骨欠損への対応―骨・人工骨移植,骨延長・再生―
清川兼輔/編
978-4-88117-464-7 C3047
2007年5月
pe0015
定価3,300円(税込み)
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1.各種ドナー部位における採骨のコツと特性 | |
1)遊離骨移植(頭蓋骨,肋骨,腸骨,その他) | 赤松 順ほか |
骨移植時,ドナー部位の選択は,特性を十分に考慮して決定する.また,採骨に際しても,それぞれの骨の特性を考慮し,局所解剖および採骨手技,採骨道具を熟知した上で行うことが重要である. | |
2)血管柄付骨移植 | |
a)腸 骨 | 田中 克己ほか |
深腸骨回旋動静脈を利用した血管柄付腸骨移植について,臨床解剖と安全に挙上するために必要な手術手技を記載した.腸骨の有用性や問題点ならびに適用を考える上で重要となる. | |
b)腓 骨,c)その他 | 鈴木 康俊ほか |
血管柄付腓骨と血管柄付肋骨を挙上する際に参考となるように,解剖,骨と周囲の血行動態ならびに手術手順について述べた. | |
2.各種人工骨の特性と手術のコツ | 小室 裕造 |
ハイドロキシアパタイトは,骨の無機成分に近い組成を有する優れた人工骨である.形態は固形,ペーストがあり,変形や欠損に応じ両者を使い分け,また適切な使用法を守ることで,骨採取の犠牲のない骨再建が可能となる. | |
3.再建部位による材料の選択と移植のコツ | |
a)頭蓋骨 | 力丸 英明ほか |
移植骨と移植床との間に死腔を生じないことが重要である.そのためには,硬膜や脳の膨らみの程度によって,適切な再建材料と再建法を選択する. | |
b)上顎骨 | 小山 明彦ほか |
上顎の硬性再建においては,機能的,整容的再建の観点から,maxillary buttress概念に基づいた病態把握,再建術式および再建材料の選択が重要である. | |
c)下顎骨 | 多久嶋亮彦ほか |
下顎再建において合併症を回避し,機能的,整容的に優れた再建を行うためには,下顎骨自体の欠損部位,範囲のみならず,それに伴う軟部組織欠損範囲に注意を払う必要がある.特に,悪性腫瘍切除後の再建には血管柄付き遊離骨・骨皮弁の有用性が高いが,欠損範囲に応じた再建材料を選択する必要がある. | |
d)四肢,手指骨 | 亀井 譲ほか |
骨移植,特に四肢の遊離血管柄付き骨移植では,骨の固定や,血管吻合に苦労する.手術の手順や,血管吻合のポイントについて述べる. | |
4.骨延長の適応とコツ | |
a)頭蓋・眼窩領域―頭蓋形成(拡大)術における骨延長 | 今井 啓介 |
頭蓋形成(拡大)術において従来法の概略を述べたうえで骨延長法の適応,手技の詳細とコツ,術後経過をみる上で骨欠損部の修復過程についてCTおよび単純X線の画像所見を述べる. | |
b)上・下顎領域 | 三川 信之ほか |
上・下顎領域の骨欠損・変形の治療において骨延長は非常に有用な方法であるが,その適応年齢や術式,デバイスの選択など治療方針について十分検討することが重要である. | |
c)四 肢 | 宮脇 剛司 |
骨延長器の選択や装着時の要点を述べた.四肢骨延長では完全な骨切り,延長器装着後に抵抗なく4~5mm程度の延長が行えるか確認する.仮骨延長では初期延長しないことが肝要である. | |
5.骨再生の実際と展望 | 楠本 健司 |
骨伝導過程での骨再生を導く多血小板血漿(PRP)と骨誘導過程での骨形成タンパク(BMP)や脂肪組織幹細胞(ASCs)からの骨誘導および骨再生の将来展望につき述べる. |