腱板損傷の最小侵襲手術
菅谷啓之/編
978-4-88117-144-8 C3047
2007年9月
mi0044
定価3,080円(税込み)
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Editorial | 菅谷 啓之 |
腱板の臨床解剖―棘上筋と棘下筋の停止部の形態― | 秋田 恵一ほか |
腱板構成筋である棘上筋と棘下筋の大結節への停止部を解剖し,調査した.腱板断裂ではこれまで棘上筋の断裂が多いとされてきたが,今回の結果から棘下筋の重要性がより強調されると考える. | |
腱板断裂の自然経過 | 皆川 洋至ほか |
腱板断裂は加齢とともに頻度が増加するが,半分以上は無症候で腱板断裂そのものが疼痛とは直結しない.したがって,腱板断裂はひとつの“所見”ということになる. | |
無症候性腱板完全断裂の頻度 | 塩崎 浩之ほか |
両肩関節造影検査結果から,加齢に伴い無症候性腱板完全断裂が普遍的に存在することを示した. | |
腱板断裂に対する運動療法と成績 | 鈴木 一秀ほか |
腱板断裂に対する運動療法の考え方とポイント,治療成績を中心に詳述した.運動療法は個々の症例に適した訓練を選択することにより約80%の症例で良好な臨床成績が得られるが,断裂の大きな症例や疼痛・可動域の改善が2~3か月で得られない症例は手術加療を選択する事が望ましい. | |
肩腱板不全断裂に対する関節鏡視下腱板修復術 | 瀧内 敏朗 |
腱板不全断裂で断裂の深さが腱板の厚みの1/2を超えるものは鏡視下腱板修復の適応であり,その臨床成績,スポーツ復帰はともに良好である. | |
Dual-row法による関節鏡視下腱板縫合術―成績向上を目指して― | 小林 尚史 |
解剖学的な特徴を把握して,dual-row法を用いた正確な手術を行えば,断裂が大きくても良い成績が得られるが,その限界も知っておく必要がある. | |
大広範囲腱板断裂に対する鏡視下腱板修復術(一次修復) | 武田 浩志 |
大広範囲腱板断裂は腱板の引き込みと変性が強く一次修復には困難が伴う.腱板のmobilizationと修復のデザインを説明した.特にユニークな補助切開を入れる方法を述べた. | |
腱板広範囲断裂に対する鏡視下パッチ法 | 藤田 耕司 |
腱板広範囲断裂に対する鏡視下手術はopen法と同様,修復腱板の過緊張などによるcuff integrityの低下が危惧される.鏡視下パッチ法について,その術式,術後成績,利点,問題点について述べる. | |
肩甲下筋腱断裂に対する鏡視下手術 | 前田 和彦ほか |
肩峰下滑液包鏡視による肩甲下筋腱修復術は,様々なサイズの断裂に対応可能であり,ビューイングポータルとしての肩峰前角部ポータルの使用と,肢位の工夫により良好な視野の下での肩甲下筋腱縫合が可能である. | |
鏡視下腱板修復術の後療法 | 高村 隆ほか |
術後の後療法は疼痛管理が重要である.鏡視下手術は,術後の肩関節機能に与える悪影響を最小限に抑えることが可能なため,機能的改善が早く,後療法が進めやすい利点がある. |