総 説:見た目のアンチエイジング |
山田 秀和 |
アンチエイジングのなかで,見た目はたいへん重要である.皮膚を,内臓の鏡,心の鏡,環境の鏡として考えるとおのずから,対応法が見えてくる.アンチエイジングを考えるうえでは,内的老化と外的老化を考慮したバランスのよい対応が必要と考えられる. |
しみの治療:診断と治療 |
熊本 貴之ほか |
しみ治療のなかでも有効とされる治療法の一つであるQスイッチレーザー治療について,照射方法や照射後のフォローの仕方などの実用的な部分を紹介する. |
肝斑の治療 |
竹中 祐子ほか |
肝斑には,正確な診断が最も重要である.診断のポイントとエビデンスに基づいた治療法について説明を加えた. |
挫瘡の治療:最近の話題 |
赤松 浩彦 |
挫瘡にはマラセチア毛包炎や尋常性挫瘡など,原因の異なる多くの疾患が含まれている.治療に際しては的確な診断と原因に応じた適切な治療薬を選択することが大切である. |
美容皮膚科における病理上の注意点,皮膚病理からみたほくろの考え方 |
曽和 順子ほか |
後天性色素細胞性母斑の臨床病理組織学的分類について解説し,解剖学的部位別に好発する組織型について述べた.これらを理解することは,診断および適切な治療を選択する際に有用である. |
黒子の治療:主としてCO2レーザーを用いて |
葛西健一郎 |
炭酸ガスレーザー治療は,顔面の黒子治療のゴールデンスタンダードである.母斑細胞母斑の生活史に合わせて適切な治療を行い,術後閉鎖療法を励行すれば好結果が得られる. |
メソセラピー |
山下 理絵 |
メソセラピーは,注射療法の医療テクニックであり脂肪融解注射のことではない.美容医療でフィラーなどの注射を行う場合,この手法を知っておくことは利になる. |
大きなしわとたるみの治療:美容皮膚科の限界 |
大慈弥裕之 |
しわ・たるみを伴う上顔面の形態変化は老人性眼瞼下垂が関与し,中顔面は,頬部脂肪,頬骨部脂肪,眼輪筋下脂肪の3つのfat pad,および眼窩脂肪が関与する. |
小さなしわの治療:rejuvenileとして |
河野 太郎ほか |
小さなしわの治療には,非剥離的レーザー治療・光治療は回数がかかり劇的な改善ではないが,色素沈着の可能性が少ない有効な治療法である.また本治療にフィラー,ボトックス,フラクセル,プラズマ治療を併用することにより高い治療効果と患者満足度を上げることが可能である. |
ケミカルピーリング |
古川 福実ほか |
ケミカルピーリングは日本人の感性に合った施術で,今後の新たな展開が期待される. |
トレチノイン療法:若返りの外用療法 |
荒木 淳ほか |
トレチノイン外用療法は,ニキビ治療だけでなく,しみや小じわを対象とした老化皮膚治療としても利用価値が高い.その方法の原理と実際について述べた. |
フラクセルタイプエルビウムヤグレーザー(ピクセル)の陥凹性挫瘡瘢痕(acne scar)に対する効果と組織学的検討 |
亀山孝一郎 |
フラクセルタイプレーザーは,難治性のacne scarに有効である.組織学的には水分の少ない角層より,表皮と真皮に高い侵襲性を示した. |
ボトックス治療 |
古山 登隆ほか |
注射でできる簡便な治療で,患者の満足度の高い治療法である.しかし適応,投与(部位,量)を間違えると患者に苦痛を与える.経験および精度が求められる治療法と考える. |
フィラー:ヒアルロン酸,その他 |
征矢野進一 |
しわ治療に用いるフィラーには,コラーゲン製剤やヒアルロン酸製剤があるが,その性質をよく知ることが肝要である. |
皮下脂肪の治療:セルライト |
伊藤 正俊 |
セルライトの基本的病態生理は,はっきりと定義されていない.日本では美容的な観点から問題視されることが多い.これまでに分かっている病態や治療法について概説する. |
表皮細胞浮遊液作製キット(リセル)を用いた治療 |
上田 吉生 |
簡易型表皮細胞浮遊液作製キットのリセルを用いて熱傷以外のさまざまな皮膚病変の治療を行った.リセルの有用性と適応症例について詳述する. |
Imiquimodと日光角化症 |
濵 雅世ほか |
日光角化症の治療法としてimiquimodは効果的で美容面において優れている.今後の適応が期待される. |
光老化と化粧品 |
市橋 正光 |
光老化の主役は紫外線による遺伝子修復の間違い.また,紫外線で生じる活性酸素が原因となり,核酸,蛋白質,脂質と糖質を酸化し細胞や組織の機能を障害し,皮膚を老化させる.DNA損傷軽減と抗酸化が老化予防に重要. |
美容鍼灸 |
北川 毅 |
「美は健康を基礎として成り立つものである」「健康と美容は表裏一体である」という認識に立脚した美容鍼の概念と実際の手法について. |
皮膚老化における内的老化の対応法:食事,運動,サプリメント,ホルモン療法など |
山田 秀和 |
皮膚老化も内的老化があって結果として起こっている.運動や,食事,心のケアを適切にすることが骨粗鬆症や,ホルモンバランスなどをうまくコントロールし,結果的に皮膚老化を遅らせ,若々しい肌,若々しい見た目を作ることになる.カロリー制限が重要なのかもしれない. |
法 律:美容医療と紛争・訴訟 |
三輪 亮寿 |
美容分野では紛争が非常に多く,さらに訴訟に発展すれば厳しい判決が予想される.法的基礎知識があれば大半の紛争は防止できる. |
レーザー治療の適応とその選択 |
山田 秀和 |
レーザー治療機器の一覧を載せた.機器購入の際の選択に利用していただければよいのではないか.また,機種の違いによりどのような治療が可能になったかを読み解くことは,今後の,治療戦略に結びつくと思われる. |