
遊離移植の新概念 “血管網グラフト”PAT
宮永 亨/編
978-4-86519-939-0 C3047
2026年11月
pe0239

定価3,300円(税込み)
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| 遊離移植の新概念 “血管網グラフト”PAT | 宮永 亨 |
| ・PATは,深筋膜直上に存在する疎性結合組織で,豊富な微小血管網,細胞成分,細胞外マトリックス,成長因子,サイトカインなどを有する生物学的活性の高い組織である. ・PAT移植は,単なる組織充填ではなく,血管網そのものを移植して血流環境を再構築する“vascular network graft”という新たな遊離移植概念として捉えることができる. ・臨床では,骨,軟骨,腱,人工物などの乏血流・無血管組織露出創に対し,これらを温存しながら創床形成と治癒促進を図る低侵襲な再建法として応用されている. ・PATの応用は,PAT付き脂肪移植,peritenon再建,瘻孔・髄液漏閉鎖などへ拡大しており,さらにbFGFやNPWTとの併用によって血管新生,生着,創閉鎖を補助する発展的治療も可能である. |
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| PAT移植の基礎研究 | 宮永 亨 |
| ・PATは,微小血管網,CD34陽性細胞,ECM,成長因子を豊富に含む. ・PAT移植は,虚血組織上で肉芽形成と血管新生を促進する. ・Vascular bridgingにより,新たな血流経路が形成されると考えられる. ・PAT移植は創収縮を抑え,より生理的な創傷治癒を促す可能性がある. |
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| 虚血組織露出創への応用①:腱 | 右田 尚ほか |
| PAT移植は,腱や骨が露出した血流の乏しい難治性潰瘍にも生着し,腱や筋の動きに対する緩衝材(gliding surface)としても有用な低侵襲治療である. | |
| 虚血組織露出創への応用②:骨 | 大島 純弥 |
| 骨構造と骨血流を踏まえ,骨露出創へのPAT移植術の適応,限界,応用,具体的な臨床例について解説する. | |
| 人工物の露出や血流の乏しい組織への応用 | 中川 雅裕 |
| Perifascial areolar tissue(PAT)は,厚い深筋膜直上に存在する薄い疎性結合織の組織で,豊富な微小血管網と創傷治癒を促す間葉系幹細胞,サイトカインや増殖因子を含むため,血流の乏しい難治性創傷の治癒を強力に支える“生物学的足場(scaffold)”となる組織である.そのため,血流のある皮弁などでしか被覆できなかった,血流の乏しい腱や骨だけでなく血流を欠く金属プレートや骨弁の露出までも被覆することが可能となる. | |
PAT付き脂肪移植 |
宮永 亨 |
| ・瘢痕性癒着を解除した後の面状の軟部組織欠損に対し,皮膚と深部組織との間に柔軟な軟部組織層を再形成できる. ・骨性合指(合趾)では,骨分離後にPAT付き脂肪を移植することで,第2期手術時には骨面上に血流豊富な軟部組織床が形成され,安定した全層植皮の生着が得られる. |
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| 手足の外傷に対するPAT移植の適応と腱癒着防止への応用 | 山下 明子ほか |
| 腱や骨の露出を伴う手足の皮膚欠損創に対する低侵襲治療の選択肢としてPAT移植の応用について述べた.生着の過程で血行に富む組織が形成され,瘢痕拘縮や癒着を防止する効果も期待される. | |
| 瘻孔閉鎖・髄液漏封鎖への応用 | 権東 容秀ほか |
| PAT,SAT,SFはいずれも微小血管網を有する疎性結合織であり,瘻孔閉鎖や髄液漏修復に有用なvascular network graftとなり得る. | |
| Perifascial areolar tissue(PAT)移植におけるbasic fibroblast growth factor(bFGF)併用の役割と効果 | 岸田 紗里ほか |
| PAT移植は,腱・骨・人工物の露出範囲が広い症例では適応が限られていた.bFGFの併用により,従来は困難とされた広範囲の露出創にも適応を拡大できる可能性がある. | |
| 陰圧閉鎖療法(NPWT)を併用した一期的PAT・植皮術の手技と難治性創傷への適応 | 安倍 吉郎ほか |
| 骨や腱などの血行が乏しい組織が露出した難治性創傷に対し,周囲に良好な肉芽が形成されていれば,NPWTを併用した一期的PAT・植皮術は,低侵襲かつ機能を温存しながら上皮化が得られる手技である. | |

