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実践外来診療に必要な皮膚科検査法ハンドブック

実践外来診療に必要な皮膚科検査法ハンドブック

実践外来診療に必要な皮膚科検査法ハンドブック 原田敬之/編集企画

4-88117-024-4 C3047

2004年11月

0008

定価8,800円(税込み)

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目次

理学的検査 木花  光
視診・触診は皮膚病の診断において極めて重要な技術である.これらは簡単そうに見えるが奥が深く,習熟するためには日々の修練が必要である.
外来診療に必要なアトピー性皮膚炎に関する検査 杉浦 久嗣
植西 敏浩
アトピー性皮膚炎を軽症あるいは治癒へ導くためには,病歴・診察・検査などを適切に行い,患者ごとに悪化因子を検索・除去することが大切である.
接触皮膚炎に関する検査 畑 三恵子
石崎 純子
接触皮膚炎の原因検索に欠かせないパッチテストについて,忙しい外来診療の中でも簡単に気軽にできるコツについて記載した.
蕁麻疹・皮膚掻痒症に関する検査 森田 栄伸
蕁麻疹の原因検索において,原因食物・薬剤による負荷テストは信頼度の高い検査であるが,再現性が必ずしも高くないこと,アナフィラキシーショックを誘発する危険性があることから実施には慎重でなければならない.
紫斑病に関する検査(出血・凝固系の検査) 行徳 隆裕
今山 修平
紫斑とは組織内へ漏出した赤血球が(真皮網状層よりも浅層に位置するために)外から透見されるもので,正常では赤血球は血管壁を通過しないため選択性透過性の破綻を意味する.臨床的に血小板減少・機能不全が最大の原因であるが,凝固因子,血管脆弱性,線維素溶解系異常なども原因となる.それらの紫斑には臨床的特徴がある.
紅斑・血管炎に関する検査―Sweet病,紅斑を呈する血管炎疾患を中心に― 陳  科榮
有痛性紅斑を呈するSweet病及び血管炎疾患の診断と必要な検査について概説した.
角化症に関する検査 山本 明美
臨床症状のみからは確定診断ができないような角化症の症例に出会ったとき,どのような検査が診断上,有益な情報を与えてくれるか解説した.
薬疹に関する検査 相原 道子
薬疹の鑑別診断のための検査,原因薬剤の解明のための検査,ヒトヘルペスウイルス再活性化に関する検査について解説した.
光線過敏症に関する検査 川田  暁
光線テストを施行するにあたって重要なことは,疾患とその作用波長を想定しながら最も適当な光線テストを選択しながら進めていくことである.
紅皮症に関する検査 落合 豊子
紅皮症の診察の手順はまず詳細な既往歴と現病歴,薬剤歴を聴取して診察を行い,その前駆病変や紅皮症化の原因を調べる.その後血液検査,皮膚生検を含む諸検査を施行する.
膠原病に関する検査
A.エリテマトーデス,皮膚筋炎,Still病など
菊池かな子
疾患特異的自己抗体の存在,皮疹部の皮膚病理所見が診断に最も重要である.蛍光抗体直接法も重要度が高い.
B.強皮症,混合性結合組織病など 相馬 良直
これらの疾患を疑ったときに,まず行うべき検査,二次的に行うべき検査,皮膚生検の方法,臓器別の検査法などについて解説した.
C.おもな関節疾患の皮膚症状とその検査 檜垣 祐子
関節リウマチをはじめとする関節疾患においては,その皮膚病変の病理組織学的検討が重要な検査となる.またリウマトイド因子の意義についても理解しておく必要がある.
代謝異常症に関する検査
A.糖代謝異常症 伊藤 治夫
外来診療において糖尿病をはじめとする糖代謝異常症に必要な諸検査,診断およびその合併症を評価治療する上で必要と思われる検査について述べた.
B.ムチン沈着症 大西 一徳
皮膚にムチンが沈着することにより総称される疾患のため,雑多な疾患が含まれる.診断にあたっては、本書に収められた他の疾患の検査によるところが多い.ここでは主に皮膚ムコ多糖の検査について述べた.
C.脂質代謝異常症 池田 光徳
黄色腫をみたら,コレステロール値とトリグリセリド値とを測定して合併するリポタンパク代謝異常を推測する.リポタンパク代謝異常を伴わない黄色腫や組織球症の存在にも留意する.
水疱症の検査 澤村 大輔
近年,水疱症の病態が分子レベルで解明されるようになったことから,分子レベルまで踏み込んだ検査が確定診断に必要になった.本稿では,ルーチンで行われるものから研究レベルで行われる検査まで概説した.
膿疱性疾患の診断に必要な検査と鑑別疾患 照井  正
膿疱性疾患の診断の要領と必要な検査をフローチャートにまとめた.
リンパ腫に関する検査 城野 昌義
皮膚リンパ腫における検査と診断の進め方:発疹と随伴症状からリンパ腫を疑い、発疹の病理組織・免疫染色検査,骨髄穿刺,各種画像検査を適宜行い,皮膚リンパ腫さらにその亜群を診断.分子生物学的検査で確定診断.
肉芽腫症に関する検査 小林 衣子
非感染性肉芽腫は病理組織学的特徴からsarcoidal granulomaとpalisading granulomaに大別される.サルコイドーシスの診断に必要な検査と鑑別すべき肉芽腫の特徴を概説した.
―母斑・母斑症 臨床知見補遺―
母斑症に関する検査 倉持  朗
母斑症phakomatosisは,致死的ではなかった個体で起きた“unusualなmorphogenesis・self organization”であって,geneticな要素だけでなく,epigeneticな要因やmicroenvironment,およびこれらの相互作用が,統合的な制御システムを形成し,疾患の多様性と個性,かつ動きを与えている.或る時点での母斑症における検査医学は、このように病態の個性,かつ動きと多様性を持つ疾患群の,その時点での状態を知る重要な一方法である.本稿では,ごくわずかではあるが,診断上有用で,患者に確実にbeneficialであった検査医学の実際例のうち,典型的と考えられた自験例を簡単に示した.
皮膚腫瘍に関する検査
A.Dermoscopy 田中  勝
ダーモスコピーは臨床診断能力を飛躍的にアップするのに最も手軽な機器である.誰もがごく短期間の集中的な研修を積むことによってエキスパートになれるはずである.
B.画像診断(CT,MRIなど) 宮岡 由規
滝脇 弘嗣
MRI,CT,核医学検査の必要最小限な原理と適応,有用性について述べ,筆者の施設において経験した症例について供覧した.
C.病理組織学的検査(免疫組織化学的検査も含めて) 安齋 眞一
皮膚腫瘍診断の際の病理組織学的検査の重要性と施行時の注意点を述べ,さらに,皮膚腫瘍診断の際の免疫組織化学的手法の提要について述べた.
細菌性疾患に関する検査 秋山 尚範
大野 貴司
岩月 啓氏
皮膚科領域の細菌感染症の臨床検査法について示した.
真菌性疾患に関する検査 繁益 弘志
皮膚真菌症の診断には,まず病変部における真菌の存在,寄生形態を直接あるいは病理学的に確認すること,可能な限り原因菌を分離培養,同定することが重要である.
ウイルス学的検査 小菅 治彦
日常の皮膚科診療で利用可能なウイルス学的検査法についてウイルス抗原検査,抗体検査に分けてそれぞれ基本的な知識をまとめた.
医動物学的検査 夏秋  優
動物性皮膚疾患の原因の確定,診断には原因動物の捕獲・採取や血清特異抗体の検出が必要である.
抗酸菌感染症に関する検査 伊藤  薫
皮膚抗酸菌感染症の検査には核酸診断法が広く応用されるようになった.ただし,塗抹,培養検査や病理組織検査も重要である.
STIに関する検査 大里 和久
ウイルスによる性感染症への認識を喚起し,今後のそれらに対する対応の重大さを述べた.
脱毛症の検査 板見  智
診断にあたっては病歴が重要であることはもちろん,毛髪の形態的な観察が決め手となる.
心因的皮膚疾患に関する検査 小林 美咲
心因的皮膚疾患の診断には詳細な診断面接と嗜癖的掻破行動などの直接的行動を念頭に置いた皮疹の観察による診断が重要であるが,心理テストなども補助的に用いることができる.

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