聴覚検査による伝音難聴と感音難聴の鑑別 |
松平登志正 |
伝音難聴と感音難聴は,一部の例外を除き,純音気導骨導聴力検査により正確に鑑別できるが,マスキングを含め適切な検査の実施が不可欠である. |
オージオメーターでできる検査 |
小林 一女 |
純音聴力検査以外に閾値上検査,語音聴力検査,自記オージオメトリーなどを行うことで,難聴の障害部位の診断が可能となる. |
他覚的聴力検査 |
井上 泰宏 |
他覚的聴力検査は新生児や乳幼児の聴覚検査や,心因性難聴,詐聴といった機能性難聴の診断には欠かすことのできない検査である.これらの検査の特徴や限界について解説した. |
補聴器適応のための聴覚検査 |
杉内 智子 |
補聴器適合には,純音聴力検査,語音弁別検査,不快適レベル検査などがある.これらを駆使して聴覚を評価し,特に補充現象,ラウドネスに留意し対応することが重要である. |
外来におけるめまいの検査 |
山本 昌彦ほか |
一般診療におけるめまい疾患の診断のために,ほとんど検査機器が無い状態でできる診断的価値の高い検査について示し,その方法と評価の仕方について示した. |
耳管機能検査 |
稲垣 彰ほか |
耳管機能検査は検査に間接的な指標を用いるものが多く,それゆえ原理や特性を理解することが重要である.本邦で一般的に用いられる耳管機能検査につき解説する. |
顔面神経麻痺の検査 |
中谷 宏章ほか |
顔面神経麻痺の診療に際し,もっとも基本的な検査法である柳原法を習得することにより,病因,障害程度,後遺症診断等,多くの有用な情報を得ることができる. |
嗅覚検査 |
内田 淳ほか |
基準嗅力検査は域値を測定する検査であり,治療前後の効果判定や重症度の判定に有用である.静脈性嗅覚検査は閾値を知ることができ,予後判定に有効な検査法である. |
鼻腔通気度検査―いびき・睡眠時無呼吸の診断への応用― |
大木 幹文 |
鼻腔通気度検査は鼻呼吸障害の客観的評価法として重要である.睡眠時無呼吸症においては特に睡眠時の鼻呼吸障害を念頭に評価することが望ましい. |
鼻アレルギー検査 |
松崎 全成ほか |
検査には偽陰性,偽陽性があり,また抗原に感作されていても発症抗原になっていない場合もある.診断は問診を基本にし,臨床症状や他の検査もあわせて総合的に判断することが重要である. |
味覚検査 |
岡 秀樹ほか |
味覚において舌前部2/3を支配する鼓索神経は非常に重要であり,中耳手術での扱いでも注意が必要である.中耳手術後の味覚障害とその回復の過程を述べる. |
口腔乾燥症の検査 |
市村 恵一 |
口腔乾燥症の診断は唾液分泌量の測定のみでは不十分で,いろいろな検査を組み合わせて総合的に行うのがよい.問診と局所所見だけでもかなりの情報が得られる. |
睡眠時無呼吸症候群の検査 |
千葉伸太郎 |
簡易モニターは臨床症状とあわせ,閉塞性睡眠時無呼吸症候群に用いる.他の睡眠障害合併疑いは終夜ポリグラフ検査が必要.手術適応には覚醒,睡眠時の上気道評価が重要. |
嚥下障害の検査―嚥下機能検査― |
三枝 英人 |
嚥下障害の検査には,嚥下内視鏡検査,VTR嚥下透視検査,筋電図検査,嚥下圧検査がある.本稿では特に,嚥下機能検査として後三者について解説を行った. |
狭帯域光観察(NBI)内視鏡 |
加藤 孝邦ほか |
NBI内視鏡診断ではIPCLの集まったbrownish areaを視認し,領域性があることを確認し,境界では上皮化の樹枝状血管の消失があることが表在癌診断では重要である. |
頸部超音波検査 |
沼田 勉ほか |
唾液腺腫瘍,甲状腺腫瘍,副甲状腺腫瘍,頸部リンパ節病変,頸動脈疾患の手際良い診断には超音波検査がもっとも適しており,耳鼻咽喉科医師はこれに精通している必要がある. |
嗄声の検査 |
田山 二朗 |
嗄声の検査には様々な方法があるが,簡便な検査は日常臨床のなかで十分施行可能である.また喉頭ストロボスコピーの理解と施行は重要になる. |
耳鼻咽喉科感染症における病原体検査 |
小原 知美ほか |
病原体検査は培養にたよりがちであるが,すべての微生物が検出できるわけではない.起炎菌を推定し,的確な検査を組み合わせ依頼する必要がある. |
耳鼻咽喉科感染症疾患における血液検査 |
氷見 徹夫 |
耳鼻咽喉科感染症疾患で血液検査が役立つのは,ウイルス感染症での抗体検査である.特異的抗体測定が用いられ診断や病態,さらに免疫の有無を調べる目的で使われる. |
頸部腫瘤・腫瘍性病変の血液検査 |
鈴木 真輔ほか |
頸部リンパ節腫脹をきたす原因のうち,血液検査に特徴的な所見を呈する疾患とその特徴を述べる. |
耳鼻咽喉科内分泌疾患における血液検査 |
前田 一彦ほか |
耳鼻咽喉科医が日常診療で遭遇することの多い内分泌疾患,特に甲状腺疾患を中心に,その診断に必要な各種血液検査について,最近の知見も踏まえ述べる. |