入浴と水治療の科学―基礎医学から介護まで―
倉林 均/編
978-4-86519-962-8 C3047
2025年4月
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定価2,750円(税込み)
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日本で親しまれてきた入浴や水浴の医療応用について、専門家がリハビリテーションや健康増進など様々な観点から解説する特集です。入浴介助や入浴関連死についても記載しています。
入浴の生理学 | 大塚 吉則 |
入浴は生体機能に様々な影響を与えるが,中でも42℃,10分間の高温全身浴は心・循環器系に過大な負荷がかかり,40℃程度の微温浴がすすめられる. | |
炭酸浴の科学 | 前田 眞治 |
炭酸浴は早期の体温上昇など温熱作用が強い.高体温の刺激で免疫力向上やタンパク質の修復効果も認められる.炭酸浴は容易に利用可能で臨床応用も健康増進にも貢献できる. | |
循環器疾患の水治療 | 宮田 昌明 |
温浴の循環機能への作用機序として温熱による血管拡張作用,静水圧,自律神経への作用が重要である.温浴習慣により動脈硬化進展抑制効果や心血管疾患の発症低下が報告されている. | |
温泉療法と呼吸リハビリテーション | 藤井 昌学ほか |
呼吸リハビリテーションの標準治療に温泉療法を取り入れることにより,より有効かつ効率的なリハビリテーションを展開することが可能である. | |
神経・筋疾患に対する温水浴のリハビリテーション治療への応用 | 松元 秀次 |
温水浴は水治療の1つで,水の物理的作用とそれに伴う生理学的作用によって神経・筋疾患への有効性が示されている.リハビリテーション治療にとって大きな助けとなり得る. | |
障害者の入浴介助 | 前田 恭子 |
障害者の入浴に必要な評価,介助の方法,環境について説明する.入浴動作については,片麻痺患者を例に,10項目に分けて紹介する. | |
病院における入浴介助 | 南山 祥子ほか |
高齢者の入浴中の死亡事故が多い現在,医療者など多くの人が入浴による作用を知ることが重要である.本稿では入院中における患者の安全・安楽な入浴方法について解説する. | |
入浴関連死 |
美作宗太郎 |
入浴関連死を法医学の立場から概説する.解剖によりすべてが解決するわけではないが,単なる溺水ではないケースや,死亡状況の推測につながるケースもあることを紹介する. | |
安全な入浴法 | 倉林 均 |
熱い湯に肩までつかる入浴習慣は日本独自の文化であるが,入浴関連事故と関連している.そのメカニズムを解明し,科学的証拠を踏まえた安全な入浴法を提案する. | |
水泳と健康増進 | 田口 信教 |
人の体には素晴らしい回復力が宿っている.環境と鍛え方次第で無限の能力を持てるが,活用と刺激しないと本来の持っていた能力も失う. |