切開とアプローチ |
切開の基本 |
安倍 吉郎ほか |
外科手術における基本手技の1つである「切開」を正しく習得するためには,切開の原理や切開線のデザイン方法以外にも,各種切開器具の構造や特性,ならびに注意点を理解する必要がある. |
剝離・止血の基本 |
三橋 伸行ほか |
剝離操作と止血操作の理論的背景と実践的手技を解説する.また術前,術中および術後の出血管理についても述べる. |
頭部の切開とアプローチ |
坂本 好昭 |
顔面神経側頭枝が走行するこめかみ部分の層構造は一見複雑である.この部位の層構造を理解し,深側頭筋膜浅層下で剝離することで,より広範な視野の確保が可能になる. |
眼瞼の切開とアプローチ |
松浦 直樹ほか |
眼瞼の切開アプローチを上眼瞼,下眼瞼に分けて解説した.基本的な解剖,麻酔法から,睫毛下切開と経結膜切開での眼窩底アプローチ法について症例を通して詳述した. |
鼻の切開とアプローチ |
森山 壮ほか |
当院で行っている鼻中隔外鼻形成術:Open Septorhinoplasty(OSRP)での鼻の切開とアプローチの手術手技に関して述べる. |
頭蓋底から中顔面へのアプローチ法―Lateral rhinotomy, Dismasking approach, Midface degloving approach― |
塗 隆志ほか |
形成外科医が知っておくべき,中顔面へのアプローチ方法について解説を行った.腫瘍の存在部位やサイズに合わせて適切なアプローチ法を選択することが手術を成功させる重要な要素となる. |
口腔内の切開とアプローチ |
山下 昌信 |
安全に素早く顔面骨格へ到達可能な手技として,口腔内切開からのアプローチは汎用される.顔面骨整復固定術や顔面骨切り術,輪郭形成術を行う上で欠かせない本術式を詳細に述べる. |
頸部の切開とアプローチ |
東野 琢也 |
頸部の切開とアプローチについて,主に頭頸部再建に関連することを例に挙げながら,気を付けるポイント,注意点とコツなどを述べる.頸部郭清についても簡単に触れる. |
胸部・乳房の切開とアプローチ |
瀧 京奈ほか |
乳房皮膚や乳頭乳輪の血流の温存,乳房形態の対称性の維持,患者のQOLの保持を可能にするための切開線の置き方と,吻合血管へのアプローチ方法について述べる. |
手の切開とアプローチ |
小野 真平 |
手の外科治療では,皮膚特性や切開線デザインの原則を理解し,愛護的手技を用いることで瘢痕や拘縮を予防し,治療成績を向上させることが重要である. |
皮膚・皮下腫瘍切除における切開とアプローチ |
野村 正ほか |
皮膚・皮下腫瘍手術においては,病変の種類,大きさや解剖学的局在を考慮した切開・アプローチを用いて過不足なく病変を切除・摘出し,“きれいな瘢痕”とすることが重要である. |
創閉鎖と縫合・吻合 |
創閉鎖の基本 |
中川 雅裕 |
創閉鎖には,1次治癒である創の縫合によるものと,2次治癒である広義の上皮化を得るという2種類がある.創の縫合では,①壊死組織や異物などをできるだけ残さない,②皮膚や組織を愛護的に扱う,③血行のよいatraumaticな創面とする(必要ならデブリドマンを行う),④確実に止血を行う,⑤各層を解剖学的に正確に合わせ,創面を接合させる,⑥死腔をつくらない,⑦皮膚に張力をかけない,などが重要である.また2次治癒の上皮化を得る方法として,軟膏処置や創傷被覆材貼付による保存療法NPWTや植皮などがある. |
糸結びの基本 |
馬渡 太郎 |
縫合糸選択と適切な結びは外科手術の基本である.糸の掛け方と引く方向に注意して,男結びを行う方法に習熟しておく. |
皮下縫合,皮膚縫合 |
山本 直人 |
すべての外科医は,縫合創の治癒過程と理想的な治癒を得るための縫合法の要点と手順を会得しておく必要がある. |
新しい縫合材料―棘付き縫合糸― |
冨田 興一 |
様々な棘付き縫合糸の登場により,創閉鎖はより確実で効率的に行えるようになった.これらの特徴を生かすことで,皮膚・皮下組織縫合に限らず,様々な場面で活躍する. |
粘膜縫合を極める! |
門田 英輝 |
粘膜縫合では基本的に丸針の吸収糸を用いる.縫合する粘膜の状態によって単結節縫合と垂直マットレス縫合を使い分ける.遊離空腸移植では全層縫合あるいはGambee縫合で吻合を行う. |
遊離皮弁を用いた頭頸部再建における血管吻合の注意点 |
八木俊路朗 |
遊離非弁移植の成功率を高めるためには微小血管吻合の技術向上のみならず,吻合前の準備や吻合後の処理など注意する点は多くある. |
神経縫合 |
楠原 廣久 |
神経縫合は断裂部位,神経束配列により方法を使い分ける.緊張が強ければ神経移植を選択し,2cm以下の欠損なら人工神経も適応である.周囲が血行不良なら血管柄付き神経移植を考慮する. |
リンパ管静脈吻合術のコツ |
原 尚子ほか |
LVAが難しいとされる理由は,リンパ管が見つからない,リンパ管が細くて縫いにくい,の2点に集約されるであろう.その壁を乗り越えるための私たちの工夫を紹介する. |
腱縫合 |
青木 浩平ほか |
手指の屈筋腱,伸筋腱損傷について,区域に特徴的な腱の解剖,断裂腱の同定と断端の検索方法,様々な縫合法,代表的な後療法についてまとめた. |
ロボット支援手術における縫合・吻合 |
樫村 勉 |
本邦では形成外科領域における手術支援ロボットの導入は未だ実現には至っていない.しかし,今後の導入が期待されている状況である.本稿では,導入に先立ち手術支援ロボットの縫合・吻合の特徴について述べる. |