骨切除を含めた閉鎖板の開放,鼻腔狭窄に対しては経鼻エアウェイ留置が有効である. |
片方の鼻から黄色~緑色の鼻汁がみられる |
原 真理子 |
小児の一側性膿性鼻汁,鼻閉を認めた場合には,鼻腔異物の有無について鑑別を行う.また,稀ではあるが腫瘍性病変などの可能性についても考慮する. |
いびき,睡眠時無呼吸 |
山口 宗太 |
重症睡眠時無呼吸の放置により身体発育の遅延,顎顔面の劣成長を起こし得る.基礎疾患がある場合,アデノイド肥大,口蓋扁桃肥大以外の構造的・機能的問題に注意を要する. |
口腔内の潰瘍,口内炎 |
藤井 可絵 |
小児の口腔粘膜病変は,局所性要因と全身性要因によるものがあるが,全身性要因では他科との連携が必要な疾患や重篤な疾患もあるため,適切に検査,診断を行う必要がある. |
急に飲み込めなくなった |
安達のどか |
①急性炎症(咽頭~声門下),②異物・誤飲,③喉頭浮腫,④口腔内損傷を想定する.保護者の問診が重要で,緊急対応を想定し早急な治療を準備する.軟性内視鏡検査は診断確定に有用だが適切な環境下が重要である. |
発音がたどたどしい |
島田 亜紀 |
耳鼻咽喉科医が知るべき小児の構音障害について,構音の形成,分類,検査・評価と,構音障害の分類からみた小児の構音障害への介入の方法について述べる. |
吃 音 |
富里 周太 |
吃音は,発症早期の場合DCMの考えに基づいた支援を行いつつ,徐々に社交不安障害の予防のために,吃音が生じても安心して発話ができる環境を作ることが重要である. |
先天性・後天性喘鳴 |
杉山庸一郎 |
喘鳴をきたす疾患は多岐にわたる.狭窄部位を可及的速やかに同定し病態に沿って適切な治療を行うことが望まれる. |
哺乳が苦しそう |
佐藤梨里子ほか |
哺乳時の鼻閉や息苦しさを呈する代表的な疾患として,アレルギー性鼻炎,アデノイド増殖症,喉頭軟弱症などについて解説し,疾患に関連した症例を提示する. |
声がかすれている |
宮本 真 |
小児の声がかすれている原因として多い,声帯結節と喉頭乳頭腫を見逃さないための診断,治療,治療介入のタイミングなど,我々の施設での症例も提示して解説する. |
クループ症候群 |
大原 卓哉 |
クループは気道狭窄をきたす疾患であり,時に気道異物と同様の症状を呈することがある.非典型的な臨床経過を示す場合には,治療方針を再検討すべきである. |
気道から出血が |
高橋 希 |
緊急性が高い気管腕頭動脈瘻の他,口蓋扁桃摘出術・アデノイド切除術の後出血,気管カニューレによる気管出血,歯ブラシ外傷,乳児血管腫,血管奇形について述べる. |
頸部の瘻孔 |
有本友季子 |
頸部の瘻孔や頸嚢胞は小児の頸部腫瘤の代表的疾患である.発生学的な知識をもとに瘻管の走行を理解し,周囲の神経や血管との位置関係を把握して治療にあたることが重要である. |
耳下部腫脹 |
髙田 菜月ほか |
小児の耳下部腫脹で多いのは,急性耳下腺炎である.その他,リンパ管奇形,血管腫・血管奇形,耳下腺上皮性腫瘍などがある.稀に悪性疾患もあるため注意が必要である. |
顎下部腫脹 |
仙田 里奈 |
小児で顎下部腫脹をきたす疾患は良性疾患,先天性疾患,悪性疾患と多岐にわたる.各疾患について経験を混じえながら概説する. |
首をさわると痛がる |
橋本亜矢子ほか |
子どもが首をさわると痛がる原因として,頸部リンパ節炎とその原疾患,重篤な合併症をきたし得る深頸部膿瘍,特殊な炎症である川崎病,自己炎症性疾患,菊池病について解説する. |
鎮静検査 |
吉冨 愛 |
小児の鎮静は有害事象をきたす危険性があることを認識し,リスク評価や準備,モニタリング,緊急時のバックアップなどの安全管理体制の整備が必要である. |