Monthly Book Orthopaedics（オルソペディクス） 27/3|全日本病院出版会

人工股関節周辺骨折への対応と工夫

渥美　敬/編

2014年3月

or2703

定価2,420円(税込み)

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人工股関節周辺骨折のタイプ，各種治療法のまとめ	山本　健吾ほか
人工股関節置換術に伴う大腿骨骨折は治療の難しい骨折であるが，骨折の部位，ステムの固定性，ステム周囲の骨量などの因子を考慮したVancouver分類は治療法の選択に有用である．
人工股関節周囲骨折に対するallograftを用いた再置換術による治療	内山　勝文ほか
ステム周囲骨折Vancouver分類type B2，B3における同種骨移植の併用と，術中大腿骨骨折に対する同種皮質骨プレートによる固定法は有用であった．
大腿骨ステム周辺骨折の治療戦略―locking plateの適応と治療を中心に―	馬場　智規ほか
Locking plateとcableを併用した独特な固定法には，注意すべき点がいくつか存在する．また，locking plateを正しく使用してもステムの安定性が的確に評価できなければ満足のいく結果は得られない．
人工股関節周囲骨折：骨折型別内固定法の選択と適応	佐藤　　徹
人工股関節周囲骨折は骨接合という観点から見れば，骨幹部骨折形態を示すAO分類を使用することがふさわしい．すなわち，粉砕のないtype A骨折では絶対的安定性を，粉砕骨折であるtype Cでは相対的安定性を目的にした固定法が選択されるべきであり，目的に合わせたインプラント選択がなされるべきである．
Impaction bone grafting法を用いた人工股関節ステム周辺骨折の治療	岩瀬　敏樹
Vancouver分類type B3ステム周辺骨折に対するimpaction bone grafting法による再置換術の最重要ポイントは，大腿骨管腔構造を確実に再構築することである．
ステム周囲骨折に対する我々の治療法	石井　政次ほか
ステム周囲骨折は，ステムの存在，ステムのゆるみ，骨欠損，骨の菲薄，骨内血行不良などが存在し，単なる大腿骨骨折に比べ技術的にも難渋することが多い．種々の器具，技術を有効に駆使し状況に応じた手術法を選択しなければならない．
人工股関節周辺骨折に対するlocking plate & cable wireを用いた内固定術	松村　福広
人工股関節周辺骨折に対するロッキングプレートとケーブルワイヤーを用いた内固定術において，手術適応，考慮すべき骨折分類，実際の手術手技と注意点について症例を呈示し言及した．
各種治療法の選択	名越　　智
人工股関節周囲骨折の各種治療法の選択には，骨折部位とステム固定性を診断し，適切な骨接合術と再置換術の組み合わせを考える必要性がある．
人工股関節周辺骨折に対するロングステムによる治療	中村　正則ほか
人工股関節ステム周辺骨折に対してロングステムで再置換術を行う場合は，骨皮質の状態によって機種を選択し，菲薄化した骨皮質の補強のために骨移植を併用することが大切である．
人工股関節ステム周辺骨折に対するロッキングプレート固定の適応と注意点	新倉　隆宏
人工股関節ステム周辺骨折に対するロッキングプレート固定においては，骨接合の基本に則った手術を行うこと，近位骨片へのケーブルの併用が多くの症例で推奨されることに留意すべきである．