四肢のリンパ浮腫の治療
光嶋 勲/編
978-4-88117-471-5 C3047
2008年7月
pe0022
定価3,300円(税込み)
3営業日内ですぐに発送!
リンパ浮腫におけるリンパ管不全と術後の長期経過 | 光嶋 勲ほか |
リンパ浮腫ではリンパ管の平滑筋細胞の変性と再生によるリンパ還流機能障害が起こり,リンパ管炎によってリンパ管の閉塞消失が起き浮腫が増悪する.予防的または早期吻合術と圧迫の併用療法が有効である.重症例に対しては血管柄付きリンパ管移植などによるリンパ機能再建が必要であろう. | |
四肢リンパ系のマクロ解剖学 | 須網 博夫ほか |
本稿では形成外科医にとって卑近でないと思われるリンパ管に関する解剖学的研究の歴史を簡単に供覧するとともに,筆者の用いる古くて新しい研究手法とその得られた知見について紹介する. | |
ICG蛍光リンパ管造影法の実際 | 緒方 英ほか |
インドシアニングリーンを用いた近赤外線リンパ管造影法は四肢浅層のリンパ管評価に優れており非常に簡便かつ低侵襲な検査である. | |
下肢リンパ浮腫に対するMR Lymphangiography―ICG蛍光造影法との比較― | 佐久間 恒 |
下肢リンパ浮腫患者の術前評価としてMR Lymphangiography(MRL)を行い,術中ICG蛍光造影法によるlymphatic mappingとの比較を行った.MRL検査の詳細および臨床応用の実際とその有用性について述べる. | |
リンパシンチグラフィーによるリンパ浮腫の評価 | 前川 二郎ほか |
リンパシンチによりリンパ浮腫の重症度をST I~Vの5段階に分類した.ST I~IVの症例ではリンパ管静脈吻合術の吻合部位を術前に予測することが可能である. | |
IVaS法によるリンパ管静脈吻合―supermicrosurgeryの会得― | 成島 三長ほか |
リンパ管静脈吻合は,低侵襲で効果的な治療法であるが,スーパーマイクロの技術が必要である.このIVaS法を用いることにより,スーパーマイクロの技術を身につける一助になるよう手技に特化して述べる. | |
リンパ管静脈側端吻合術 | 大西 文夫ほか |
四肢二次性リンパ浮腫において,残存リンパシステムの犠牲が最小限で,逆流するリンパ液も含めて効率的なドレナージを期待できるリンパ管静脈側端吻合術が有用である. | |
リンパ管細静脈吻合術 | 吉村 光生 |
四肢のリンパ浮腫の治療として,リンパ管静脈吻合術は効果的な手術法である.手術の効果を上げるためには,腰椎麻酔下にて時間をかけ,できるだけ多くのリンパ管を吻合するのがコツである. | |
リンパ管静脈移植術(MLVI)と圧迫療法後の長期成績 | 古川 洋志ほか |
リンパ管静脈移植術(MLVI)と術後圧迫療法の併用は,その罹患期間や重症度によらず,上肢リンパ浮腫症例に幅広く適応可能で,有効な治療法である. | |
Untied Stay Suture法によるリンパ管静脈吻合とリンパ管静脈吻合術の有効性 | 長谷川健二郎ほか |
0.5mm以下のリンパ管静脈吻合にはUntied Stay Suture法が有用であり,その手術手技について紹介する.また,ICG蛍光リンパ管造影法導入後のリンパ管静脈吻合術の成績を評価した結果,70%に有効であった. | |
リンパ管細静脈吻合の適応―fibrolymphedemaについて― | 上田 和毅 |
線維化の進んだリンパ浮腫症例にリンパ管細静脈吻合が実際にどれだけ有効であるかを,過去10年程の間に行った手術症例をもとに検討した結果を紹介する. | |
リンパ管細静脈吻合術後の客観的評価の問題点と工夫 | 井上要二郎 |
リンパ管細静脈吻合術後の客観的な評価について再現性のある測定法,色素の吻合部通過による開存の確認,術前後のリンパ管シンチによる評価の際の基準点について述べる. | |
骨盤内リンパ嚢胞に対するリンパ管静脈吻合の応用 | 岩本 拓ほか |
リンパ嚢胞は,リンパ漏やリンパ浮腫および蜂窩織炎などを併発する厄介な術後合併症である.リンパ管静脈吻合のリンパ嚢胞への応用について述べる. | |
微小循環測定装置を用いた下肢リンパ浮腫の血行動態解析と手術予後判定 | 永竿 智久ほか |
リンパ浮腫患肢における末梢循環血流は必ずしも健常肢に比較して劣るわけではない.皮下血流はむしろ増加している症例もあり,その場合リンパ管―静脈吻合に対して良好な反応性が期待できる. |