メニエール病とその周辺疾患
鈴木 衞/編
978-4-88117-429-6 C3047
2007年10月
en0081
定価2,640円(税込み)
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メニエール病の疫学と環境因子 | 大貫 純一ほか |
厚生労働省班研究結果を基に,メニエール病の疫学,環境因子について概説する.また,メニエール病患者の特異な行動特性についての知見も述べる. | |
メニエール病の神経耳科学的所見 | 室伏 利久 |
メニエール病では,聴覚検査・平衡機能検査ともに病期によって様々な所見を呈する.また,各種の内リンパ水腫推定検査がある. | |
メニエール病の薬物療法と生活指導 | 関根 和教 |
メニエール病の薬物療法のエビデンスとその原著論文を示し,エビデンスに基づく治療法の選択例を示した. | |
メニエール病の再発―EBMに基づいて― | 土井 勝美 |
メニエール病再発についてEBMに基づいて論ずるためには,double-blind,randomized,placebo-controlled studyからの良質な情報の蓄積が不可欠である. | |
メニエール病の手術治療 | 内藤 泰ほか |
保存的治療で軽快しないメニエール病例に手術治療が有効である.めまいの制御では前庭神経切断術が勝るが,内耳機能を温存するという点では内リンパ嚢開放術が優れている. | |
両側性メニエール病 | 柿木 章伸 |
メニエール病の病理組織学的特長は内リンパ水腫であるが,発症機序に関しては不明である.近年内リンパ水腫と抗利尿ホルモンの関連が報告されているが,これらの研究成果を紹介するとともに,両側性メニエール病の特徴と治療方法について述べる. | |
メニエール病の経過と予後 | 將積日出夫 |
メニエール病は,初発症状から確実例への移行は一定でなく,症例により症状や予後は様々で,重症度についても自然寛解例から保存的治療に抵抗する難治例まで広範囲に及び,予後が異なる. | |
メニエール病と遅発性内リンパ水腫との関係 | 國弘 幸伸 |
メニエール病も遅発性内リンパ水腫も基本的病態は内リンパ水腫であると考えられている.ただし,遅発性内リンパ水腫は先行する一側の難聴を有する患者に生じるという点がメニエール病と異なる.遅発性内リンパ水腫患者において先行する一側耳の難聴の原因はウイルス感染と考えられている.そのウイルス感染に生じた潜在的な障害によって良聴耳の難聴,めまいが発現するようになったのが対側型遅発性内リンパ水腫ではないかと推測され,メニエール病の原因を探る上で興味深い. | |
メニエール病と低音障害型感音難聴との関係 | 長沼 英明 |
低音障害型感音難聴を予後良好な疾患と考える立場から,将来メニエール病に発展する可能性のある疾患ととらえ,その初回発作でも軽微ではあるが内耳に障害を残す可能性があり,発作のたびにその障害が蓄積されるという意識を持つべきではないだろうか. | |
内リンパ水腫をきたす疾患 | 水田 啓介 |
内耳梅毒,自己免疫疾患,慢性中耳炎,外リンパ瘻などの疾患ではメニエール病様の症状を呈し,グリセロール試験や蝸電図検査で内リンパ水腫が推定される症例がある. |