Ⅰ.外用薬と外用療法の基礎知識 |
外用薬の基剤と使い分け―外用薬総論― |
安部 正敏 |
外用療法においては,その薬効とともに基剤を熟知することが重要である.疾患評価に加え患者好選性を踏まえた薬剤選択が,外用アドヒアランス向上を促すこととなる. |
ステロイド外用薬の種類と使い方 |
川島 裕平ほか |
皮膚疾患に対して生物学的製剤の導入も進むなか,なお治療の中心的役割を果たすステロイド外用薬.今こそ振り返りたいその種類や使い方,患者教育についてまとめた. |
特別な部位への外用療法 |
出光 俊郎ほか |
眼瞼,口唇・口腔,乳頭・乳輪,陰部・肛門疾患の特性と外用療法について,眼軟膏,口腔外用薬・坐薬の使い方にも言及して解説した.特別な部位でもスキンケアが基本である. |
皮膚潰瘍・褥瘡の外用療法と創傷被覆材の使い方 |
門野 岳史 |
皮膚潰瘍や褥瘡の治療ではwound bed preparationとTIMEを参考にし,壊死組織,感染,滲出液,肉芽の状態に応じて外用薬や創傷被覆材を選択することが大切である. |
外用薬処方におけるピットフォール―混合,外用順序,そしてジェネリック― |
大谷 道輝 |
外用薬処方におけるピットフォールとして,混合の注意と対策,重ね塗りの順序,およびジェネリック医薬品の注意点について,基剤や剤形,効果や副作用などを参考に解説した. |
外用薬による接触皮膚炎 |
矢上 晶子 |
外用薬のアレルギー性接触皮膚炎について,臨床的特徴,検査法(パッチテスト),頻度の高い成分について述べた. |
Ⅱ.外用指導 |
外用アドヒアランスを高めるために |
加藤 則人 |
慢性皮膚疾患における外用治療の効果を高めるために,患者の外用療法へのアドヒアランスを高める配慮をすることが医療者に求められる. |
スキンケア入門―皮膚洗浄と保湿指導の要点― |
菊地 克子 |
皮膚疾患患者においても清潔と保湿のスキンケアは欠かせない.皮膚洗浄と保湿ケアを患者に適切に行ってもらうための指導の要点について概説する. |
乳児と幼小児への外用指導 |
馬場 直子 |
乳幼児の皮膚の生理学的特性と,乳幼児の皮膚が毎日どのような環境に曝されているのかをよく理解したうえで,この時期にあったスキンケア・外用指導を心がけている. |
スキンケアにおける化粧の指導 |
野村 有子 |
湿疹皮膚炎群,痤瘡群それぞれの患者にふさわしい化粧品を選び,外用薬と併用しながら正しい使用方法を指導するコツを伝えたいと思う. |
分子標的薬による皮膚障害の予防と外用指導 |
山﨑 直也 |
皮膚障害の予防の基本はスキンケア,すなわち保湿,清潔,保護である.そのうえで分子標的薬の種類によってはステロイド外用やテトラサイクリン系薬剤内服が有効である. |
看護サイドから伝えたい外用療法の実際 |
佐藤 博子 |
アドヒアランス向上のためには,患者の意思を尊重しながら個別性を踏まえ,対処能力に合った内容を,根拠を示し具体的に処置を行いながら指導することが重要である. |
Ⅲ.皮膚疾患と外用療法 |
アトピー性皮膚炎の外用療法 |
片桐 一元 |
「湿疹はステロイド外用薬で治る」と考え,治せる皮疹は徹底した外用療法で確実に治すとともに,痒疹など治しにくい症状を見極め,適切な治療を行う. |
乾癬と掌蹠膿疱症の外用療法 |
根本 治 |
乾癬と掌蹠膿疱症の外用療法について,ビタミンD3外用薬,ステロイド外用薬そして配合薬のそれぞれの特徴を知り,外用指導のポイントをつかむ. |
痤瘡の外用療法 |
小林 美和 |
痤瘡治療では,アダパレンと過酸化ベンゾイル製剤を使いこなすことで,抗菌薬をより効果的,適正に使用する. |
手湿疹と皮脂欠乏性湿疹の外用療法 |
多田 弥生 |
外用薬の効果が十分に発揮されて治療効果が出るよう,角化した病変,亀裂,紅斑,乾燥した皮膚それぞれの病変に適した外用方法があることを患者に理解してもらう. |
手こずる皮膚疾患の外用療法を含めた実際の治療―伝染性膿痂疹,酒皶,酒皶様皮膚炎,脂漏性湿疹― |
黒川 一郎 |
手こずる皮膚疾患として,伝染性膿痂疹,酒皶,酒皶様皮膚炎,脂漏性湿疹について,外用療法を含めた実際の治療を述べてみる. |
皮膚真菌症の外用療法 |
五十棲 健 |
最新のガイドラインと薬剤選択を踏まえつつ,国際的視点に立ち,人獣共通感染症,あるいは全身の感染症としての皮膚真菌症に取り組むための指針を紹介したい. |
脱毛症の外用療法 |
大山 学 |
円形脱毛症に対する外用療法,特に副腎皮質ステロイド薬の外用と局所免疫療法は,患者の病態を理解し,工夫して用いることで有効性の向上が期待できる.ミノキシジル外用は男性型・女性型脱毛症を問わず推奨される. |
節足動物による皮膚疾患の外用療法 |
夏秋 優 |
虫刺性皮膚炎の治療の基本はステロイド外用薬である.シラミ症では市販のフェノトリン製剤を用い,疥癬にはフェノトリンローションが外用療法の基本となる. |
ウイルス性皮膚疾患の外用療法 |
浅田 秀夫 |
抗ウイルス外用薬は,①ウイルスDNA合成を阻害する薬,②ウイルス感染細胞を直接標的とする薬,③局所免疫を賦活する薬の3つに大別され,ウイルスの性質により使い分けされている. |
皮膚に表在する悪性腫瘍に対する外用療法 |
延山 嘉眞 |
皮膚に悪性腫瘍が表在する場合,外用薬は直接的な治療のツールとして重要な位置を占める.本稿では,皮膚に表在する悪性腫瘍に対する外用療法について概説する. |
美容皮膚科における外用療法 |
上中智香子 |
美白化粧品や抗シワ化粧品を用いた外用療法やホームピーリングについて,美容皮膚科で必要な知識や具体的な方法を解説した. |