動態解析とリハビリテーション |
菅本 一臣 |
骨関節の3次元的動態を理解してはじめて効率の良い関節可動域訓練が可能となる.多様性のある体の動きが骨関節の動きの組み合わせで可能となっていることも理解しよう. |
歩行分析法 |
大畑 光司 |
歩行分析の手法には,記述的なものから詳細な測定の行えるものまで様々あるが,それぞれの利点と欠点を知って,効果的に用いることが求められる. |
正常歩行の観察 |
長谷川雄紀ほか |
正常歩行における歩行周期各相での下肢の位置,活動している筋肉,床反力ベクトルの方向などや,機能不全の際にどのような異常や代償が生じるのかを臨床的な視点から述べた. |
歩行と代償動作 |
宮野 佐年ほか |
ヒトが歩行する時に,下肢に麻痺や拘縮,痛みなどがあると,通常と違う筋肉を使い,同じ筋肉や関節でも違う使い方で,麻痺や拘縮を代償し,痛みを軽減させて歩行する.種々の疾患で,歩行を可能にしている代償動作について述べる. |
理学療法と動作解析 |
金 承革 |
片脚立位の安定保持には,体重3割と2割の上胴・骨盤を支持する腸腰筋と中殿筋が重要であること.歩行で下腿三頭筋は推進よりも立位保持の役割であること. |
作業療法と動作分析 |
小嶋 美樹 |
ADLでよく見られる動作について食事動作と更衣動作を取り上げ,観察・分析時の着目点と環境調整や自助具の選定を含む具体的な対応方法について紹介する. |
短下肢装具と歩行解析 |
佐藤 佑紀ほか |
短下肢装具は脳卒中片麻痺患者の歩行機能改善に有用な手段の一つであるが,その評価を行うにあたっては,歩行解析が重要な役割を果たす. |
頚椎の機能解剖 |
藤城 高志ほか |
頚椎は重い頭蓋を支え,さらに環境把握のために視線を調節するという生理的な機能がある.本稿では,臨床診療に必要な頚椎機能解剖と矢状面アライメントについて解説する. |
頚部痛と手のしびれのリハビリテーション診療 |
粕川 雄司 |
頚部痛を生じる重篤な疾患を鑑別して,上肢への放散痛の有無などで病態を診断し,筋力・可動域訓練や患者教育など複数の治療法を組み合わせて対処する. |
腰椎の機能解剖 |
德田 彩ほか |
椎体,椎間板,椎間関節,靱帯の連結は1つの運動単位として脊椎運動を司る.特に椎間関節の形態が脊椎の運動に大きく影響する. |
腰椎の障がいとリハビリテーション診療 |
佐久間洋太ほか |
代表的な腰椎疾患を解説し,具体的なリハビリテーション治療の実際を述べる.筆者らの施設で開発した新しい側弯装具や,成人脊柱変形患者を対象とした独自の運動プログラムについても紹介する. |
肩関節の機能解剖 |
宮﨑 茂明ほか |
肩関節疾患のリハビリテーション診療では,機能解剖の側面から各疾患の発症機序を理解することが必要不可欠である.肩関節の機能解剖学的特徴を中心に概説する. |
肩の障害とリハビリテーション診療 |
猪飼 哲夫 |
中高年者や脳卒中患者では肩関節痛を訴えることが多い.診察や検査にて診断し,薬物治療やリハビリテーションを行う. |
肘関節の機能解剖 |
稲垣 克記 |
肘関節は,多方向すなわち屈曲と伸展,前腕回内と回外,腕尺関節の回旋(外旋と内旋)の6方向性に動く可動性を有し,安定性を保ちながら,前腕・手および肩関節と連動してリーチと支持性を有する運動器である. |
肘の障害とリハビリテーション診療 |
石井 斉ほか |
肘の障害は様々なメカニカルストレスが関わって発生する.病態診断とリハビリテーションはメカニカルストレスを十分に考慮して実践していくことが重要である. |
手・手指の機能解剖―リハビリテーションに必要な手・手指の機能解剖について― |
遠藤 健ほか |
手指の内在筋,外在筋の機能,また母指の対立運動の詳細を述べる.また,手・手指の外固定時の安全な肢位(safe position)について,解剖学的背景をもとに記載する. |
手・手指の障害とリハビリテーション診療 |
阿部 薫ほか |
「手の動作解析はどのように行うか」掴み・摘み・操作などの基本動作や日常生活動作について,手のフォーム,手と物との接触面や母指と他指との対向,手が物に及ぼす力の方向や動きの順序,物の変位などについて正常との違いを判断する. |
股関節の機能解剖と動作解析 |
濵井 敏ほか |
リハビリテーション診療に役立つ(1)股関節の機能解剖,(2)THA後の歩行,乗降車,ゴルフスイング,スクワット動作解析に関する研究結果について解説する. |
変形性股関節症のリハビリテーション診療―保存療法とリハビリテーション治療― |
高窪 祐弥ほか |
変形性股関節症のリハビリテーション診療は,年齢,職業,家庭環境など1人1人の病態や社会的背景に合わせた可動域訓練や筋力訓練,生活指導を策定し,継続可能な保存療法が重要となる. |
大腿骨近位部骨折のリハビリテーション療法 |
酒井 康生ほか |
大腿骨近位部骨折の多くは高齢者の転倒で生じる.高齢者の歩行や,骨折後の患者の歩行の特徴を理解したうえで,リハビリテーション療法を行い二次骨折予防に取り組むことが重要である. |
膝関節の機能解剖 |
新井 祐志ほか |
膝関節は,周囲の骨や軟骨に加えて,靱帯,半月板,筋肉などの軟部支持組織により,可動性と安定性を兼ね備えている. |
前十字靱帯損傷のリハビリテーション診療 |
三尾 健介 |
前十字靱帯再建術後の機能回復にリハビリテーションが重要である.再損傷防止には体全体のバランスや協調性により,膝外反位となる危険肢位を回避することが大切となる. |
変形性膝関節症のリハビリテーション診療 |
清水 博己ほか |
変形性膝関節症の早期発見のために機能的変化に関する証拠は不足しているが,リハビリテーション診療は多くの証拠に基づいて体系的にまとめられている. |
リハビリテーション診療に必要な足関節の機能解剖 |
上野 優樹ほか |
足には多数の関節が存在し,これらが協調的に運動することで平面上のみの運動ではなく複合的な運動を可能としている.本稿ではこれらを順に解説していく. |
足関節障害の診断とリハビリテーション |
嶋 洋明 |
足関節周囲には多くの腱,靱帯,関節があり,解剖学的な位置関係を確認して診察を行う.足関節障害に対するリハビリテーションは手術成績にも影響することを念頭に置いて行う. |