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Monthly Book ENTONI(エントーニ) 157

Monthly Book ENTONI(エントーニ) 157

見落としやすい耳鼻咽喉科疾患<増刊号>

大森孝一/編

978-4-88117-846-1 C3047

2013年9月

en0157

定価5,940円(税込み)

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目次

I.耳
1.先天性真珠腫 福島 典之
先天性真珠腫を見落とさないためには顕微鏡や内視鏡を使用しての鼓膜の観察が必要である.また,見落としやすい例として急性中耳炎を合併した例などを呈示した.
2.好酸球性中耳炎 松原  篤
好酸球性中耳炎は局所所見だけでは他の中耳炎との鑑別は困難であり,喘息の合併例や難治性の中耳炎に遭遇した際には中耳貯留液の好酸球のチェックを忘れてはならない.
3.耳硬化症 熊川 孝三
耳硬化症を見落す,あるいは誤って耳硬化症として診断しうる病態を挙げ,それらの鑑別診断に必要な検査とその判定ポイントについて解説する.
4.小児の進行性難聴 松井 隆道ほか
小児の進行性難聴に関して先天性サイトメガロウイルス感染と前庭水管拡大症による難聴について概説する.
II.平 衡
1.上半規管裂隙症候群 竹村 景史ほか
上半規管裂隙症候群(SCDS)は,必ずしもすべての症例にTullio現象や瘻孔症状が発現するわけでなく,ふらつきや耳閉感など非典型な訴えの症例もあり注意が必要である.
2.めまいで発症した脳血管障害 橋本  誠ほか
脳血管障害によるめまいは,MRI拡散強調画像でも偽陰性となることがあり,既往歴や随伴する神経症候の有無を確認し,中枢性眼振の要素を見逃さないことが重要である.
III.鼻副鼻腔
1.歯性上顎洞炎 佐藤 公則
歯科処置あるいは歯科処置後の歯が歯性上顎洞炎の原因歯になる例が増加している.歯科的に治療された歯で外見上齲歯がなくても,歯性上顎洞炎の原因歯として疑うことが大切である.
2.好酸球性副鼻腔炎
佐久間康徳ほか
好酸球性副鼻腔炎は従来型の慢性副鼻腔炎とは治療法が異なるので,治療に際しては鑑別する必要がある.本稿では,日常の外来診療で好酸球性副鼻腔炎を診断する方法を概説する.
3.鼻中隔穿孔をきたす疾患 片田 彰博ほか
鼻中隔穿孔をきたす疾患である多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫症)と鼻性NK/T細胞リンパ腫について,診断のポイントを中心に解説した.
4.眼症状をきたす鼻副鼻腔疾患 多田 靖宏ほか
眼症状をきたす副鼻腔疾患には感染性,嚢胞性,腫瘍性などがあり,視力障害が進行する場合や保存的治療にて症状改善が乏しい場合は,外科的治療が必要になることもありその判断時期には注意を要する.
5.嗅覚障害をきたす脳疾患 志賀 英明ほか
嗅覚障害をきたす主な脳疾患について列挙し,各疾患の特徴に加え嗅覚障害をきたす病態と障害程度など診断の要点について解説を加えた.
IV.口 腔
1.ウイルス性口腔炎・潰瘍―特にHIV/AIDS関連病変について― 山村 幸江ほか
HIV/AIDS患者では口腔毛様白板症やカポジ肉腫などの特徴的な病態の他,再発性アフタや難治性口腔潰瘍も多く,鑑別診断として念頭に置く必要がある.
2.味覚障害をきたす全身疾患 平井 良治ほか
全身疾患に伴う味覚障害に知識は比較的少ないと思われる.味覚障害の診療において見逃してはならない全身疾患について詳述した.
3.口腔白板症 松塚  崇ほか
口腔白板症は口腔癌の前癌病変であり,非均一あるいは多中心性,多発性,上皮異形性を伴うもので癌化しやすく,経年的に癌化率が高くなる傾向がある.
V.咽 頭
1.上咽頭癌 室野 重之ほか
上咽頭癌の症状は頸部リンパ節腫脹,耳症状が多く,鼻症状,脳神経症状,頭痛が続く.これらがあれば,上咽頭癌の可能性を常に考え,内視鏡による観察を怠ってはならない.
2.下極型扁桃周囲膿瘍 大堀純一郎
下極型扁桃周囲膿瘍は,上極型と比較して中咽頭の所見に乏しく,喉頭の炎症や浮腫をきたしたり,深頸部膿瘍を生じたりするため注意が必要である.
3.睡眠時無呼吸症候群―扁桃肥大のない,やせ型症例について― 中山 明峰ほか
耳鼻科医として偏った知識で睡眠時無呼吸症候群を診療するのではなく,睡眠医学全体を周知して頂きたい.PSGを熟知し,局所のみでなく,身体全体を診療して頂きたい.
4.下咽頭梨状陥凹瘻 大月 直樹ほか
甲状腺周囲の炎症や膿瘍形成を反復している場合には,下咽頭梨状陥凹瘻の可能性を疑うことが重要である.
VI.喉 頭
1.血管性浮腫 三浦 智広
重症化しやすい血管性浮腫として,C1インヒビター活性低下による浮腫(遺伝性血管性浮腫)とアンジオテンシン変換酵素阻害薬による浮腫に注意する.
2.声帯運動障害:反回神経麻痺と鑑別を要する疾患 二藤 隆春ほか
反回神経麻痺との鑑別が困難な披裂軟骨脱臼と声門後部癒着症について解説した.その可能性を常に念頭に置きながら検査をすすめることが重要である.
3.声帯溝症 角田 晃一
声帯溝症が難治疾患であることに疑いの余地はない.難治疾患克服研究班作成の,経済的で安全な自己訓練を含む,診断治療のガイドラインを検証・普及・啓蒙する必要がある.
4.咽喉頭の微小癌 平野  滋ほか
咽喉頭の微小癌のNBI内視鏡,喉頭ストロボスコピー検査による診断のポイントを解説した.またこれらに対する手術法について習熟することが重要である.
5.喉頭結核 松原 尚子ほか
喉頭結核は稀に遭遇する感染症である.喉頭癌との鑑別が重要である.肺結核に併発している可能性があり診察から診断まで感染を拡大させない対応がもとめられる.
VII.気管食道
1.気管・気管支異物―遷延症例を中心に― 後藤 一貴ほか
気道異物の頻度は少ないが耳鼻咽喉科医にとっては重要な疾患である.診断は比較的容易なものの遷延例も存在する.その傾向と対応について述べた.
2.嚥下障害―延髄外側症候群による嚥下障害を中心に― 三枝 英人
嚥下障害は疾患ではなく,ある病態生理から発生した障害である.得られた所見を科学的に分析することが重要であり,それがなければ患者に不要な努力を強いるとなる場合さえある.
VIII.頸 部
1.顎下型ガマ腫 金子 賢一
顎下型ガマ腫は,舌下腺から漏出した唾液が顎舌骨筋を超えて顎下間隙に貯留した偽嚢胞である.顎下型ガマ腫を疑い,正しく診断することが治療法の決定のうえで重要である.
2.異所性甲状腺 細川 誠二
異所性甲状腺のうち,舌根部が腫脹し呼吸困難のため手術を要した症例,無症状で偶然発見された症例,悪性腫瘍であった症例を提示し,本疾患についての注意を解説した.
3.頸部食道癌 篠崎  剛ほか
耳鼻咽喉科の咽喉頭ファイバーで有意な所見を認めなくても上部消化管の精査が必要.病的所見を認めなくても2週間以上症状が続く場合は再度受診するように説明しておくべきである.
4.耳下腺唾石症 松延  毅
唾石症は日常診療においてしばしば遭遇する疾患である.治療法の選択は,唾石の存在部位にもよるが,本稿においては耳下腺唾石の最新の治療法も含め解説した.
5.頸部リンパ節腫脹 齋藤康一郎ほか
頸部リンパ節腫脹を呈する患者に対処するには,種々の疾患を念頭に,的確に診断・治療を進める必要がある.診療前に知識を整理しておくべき要点につき概説する.

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