実践 脳卒中リハビリテーション<増刊号>
原 寛美/編
978-4-88117-335-0 C3047
2007年11月
mr0085
定価5,280円(税込み)
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<総 説> | |
急性期からの望ましい脳卒中リハビリテーションのデザイン化 | 原 寛美 |
急性期から効果的な離床,mobilizationなどの開始により,効果的な脳卒中リハビリテーションをデザインしていく方法論を具体的に示した. | |
脳卒中における神経組織の可塑性・再生に関する知見・総説 | 中村 健正 |
脳卒中後にみられる神経組織の可塑性および再生の特徴ならびに機能回復との関連について記述し,生体が有する可塑性,再生能力を促進する研究の現状にも言及した. | |
脳可塑性を促進するリハビリテーションプログラム | 畠中めぐみほか |
脳可塑性の証明や脳科学的な検証と関連づけたリハビリテーションプログラムを抜粋して概説する. | |
脳卒中リハビリテーションにおける運動学習とその治療戦略 | 長谷 公隆 |
代償に基づいた運動スキルの最適化は,麻痺肢機能を最大限に導き出すような運動療法の場面が設定できるか否かに依存していることを運動学習理論に基づいて解説する. | |
<各論1・診断・治療とリハビリテーション> | |
脳梗塞の病型診断と治療・リハビリテーション | 橋本洋一郎ほか |
脳梗塞急性期治療では神経症候と補助検査で臨床病型を診断し,積極的な治療とリハビリテーションを展開する. | |
出血性脳血管障害の病型と外科的治療,リハビリテーション | 青山 貴子ほか |
脳実質内出血(主に高血圧性脳出血),くも膜下出血の原因や病型および外科的治療を概説し,リハビリテーションを開始する際の留意点を述べた. | |
脳卒中診断における画像診断の進歩とリハビリテーション | 中川原譲二 |
拡散テンソルtractographyによる皮質脊髄路の画像化や123I-Iomazenil(IMZ)-SPECTによる不完全脳梗塞の画像化は,脳卒中後の機能回復を予測する方法として注目される. | |
急性期病院の脳卒中診療システム(SCU/SU)とケアマップ | 藤本 茂ほか |
急性期病院においては,rt-PA療法の的確な遂行,SUやSCUの整備,さらにはクリティカルパスによる効率的なチーム医療,早期リハビリテーションの推進が求められる. | |
<各論2・急性期リハビリテーション> | |
Stroke unitにおける急性期脳卒中リハビリテーション | 西川 順治ほか |
脳卒中ユニット(stroke unit)は,合併症による死亡率を軽減し,長期予後を改善するとされている.SUにおける急性期リハビリテーションについて解説し,その実践について具体例を挙げる. | |
脳卒中急性期リハビリテーションの離床プログラム | 滝沢 歩武ほか |
脳卒中急性期リハビリテーションプログラムにおいては,特に四肢のmobilization,早期離床が重要であり,また徹底したリスク管理のもとでの,質・量とも十分なリハビリテーションが求められている. | |
脳卒中急性期からの歩行獲得・下肢機能改善のプログラム・下肢装具処方 | 熊崎 博司ほか |
急性期における二次的合併症の予防から,早期離床,麻痺回復段階別の下肢装具を用いた歩行訓練と下肢機能改善のポイントについて述べる. | |
脳卒中急性期からの上肢機能改善プログラム―発症から2~3週の間で実施する上肢機能訓練,麻痺状態別― | 村山 幸照 |
過去に報告されている上肢機能改善プログラムの特徴と問題点について紹介.麻痺の状態別に,必要な視点と学習された不使用(learned nonuse)の予防に着目した具体的プログラムを提示した. | |
脳卒中急性期における摂食・嚥下障害の評価とリハビリテーション | 高橋 博達 |
本稿では,“摂食・嚥下アプローチの要点”に続いて,“経口摂取開始の判断基準と評価法”,さらに“摂食訓練の進め方”,“誤嚥性肺炎のリスク管理”について解説する. | |
<各論3・回復期> | |
上肢機能障害に対する新たな治療法 | 藤原 俊之 |
片麻痺上肢機能障害への新しい治療を概説.我々が開発したHANDS療法についても紹介する. | |
脳卒中患者の歩行分析と下肢装具処方 | 山本 澄子 |
健常歩行の特徴である立脚期の3つのロッカー機能の観点から,片麻痺歩行の特徴と短下肢装具の役割を述べ,歩行分析に基づいた装具処方の提案を行った. | |
構音障害・失語症の効果的な改善プログラム | 古木ひとみ |
脳卒中に伴う言語障害として,運動障害性構音障害と失語症について取り上げた.急性期から亜急性期以後の評価と治療アプローチに関して概説した. | |
脳卒中による失調症の評価とリハビリテーションプログラム | 鈴木幹次郎ほか |
運動失調の臨床的評価と客観的評価について概観した.また代表的なリハビリテーションアプローチ法についてまとめた. | |
急性期から回復期前半にかけての脳卒中リハビリテーションクリニカルパス | 駒井 雅美ほか |
入院時motor FIMによって分類した群ごとの回復過程を元に回復期前半に限定した脳卒中リハビリテーションクリニカルパスを作成したので概説した. | |
半側空間無視・注意障害の評価とリハビリテーションプログラム | 大沢 愛子ほか |
右半球脳卒中患者の半側空間無視について解説を行った.半側空間無視のリハビリテーションでは,無視症状のみにこだわらず,残存機能に対するアプローチも必要であると思われる. | |
脳卒中による記憶障害の評価とリハビリテーションプログラム | 貝梅 由恵 |
脳卒中に伴う記憶障害について,病巣や主症状を取り上げ,記憶障害の評価,認知リハビリテーションについて概説した. | |
<各論4・回復期後半~慢性期> | |
脳卒中リハビリテーションにおける薬物処方 | 小澤 恭子 |
脳血管障害の回復期,維持期にリハビリテーションの阻害因子となる精神神経症候と,その治療について述べる. | |
総合病院における望ましい回復期リハビリテーションシステムプログラム | 城井 義隆ほか |
もはや「リハビリテーション専門病院」だけで回復期リハビリテーション・アプローチを行うのではなく,急性期病院にこそ回復期リハビリテーション・システムが必要であることを述べていく. | |
回復期リハビリテーション病院・病棟の運営 | 山鹿眞紀夫ほか |
急性期-回復期-維持期病院・施設間でのface to faceでの連携を構築し,リハビリテーション病院は診療能力を高め,必要かつ十分な集中的リハビリテーション医療サービスを提供していく必要がある. | |
脳卒中患者に対する在宅リハビリテーションプログラム | 土田 昌一 |
在宅脳卒中患者のプログラムは,機能やADLだけでは維持できないものが多い.包括的診断の体制整備のうえで対応すべきである. | |
失語症患者に対する継続的指導と援助のあり方 | 森田 秋子 |
失語症患者の社会復帰を支援するために,失語症患者の回復の特徴と各ステージにおける支援のあり方について,関係者が理解を深めることが重要である. | |
脳卒中患者の心理的側面への継続的援助の方法 | 岡本五十雄 |
「頑張ってね」は,状況に応じて十分に使える言葉である.苦悩,落胆,希死念慮には,思うように機能しない上下肢の影響が大きい.障害を個性の一部と認めるのには,上肢能力が影響し,長い年月を要する患者が多い. | |
骨関節疾患を有する脳卒中患者へのリハビリテーション | 福田 寛二 |
片麻痺患者の歩行訓練を行ううえで,変形性膝関節症による膝関節痛は大きなリハビリテーション阻害因子となる.これに対して以前は消炎鎮痛剤や温熱療法が一般的であったが,最近は運動療法が推奨されている. | |
心疾患を有する脳卒中患者へのリハビリテーションプログラム | 牧田 茂 |
脳卒中患者が心疾患を合併している場合,循環器に関する知識が当然必要とされ,心肺運動負荷試験の結果が参考になる.動脈硬化性疾患の再発予防という観点から運動指導や生活指導を行うことが望まれる. | |
透析実施の脳卒中例に対するリハビリテーションプログラム | 太田 昭生 |
人工透析患者の特殊性を把握し,循環と栄養の安定が必須である.早期リハビリテーション訓練の開始と少量頻回に十分訓練することが必要である. | |
脳卒中患者の復職援助の具体的方法―職業リハビリテーションの立場から― | 田谷 勝夫 |
脳卒中を原因とする高次脳機能障害者の復職支援策である「職場復帰支援プログラム」の具体的方法を紹介し,その有効性を検証した. | |
日本脳卒中協会の活動 | 中山 博文 |
(社)日本脳卒中協会は,一般市民を対象とした予防と発症時の対応に関する講演会や新聞キャンペーン,患者・家族支援のための電話相談,体験記の募集などを行っている. | |
脳卒中の在宅診療 | 室積 正人 |
慢性期における在宅生活をしている脳卒中患者に対するリハビリテーション上のチェックポイントを述べた. |