耳鼻咽喉科診療 私のミニマム・エッセンシャル 耳鼻咽喉科診療 私のミニマム・エッセンシャル本庄 巖
市川銀一郎/編
ISBN:978-4-88117-057-1 C3047
定価:7,700円(税込み)
耳鼻咽喉科医が見落としてはいけない中枢疾患<増刊号>
宇佐美真一/編
978-4-88117-855-3 C3047
2014年4月
en0166
定価5,940円(税込み)
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I.中枢疾患が引き起こす耳鼻科領域の症状 | |
1.平衡機能障害と中枢疾患 | 石川 和夫 |
眼振所見をよく観察し,その特徴と病態を慎重に考察する.また,蝸牛症状の随伴に際し,聴覚前庭系精査で後迷路障害の有無を確認し画像検査(特にMRI)にて確認する. | |
2.聴覚機能異常と中枢疾患 | 神崎 晶 |
難聴,耳鳴,聴覚過敏,耳閉感など聴覚機能異常を主訴とする症例において,鑑別すべき中枢疾患を挙げて診断のポイントを述べる. | |
3.鼻腔機能異常と中枢疾患 | 中川 隆之 |
嗅覚障害ではパーキンソン病とアルツハイマー病,鼻閉と関連して髄膜瘤と嗅神経芽細胞腫,鼻漏と関連して髄液漏に留意し,耳鼻科医としての注意点をまとめた. | |
4.口腔機能異常と中枢疾患 | 三輪 高喜 |
味覚障害,舌痛,口内乾燥,開口障害,咀嚼障害を起こす原因疾患を列挙し,その中で,中枢性の原因について概説した. | |
5.音声・嚥下機能異常と中枢疾患 | 田山 二朗 |
脳血管障害,パーキンソン病,運動ニューロン疾患,多系統萎縮症等の音声・嚥下障害について解説し,これら中枢疾患における音声・嚥下障害治療のポイントを述べた. | |
6.顎・顔面異常と中枢疾患 | 樋口 佳則ほか |
顔面・顎に異常をきたす中枢神経系疾患は.疾患により対応を急がなければならない場合がある.鑑別すべき疾患について,特に脳神経外科疾患を中心に概説する. | |
7.頸部異常と中枢疾患 | 石毛 聡ほか |
突発性の顔面痛・頸部痛の鑑別診断においては,頸動脈・椎骨動脈解離を常に念頭に置くことが必要である. | |
8.視覚機能障害と中枢疾患 | 村田 敏規ほか |
眼球や眼付属器は,副鼻腔と近いため,耳鼻科疾患の影響を受けやすい.その結果,視力・視野障害や複視などの重篤な視機能障害を生じることがある. | |
II.中枢疾患を見落とさないための診断技術 | |
1.神経内科の立場から | 白井 慎一ほか |
中枢疾患を見落とさないために必要な診察法として,標準的な神経診察手技のうち特殊な診察道具を用いず簡便なものについて概説する. | |
2.救急外来の立場から | 寺澤 秀一 |
めまいで,中枢疾患を見落とさないためには,同様のめまいの既往,糖尿病,高血圧の既往,頭痛などの随伴症状,収縮期高血圧の有無が重要なポイントである. | |
3.精神科の立場から | 新藤 雅延ほか |
身体症状が主訴でも,うつ病などの精神疾患を有する可能性がある.スクリーナーを活用し,平素から精神状態の評価を積極的に行うことが望ましい. | |
4.放射線科医の立場から | 山田 惠 |
画像診断における思い込みは危険である.特徴的所見に引っ張られて早々に判断をくだしてしまうことは慎みたい.画面の隅々までよく観察することは重要な読影プロセスの一部であるが,実践することは存外難しい. | |
III.各 論 | |
1.脳梗塞/脳出血(小脳の血管障害を中心に) | 城倉 健 |
小脳上部の血管障害であれば,患側上下肢の小脳性運動失調や構音障害を伴うことが多く,小脳下部の血管障害であれば,体幹失調による起立・歩行障害をきたすことが多い. | |
2.筋萎縮性側索硬化症 | 森田 洋 |
呼吸筋を含む全骨格筋が失われる疾病であるが,半数弱は球症状で発症する.早期診断は人工呼吸器の使用など将来を考える時間を確保するために重要である. | |
3.重症筋無力症 | 川口 直樹 |
重症筋無力症は易疲労性・日内変動を伴った眼瞼下垂・複視・開鼻声・嚥下困難・四肢筋力低下などを呈する.神経筋接合部を標的とした自己抗体病であり,免疫治療が行われる.球症状のみを呈した症例を紹介する. | |
4.パーキンソン病 | 長谷川一子 |
パーキンソン病は高齢化に伴い有病率が増す神経変性疾患で,運動症状の他にも嗅覚低下などの非運動症状も認める.嗅覚低下の原因として本症を考慮していただきたい. | |
5.多発性硬化症 | 黒澤 和大ほか |
若年成人に脳幹病変による顔面神経麻痺,三叉神経痛,構音障害,嚥下障害,回転性めまいや難聴を認めた時には多発性硬化症も鑑別に入れ,神経内科医に早急にコンサルトすべきである. | |
6.脊髄小脳変性症(SCD) | 武市 紀人 |
耳鼻咽喉科医が最低限知っておくべき診断に必要となる平衡機能障害,眼球運動異常の特徴および診断の分類・歴史,症状の最新の知見を示す. | |
7.延髄外側症候群(Wallenberg症候群) | 將積日出夫ほか |
延髄外側症候群(Wallenberg症候群)は球麻痺,解離性知覚障害が特徴である.近年,椎骨動脈の動脈解離による比較的若年者の発症が注目されている. | |
8.MLF(medial longitudinal fasciculus:内側縦束)症候群 | 鈴木 光也 |
動眼神経核と外転神経核の間に病巣があるとMLF症候群を生じる.その眼球運動の特徴は,側方注視の際に障害側の眼球の内転障害と対側眼球の単眼性眼振である.動眼神経核は侵されないため輻輳は保たれる. | |
9.One-and-a-half症候群 | 小川 恭生 |
One-and-a-half症候群は,一側への側方共同注視障害と同側の内側縦束症候群を呈する水平性共同運動障害である.耳鼻咽喉科医が遭遇することは稀であるが,中枢病変を示唆する眼所見として覚えておくべき疾患である. | |
10.上眼窩裂症候群(Tolosa-Hunt症候群) | 菅原 一真ほか |
上眼窩裂症候群とは,上眼窩裂を通過する4つの脳神経(III,IV,V1,VI)に関する症状が出現する状態である.症例を提示して解説する. | |
11.頸静脈孔症候群(Vernet症候群) | 大石 實 |
第IX,X,XI脳神経だけが障害されている場合,Vernet症候群を知っていれば病変は頸静脈孔にあることがわかり,病因検索が効率的に行える. | |
12.聴神経腫瘍 | 高砂 浩史ほか |
突発性難聴では除外診断と速やかな治療の同時進行が必要とされる.本稿では,最も見逃すべきではない突発難聴で発症する聴神経腫瘍の診断や経過の特徴を述べる. | |
13.頭蓋底腫瘍―境界領域病変の診断と治療― | 稲吉康比呂ほか |
頭蓋底の腫瘍性病変は耳鼻咽喉科領域の初発症状を呈することがあり,それら病変の存在を念頭に置いた診療が重要である. | |
14.耳性頭蓋内合併症 | 吉田 尚弘 |
中耳炎(急性,真珠腫性中耳炎),乳突洞炎による耳性頭蓋内合併症である髄膜炎,脳膿瘍,硬膜外膿瘍,硬膜下膿瘍,静脈洞血栓症の診断,治療法について述べる. | |
15.鼻性頭蓋内合併症 | 坂井田 寛ほか |
鼻性頭蓋内合併症は稀ながら致命的になり得るため,早期診断と他科と連携した治療が重要である. | |
16.顔面外傷(前頭骨骨折)と頭蓋内合併症 | 右田 尚ほか |
顔面外傷は,日常診療でよく遭遇する外傷であるが,時に重度の合併症である頭蓋内合併症(髄液鼻漏,髄膜炎など)を伴うため,これらを見逃さないことが重要である. | |
17.感染症と脳神経障害 | 濵田 昌史 |
水痘帯状疱疹ウイルスは広く脳神経の神経節に潜伏し,再活性化によって顔面,内耳,舌咽・迷走各神経の障害を生じる.一方で単純疱疹ウイルスも脳神経節に広く潜在すると考えられるが,未だ神経障害との関連は明確ではない. | |
18.頭頸部癌による脳神経障害 | 中原 晋ほか |
頭頸部癌による脳神経障害に関して,神経障害をきたすパターン別に分類して解説したあと脳神経障害を起こしやすい疾患をピックアップしてそれぞれの特徴を述べる. | |
19.うつ病などの精神疾患 | 清水 謙祐 |
問診票や心理テストなどを用いて精神疾患を診断し治療する.治療困難な場合は精神科などへ紹介するが耳鼻科のフォローは継続する.抗うつ薬投与は躁転などに注意を要する. |
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