副腎皮質ステロイドおよび非ステロイド抗炎症外用薬 |
鶴田 京子ほか |
ステロイド外用薬について強さ,経皮吸収,使用量,使用方法,主作用と副作用について,非ステロイド外用薬についてその種類,有用性,問題点について述べた. |
抗菌薬・抗真菌薬・抗ウイルス薬 |
木津 純子ほか |
抗菌薬,抗真菌薬,抗ウイルス薬,抗腫瘍薬を安全かつ効果的に使用するためには,疾患の原因や原因菌を明らかにし,適切な薬剤を選択し,適切に使用することが重要である. |
点耳薬 |
藤澤 利行ほか |
急性中耳炎では鼓膜切開後の点耳薬の有効性は高い.外耳道炎,鼓膜炎での肉芽腫病変にはステロイド点耳薬の併用も有用である.耳漏からの細菌検査は重要であり,特に真菌の有無の確認は点耳薬の適応に関わる.真菌感染,MRSA感染には点耳薬は無効であり,洗浄やブロー液による治療が必要である. |
点鼻薬 |
竹内 万彦 |
メタアナリシスでは鼻噴霧用ステロイド薬の方が経口抗ヒスタミン薬より優れている.鼻噴霧用ステロイド薬は1年以上の連用でも全身的副作用は少なく,効果は確実である. |
うがい薬 |
永井 茂ほか |
うがい薬(アズレンスルホン酸ナトリウムやポビドンヨードなど)の薬理作用や使い方について述べる. |
ネブライザー |
鈴木 賢二 |
ネブライザー療法は,疼痛なしに高濃度に速やかに薬液を目標に到達させることができ,血液中移行が僅かで副作用を回避することができ,安全で簡便で有用な治療法である. |
貼り薬 |
仙田 典保 |
耳鼻科領域で主に使用されている2種類の長時間作用性貼付薬(ホクナリンテープ,デュロテップパッチ)について製剤的特徴,使用方法などを概説した. |
耳性帯状疱疹 |
永田 誠ほか |
帯状疱疹では早期に抗ウイルス薬を全身投与することが最も重要である.局所治療としてはまず病変部を温水で十分に洗い流し,その後病変部の状態に合わせて外用療法を行う. |
耳垢栓塞,外耳道異物 |
中山 明峰ほか |
基本的に耳垢や外耳道異物は耳科器具を用いて摘出するべきである.しかし,頑固で外耳道から容易に除去できない耳垢や特殊の異物があり,それらに使用する薬物を紹介する. |
耳介・外耳道 |
後藤友佳子 |
耳介・外耳道の炎症に対する局所療法は,抗生剤,ステロイドなどの軟膏治療が中心であるが,各疾患できめ細かい選択が必要となる. |
外耳道真菌症 |
江上 徹也ほか |
基礎真菌学者との共同研究で外耳道真菌症の耳垢,耳漏から原因真菌の同定と薬剤感受性検査を行い,その成果を外用抗真菌薬選択に応用した. |
鼓膜・中耳 |
上出 洋介 |
中耳炎写真の外用薬治療前・後を掲載している.治療には適切な処置方法と薬剤の選択が必要である.薬剤の中耳腔への効果的到達とその対側にある耳毒性には留意する. |
鼻炎 |
佐久間康徳ほか |
鼻前庭・鼻腔は明視下に処置しやすい部位のため,外用薬による治療が有効であり,個々の疾患の病態に合わせた外用薬の選択が必要である. |
副鼻腔炎 |
松根 彰志 |
副鼻腔炎治療における外用薬には,その病態に応じて鼻ネブライザー療法薬,軟膏,局所注入薬,鼻噴霧薬などがある. |
鼻アレルギー |
中村 善久ほか |
局所点鼻薬を適切に使用することにより,アレルギー性鼻炎をより安全に,より効果的に治療することができる. |
口内炎 |
赤木 博文 |
口内炎の定義,罹患部位・病因・臨床形態的病型による分類,(鑑別)診断,基本治療および原因不明の口内炎を中心に外用薬を用いた局所治療などについて概説する. |
高齢者の口腔乾燥症の外用薬 |
井野千代徳 |
多剤を服用して口内乾燥のある高齢者に治療目的とはいえ内服薬を追加することにジレンマがあり,うがい薬と人工唾液などの外用薬を中心とした治療を行っている. |
口腔・咽頭カンジダ症 |
余田 敬子 |
口腔・咽頭カンジダ症に使用する外用薬として,ミコナゾールゲル,アムホテリシンBシロップ,クロトリマゾールトローチ,ポビドンヨード,オキシドール,ピオクタニンの使用方法を記載した. |
咽喉頭炎 |
堀口 章子ほか |
ごく軽症以外の咽喉頭炎を外用薬のみで治療することはできないが,他の治療法と併用すれば非常に効果的である.臨床に沿った外用薬や,吸入薬液の調合例を提示した.禁煙指導も忘れてはいけないポイントである.日常診療の参考にして頂きたい. |
喉頭アレルギーの吸入療法 |
岩田 義弘 |
非アナフィラキシー慢性型の喉頭アレルギーは乾性咳嗽を伴うことを特徴とする.より臨床的な通年性と季節性に分けた新たな2005年診断基準が示されている. |
咳喘息,アトピー咳嗽 |
新実 彰男 |
咳喘息,アトピー咳嗽の治療においてはステロイド吸入の刺激による咳の惹起に留意し,β刺激薬による咳喘息の診断的治療に際しては患者の病態によって各種製剤を使い分ける. |
褥瘡・皮膚潰瘍治療薬 |
田村 敦志 |
壊死組織除去薬と肉芽形成促進薬に大別し,主薬の作用と基剤の特徴を考慮した褥瘡・皮膚潰瘍治療薬の使用方法について述べた. |
小児への外用薬使用にあたっての注意点 |
鶴田 京子ほか |
小児の皮膚の特徴とステロイド外用薬と非ステロイド外用薬の有用性,使用方法,問題点および小児の接触皮膚炎の特徴について述べた. |
高齢者への外用薬使用にあたっての注意点 |
細谷 順ほか |
高齢者への外用薬使用では,併用薬剤による相互作用に留意し,ステロイド点鼻薬および点耳薬による副腎皮質機能抑制の発現に注意する. |
妊婦・授乳婦に対する外用薬の使い方 |
佐藤 孝道 |
妊娠の時期や薬剤の種類によって,胎児への影響は異なる.外用薬の多くは母体血中にあまり移行せず安全性は高いが,すべての外用薬に当てはまるわけではない. |