爪外来治療のコツ
吉村光生/編
2007年3月
or2003
定価2,310円(税込み)
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爪の疾患 | 東 禹彦 |
爪の構造と機能について記した.全身疾患の初発症状として爪に現れる変化を記した.爪の構造と機能からみると,陥入爪の治療法としてアクリル人工爪療法が優れている.鈎弯爪,爪部の外傷の治療法も記した. | |
爪白癬,爪カンジダ症の診断と治療 | 白木 祐美ほか |
爪白癬の診断は,まず足白癬を正しく診断することが大切である.爪カンジダ症の診断は,注意深い鏡検で仮性菌糸を証明する. | |
ひょう疽・爪周囲炎―陥入爪を伴う場合を中心に― | 塩之谷 香ほか |
陥入爪は日常診療上よく遭遇する疾患であるが,治療に難渋することも多い.簡便で侵襲も少なく患者の満足度も高い,形状記憶合金ワイヤーを用いた治療方法とその応用を紹介する. | |
爪部の腫瘍 | 香月 憲一 |
グロームス腫瘍は激烈な発作性疼痛を伴う爪下腫瘍で,MRIが有力な補助診断法である.Mucous cystは腫瘍を広範に切除して皮膚欠損部に植皮を行えば再発率が低下する. | |
陥入爪の治療 | |
(1)外科的治療 | 立花 隆夫 |
保存的治療に反応しない重度の陥入爪に対しては鬼塚法あるいは児島法を行う.また,爪が高度に弯曲した巻爪に対しては児島式巻爪根治術を行う. | |
(2)母趾陥入爪に対するフェノール法の特徴と手術手技 | 米澤 幸平ほか |
フェノール法は,1985年頃より本邦に導入された.広い適応,手術操作と周術期管理の簡便性,術後の無痛性さらには根治性に優れ,今日においても母趾陥入爪の有力な治療法である. | |
爪・指尖部損傷 | |
(1)指尖部再接着術 | 中島 英親 |
Zone Iは指腹・爪があり,指の機能的・整容的にも重要である.可能な限り再接着するべきである.Zone Iの再接着は,挫滅が強い場合,引き抜き損傷の場合では,血管が吻合できても組織損傷が強く,血栓ができ,壊死に陥る場合が多い.しかし,動脈吻合のみでも指尖部にfish mouthを加えることで生着することが多い. | |
(2)Composite graft | 松村 一 |
爪部・指尖部損傷に対して再接着が選択されない場合,composite graftによる再建は,簡便でよい方法である.しかしながら,Allen type IIIが生着の限界で,これより中枢の切断では,各種の生着を高める工夫を要する. | |
(3)アルミホイル法 | 佐藤 和毅ほか |
指尖部損傷に対する保存的加療であるアルミホイル法について手技,筆者らの治療経験を述べた. | |
(4)人工真皮を用いた治療 | 宗内 巌ほか |
指尖部損傷に対する保存的治療のひとつである人工真皮治療を紹介した.本治療の意義について解説し,さらにはその適応(外科的治療と保存的治療の境界)についても言及した. | |
(5)有茎皮弁による爪・指尖部損傷の治療 | 橋本二美男 |
指尖部損傷や爪変形に対する種々の治療法の中で指交叉皮弁の適応は比較的限られている.皮弁の利点を最大限に生かすために最適な症例の選択と創意工夫が求められる. | |
(6)皮弁による治療 | 平瀬 雄一 |
痛みなく形の良い指尖部が再建されねばならないが,それには動脈皮弁による十分な組織の移行が有用である.しかし,注意点も多く,pitfallを中心に述べる. | |
(7)爪床移植 | 西 源三郎 |
外傷性爪床欠損には単独の爪床欠損と指尖切断に伴う爪床欠損があり,前者については爪床移植を中心に,後者については文献的考察を中心に詳述した. |