口蓋裂初回手術のコツ
保阪善昭/編
978-4-88117-460-9 C3047
2006年9月
pe0011
定価3,143円(税込み)
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Intravelar Veloplasty法 | 朴 修三 |
口蓋形成術を行う上で最も重要なのは,裂の確実な閉鎖と口蓋筋群(口蓋帆挙筋や口蓋咽頭筋など)の十分な後方移動とmuscle slingの再建である. | |
Furlow法 | 宇田川晃一 |
Furlow法を行うにあたり筆者が注意している点について手順に沿い具体的に紹介し,裂幅の広い症例に対しても術後に硬口蓋に粘膜の欠損による瘢痕形成を残さない方法についても紹介した. | |
硬口蓋前方骨膜を温存した粘膜骨膜弁変法 | 土佐 泰祥ほか |
口蓋裂に対して,顎発育を考慮して,硬口蓋前方の骨膜を温存して粘膜弁とした粘膜骨膜弁変法に加え,前方に人工真皮を貼付する口蓋形成術について提示する. | |
粘膜弁法(上石法) | 松永 和秀ほか |
口蓋粘膜弁法の手術手技を具体的に解説した.本法は,術後の軟口蓋側壁の瘢痕拘縮の防止に主眼をおき,短い口蓋粘膜弁の利用を取り入れた無損傷的手術手技である. | |
粘膜移植粘膜弁法 | 鳥飼 勝行ほか |
粘膜移植粘膜弁法は顎発育のみならず瘻孔発生率,言語成績も従来のpush back法に比較してよい.すべての創面を粘膜移植により覆い,raw surfaceを生じない術式の効果である. | |
頬粘膜弁を利用したpush back変法 | 井川 浩晴ほか |
正常な構音・言語の獲得とともに顎発育を考慮した口蓋裂初回手術として,硬口蓋前方・側方のraw surfaceに骨膜を残すpush back変法に,硬軟口蓋境界部に加えた横切後の鼻腔側粘膜欠損部を頬粘膜弁で閉鎖する術式を我々は採用している. | |
披裂縁粘膜筋弁を利用した口蓋形成術 | 緒方 寿夫ほか |
本術式の基本は,push-backを積極的に行わず硬口蓋前方に生じる組織欠損を最小限度にとどめたtwo flap palatoplastyである.硬口蓋部で挙上する粘膜骨膜弁は裂の閉鎖に用い,軟口蓋部ではintravelar veloplasty(IVV)を行い筋束の後方授動を確実にする.この際生じる軟硬口蓋境界部鼻腔側粘膜欠損には披裂縁粘膜筋弁(marginal musculo-mucosal flap:3M flap)を補填する. | |
Perko法による二段階口蓋形成術 | 内山 健志ほか |
本二段階口蓋形成手術の成否は,ひとえに初回に行われる軟口蓋形成術にかかっているといって過言ではない.したがって,軟口蓋形成術における手術手順のうち,口蓋粘膜弁の作製,aponeurosisの処理,口蓋帆挙筋の筋輪形成を兼ねた粘膜下組織の埋没縫合の箇所などを熟読していただきたい. | |
切歯動脈島状弁併用によるpush back法 | 三村 保 |
切歯動脈島状弁は前後径を長く幅を狭く設定する.口蓋骨の側方部・前方部には骨膜を残し瘢痕拘縮を予防する.口蓋腱膜に付着する口蓋筋を切離し両側の筋束を鼻腔側Z形成の後方で縫合して筋輪を構築する. | |
Furlow法を応用した二期的口蓋裂手術 | 西尾順太郎ほか |
唇顎口蓋裂患者の顎発育と言語機能の両面を充足することを目的に,生後12か月時の軟口蓋閉鎖と生後18か月時の硬口蓋閉鎖からなる,新たな二期的口蓋裂手術を考案した.本法の特徴は軟口蓋閉鎖にFurlow法を用いることと,硬口蓋閉鎖を生後18か月時の早期に行うことである.本治療法を適用した片側完全唇顎口蓋裂患者における4歳時の評価では顎発育および言語面とも良好な成績が得られた. |