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Monthly Book ENTONI(エントーニ) 218

Monthly Book ENTONI(エントーニ) 218

耳鼻咽喉科における新生児・乳幼児・小児への投薬―update―<増刊号>

守本倫子/編

978-4-86519-512-5 C3047

2018年4月

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定価5,940円(税込み)

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小児患者を多く診ていられるエキスパートの方々により、実際の臨床で遭遇する小児患者への対応、小児特有の耳鼻咽喉科疾患に対する薬物治療の最新知識などわかりやすく解説!!

目次

 I.小児用の薬物の取り扱い 
1.子どもへの薬の上手な飲ませ方 西海 真理
子どもの内服は発達段階に応じた方法で行う.その際,可能な限り不快な体験をさせない技術と子どものやる気を引き出すかかわりが内服支援の核となる.
2.薬剤剤形(シロップやドライシロップなど)の取り扱い 山尾 晶子ほか
小児に多く用いられる散剤やシロップ剤,ドライシロップ剤の特徴と注意点を中心に,薬剤同士や食品などと相互作用を起こす薬剤,小児の薬剤誤飲について述べる.
3.小児の検査で使用する鎮静方法 遠山 悟史
小児では鎮静に伴う有害事象の危険性が高いため,安全な鎮静を行うためには鎮静薬の適切な使用方法を知るだけでなく,鎮静を行うための環境整備が重要となる.
 II.症状から処方する薬物 
1.透明の鼻水が止まらない 増田佐和子
急性ウイルス性上気道炎には生活管理と対症療法を行う.アレルギー性鼻炎の薬物療法の主軸は第2世代抗ヒスタミン薬と鼻噴霧用ステロイド薬である.家庭での鼻汁吸引も大切である.
2.鼻がつまっていつも口を開けている 兵  行義ほか
ヒトは鼻呼吸を行うことは重要であり,鼻は呼吸器系の入り口である.成人では口呼吸を行うことはあるが,小児では解剖学的に難しく,それにより様々な弊害を引き起こす.
3.黄色い鼻水と咳がでる 森  恵莉
小児鼻副鼻腔炎の薬物療法は,耐性菌予防のため,抗菌薬の乱用は避け,重症度と体重を考慮して投薬を調整する.細菌学的検査による起因菌確認は,治療選択のうえで重要である.
4.下痢や便秘 清水 泰岳
耳鼻咽喉科医が日常診療で遭遇しうる,小児に下痢・便秘をきたす疾患について,除外すべき疾患および投薬の際の注意点を概説した.
5.湿疹,皮膚の発赤 野崎  誠
耳の皮膚疾患の見分けるポイント.それは左右差を確認すること.顔や四肢などの皮膚を確認することである.洋服をめくればそこに疾患鑑別のヒントが現れる.
6.鼻出血 井上 真規ほか
小児の鼻出血は鼻いじりが原因であることが多い.圧迫止血で容易に止血可能であり再出血予防には養育者への止血指導が重要である.また全身疾患による鼻出血では全身療法などの止血治療も考慮する.
7.嘔吐,摂食嚥下障害 益田  慎ほか
乳幼児の習慣的な嘔吐の原因として空気嚥下症と胃食道逆流症を挙げることができる.空気嚥下症には摂食嚥下機能のハビリテーションが,胃食道逆流症には薬物療法が主体となる.
 III.耳鼻咽喉科疾患に対する薬物療法 
1.急性中耳炎 工   穣
小児急性中耳炎は診療ガイドラインにある鼓膜所見と臨床症状による重症度分類に基づいて推奨される抗菌薬と投与期間があり,適正な抗菌薬使用が求められている.ワクチンによる予防も重要である.
2.滲出性中耳炎 伊藤 真人
小児滲出性中耳炎には鼻副鼻腔炎,急性中耳炎,アレルギー性鼻炎などが合併する割合が高く,それら周辺病変に対する治療を行うことは重要である.
3.慢性中耳炎 松澤 真吾ほか
慢性中耳炎の保存的治療は,合併症予防や聴力改善のための手術加療を前提とした消炎治療であり,漫然とした抗菌薬の使用は起炎菌の耐性化を助長するため慎む必要がある.
4.外耳道炎 有本友季子
外耳道炎は日常診療でよく遭遇する疾患であるが,小児に特有な特殊疾患が原因であるものもあり,各疾患の特徴,診断,治療について述べる.
5.めまい(小児)薬物治療 五島 史行
小児におけるめまいは3歳前後からみられるようになる.最も多いのは良性発作性めまい症である.年齢があがると片頭痛関連めまいの頻度が高くなってくる.
6.顔面神経麻痺 馬場信太郎
小児の顔面神経麻痺において,重症例にはステロイド投与が推奨される.また,小児症例でもZSHが少なからず存在するため,抗ウイルス薬の併用が有用である.
7.急性難聴 藤岡 正人
小児の急性感音難聴でも早期のステロイド投薬を行うが,心因性難聴の頻度が高いため,診断には他覚的検査を組み合わせる.先天奇形や遺伝性難聴の急性増悪の鑑別も要する.
8.化膿性耳下腺炎・流行性耳下腺炎 樫尾 明憲
流行性耳下腺炎では対症療法および合併症併発の確認を行う.細菌性の場合,抗菌薬の投与を行うが,急性化膿性耳下腺炎では膿瘍形成に至ることもあり注意を要する.
9.ガマ腫・唾石症 鈴木 貴博ほか
ガマ腫に対する治療として手術と硬化療法およびその効果について述べた.顎下腺唾石症に対する治療として保存的治療と手術について述べた.
10.口内炎
橋本亜矢子ほか
小児の口内炎は,その原因によって特徴が異なる.一般的には外傷とウイルス感染が多い.
11.急性咽頭炎・周期性発熱症候群(PFAPA症候群) 原 真理子
ウイルス感染症は,ウイルスの種類によって特徴的な咽頭・扁桃所見や流行性がある.治療は対症療法が基本で,感染予防策が必須である.
12.急性喉頭炎・急性喉頭蓋炎 大村 和弘
急性喉頭蓋炎,クループは上気道狭窄をきたし,直ちに気道確保を必要とする疾患である.実際に侵襲的気道確保が必要となった症例を提示し,初期治療に関してアルゴリズムを用いて説明する.
13.急性咽頭扁桃炎,伝染性単核球症,扁桃周囲膿瘍 木下 典子
急性咽頭扁桃炎の多くは,ウイルスによるもので自然軽快する.診療する機会の多い溶連菌性扁桃炎に対する薬物療法,伝染性単核球症に対する管理・治療方法を中心に述べる.
14.頸部リンパ節炎,深頸部感染症,咽後膿瘍 大原 卓哉
小児深頸部膿瘍の起因菌はS. aureusS. pyogenesが主体であり,それに口腔常在嫌気性菌の混合感染が考えられるため,好気性菌と嫌気性菌の両方に抗菌活性をもち,β-lactamaseに耐性のある抗菌薬が推奨される.
15.亜急性甲状腺炎 小森  学
小児の急性甲状腺炎,亜急性甲状腺炎の疾患概念と原因となる下咽頭梨状陥凹瘻の診断,保存的治療,手術的加療について概説した.
 IV.合併症のある子に対する投薬 
1.抗てんかん薬を内服している場合 寺嶋  宙
バルプロ酸使用時はカルバペネム系抗生剤が禁忌.マクロライド系抗生剤併用により一部の抗てんかん薬の血中濃度が上昇.抗ヒスタミン薬が必要な時は非鎮静性のものを選択.
2.原発性免疫不全症や移植後の免疫抑制薬服用中の小児に対する投薬 河合 利尚
障害される免疫応答によって,免疫グロブリン定期補充療法や抗生剤の予防内服が選択される.マクロライド系抗生剤は,カルシニューリン阻害薬と相互作用を示す.
 V.他科と共同でみていく疾患 
1.血管腫 松島 可奈ほか
血管腫は血管内皮細胞の腫瘍性増殖を主態とする病変であり,治療の第一選択はプロプラノロールの内服である.気道近傍の病変や巨大病変の場合には特に注意が必要である.
2.髄膜炎 南 修司郎
日本では,2008年にヘモフィルスインフルエンザ菌b型ワクチン,2010年に肺炎球菌ワクチンが導入され,その侵襲性感染症の割合が急激に減少しつつある.
3.先天性サイトメガロウイルス感染 安達のどかほか
母子感染として注目されている先天性CMV感染症の診断や治療に関する最近の知見と解決すべき課題,さらには我々の試みたスクリーニング法について紹介する.

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