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PEPARS(ペパーズ) 78

PEPARS(ペパーズ) 78

神経修復法―基本知識と実践手技―

柏 克彦/編

978-4-88117-527-9 C3047

2013年6月

pe0078

定価3,300円(税込み)

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目次

I.神経修復に関わる診断・検査法
1.顔面神経―顔面神経麻痺に対する神経再建の術前診断・術後機能評価―
田中 一郎ほか
顔面神経麻痺の神経再建の術前診断・術後機能評価として行われる,顔面運動評価法や電気生理学的検査(筋電図検査)につき述べる.
2.四 肢 鳥谷部荘八
四肢末梢神経損傷(上肢)に関わる診断・検査法について,形成外科医が日頃よく遭遇する疾患について述べた.特に絞扼性神経障害では鑑別診断が,外傷性(開放性および閉鎖性)神経損傷では術前後の理学所見と筋力検査,感覚機能検査が重要である.
II.神経修復に関わる手術手技
1.末梢神経縫合―端々縫合と端側縫合― 橋川 和信
末梢神経縫合は決して難しい手技ではないが,よりよい成績を得るためには,末梢神経の解剖・生理・病理,神経軸索の再生過程を理解し,軸索再生を促すような縫合を心がけることが大切である.
2.神経剥離術・その他 柴田  実
1) 神経剥離術,特に神経外剥離術(external neurolysis)は神経幹周囲外部からの圧迫障害による神経障害の改善に有効である.神経束間剥離術はむしろ有害と考えるべきである.
2) 絞扼性神経症候群は正しい診断が重要で,手根管症候群には手根管切開解放術を,肘部管症候群にはOsbone靱帯切離法かこれに加えて皮下前方移行術を行うことが基本である.
3) 断端神経症の原則は完全あるいは部分的に断裂した神経を適切に修復することにある.
4) 橈骨神経知覚枝などでは縫合部にチュービングを行うと神経腫の形成を最小限にできる.
5) 断端神経症腫は断端形成時の初期治療が重要である.
6) 有痛性断端神経腫は周囲組織から剥離し,深層筋肉内もしくは骨内に移動,固定する.
3.神経移植
 遊離神経移植 上田 和毅
●移植神経の種類
●神経移植の適応
●小皮膚切開での腓腹神経の採取法
●cable graft,reversed nerve graft,interfascicular nerve graftingの意味
 血管柄付き神経移植:遊離&有茎神経弁移植 光嶋  勲
これまでに多数の神経移植法が報告されている.それらの中で神経幹の栄養血管に注目した神経弁の概念を応用した有茎神経移植,島状神経移植,神経交叉法,神経束turnover法,遊離血管柄付き神経移植などに関してその有用性を重点的に述べた.
 血管柄付き前腕皮神経移植 大成 和寛ほか
皮弁をデザインする部位や挙上時,最初に皮切を加える部位は重要である.また神経の探索の際は神経の栄養血管を考慮して剥離を行う.
 血管付き大腿神経移植術 山田  潔ほか
大腿神経と外側大腿回旋動脈下行枝との結合部分は最低3cm程度剥離せずに残すことで自由度が高く血行の良い神経移植が可能となる.神経は末梢側にできるだけ長く採取することがコツである.
 血管柄付き腓腹神経移植―腓骨動脈皮枝・後脛骨動脈筋肉貫通枝を茎とする場合― 坂本 相哲ほか
血管柄付き腓腹神経移植は,瘢痕などの悪条件な移植床への移植が可能であり,軸索の再生も早く,良好な回復が期待できる.同時に皮膚の再建も可能であることが本法の特徴である.
 血管柄付き腓腹神経移植―腓腹筋穿通枝・浅腓腹動静脈を栄養血管とする場合― 柏谷  元ほか
バリエーションに富む下腿後面の神経・血管解剖を十分に理解し,挙上途中に血管柄を随時取捨選択することで,血管柄付き腓腹神経の安全な採取が可能となる.
III.神経修復の実際
1.顔面神経欠損(耳下腺癌切除時の顔面神経即時再建) 古川 洋志ほか
端側神経縫合は,ネットワーク型再建の分岐部を作成する重要な手法である.ネットワーク型再建により複数の神経力源が一つの筋体を支配する再建(neural signal augmentation)や,単一の神経力源が複数の筋体を支配するような再建(neural signal distribution)が可能である.
2.四肢神経欠損 河村 健二ほか
四肢神経欠損の修復法は,通常の遊離神経移植だけでなく,血管柄付き神経移植,皮弁付き神経移植,静脈架橋などを用いた方法があり,個々の症例に応じて最適な手術手技を選択することが重要である.
IV.神経修復後の術後管理
1.顔面神経修復後の術後管理 朝戸 裕貴ほか
神経縫合や神経移植による顔面神経修復後のリハビリテーションは病的共同運動による顔面拘縮を防止することが重要な目的であり,表情筋のマッサージと鏡を見て表情をつくる方法が行われる.
2.四肢(上肢) 成澤 弘子ほか
緊張下縫合の場合3~4週外固定,他動伸展は8週後とする.術後はVit B12投与を行う.疼痛に対しては鎮痛剤投与とdesensitizationを行い,CRPSの併発に注意する.機能回復に筋のバイオフィードバックと知覚再教育を行う.

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ISBN:978-4-88117-518-7 C3047
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