掌蹠膿疱症Bench-to-Clinic
大久保ゆかり/編
978-4-86519-691-7 C3047
2025年4月
de0359
定価2,860円(税込み)
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掌蹠膿疱症の病態や鑑別診断、多科診療連携による臨床応用と最新研究の現在を解説しました。
掌蹠膿疱症の病態 |
八束 和樹ほか |
現在までに明らかとなっている掌蹠膿疱症の病態について概説するとともに,新たなモデルマウスの可能性に言及する. | |
掌蹠膿疱症の病因と歯性病巣感染との関連性―エビデンスとしての口腔マイクロバイオーム研究― | 河野 通良ほか |
掌蹠膿疱症患者では歯性感染に関連した口腔細菌叢の変化がみられ,口腔内細菌と血中の炎症マーカーに相関が認められることから,両者の関連が示唆される. | |
掌蹠膿疱症の病因と喫煙 | 小林 景樹 |
喫煙刺激がIL-8,IL-17,IL-36を誘導することが報告されており,掌蹠膿疱症の病態に関与していると考えられる. | |
耳鼻咽喉科からみた掌蹠膿疱症の病態と診療連携 | 熊井 琢美 |
掌蹠膿疱症は代表的な扁桃病巣疾患であり,扁桃はその病態に深く関わる.扁桃摘出術は高い安全性と有効性が見込まれるため,有用な治療選択肢として考慮される. | |
歯科からみた掌蹠膿疱症の病態と診療連携 | 秋葉 陽介 |
医科と歯科の診療連携においては,相互の治療内容の理解が不可欠だと考える.今回歯科医師として,医科の先生方に,歯科治療と掌蹠膿疱症の関連についてご紹介したい. | |
掌蹠膿疱症の疫学と患者QoL | 阿部名美子 |
掌蹠膿疱症の疫学とQoL評価について,本邦と欧米やアジアとの差を比較しながら,現在までにわかっている遺伝子異常について解説する. | |
掌蹠膿疱症の皮膚症状と診断 | 葉山 惟大 |
掌蹠膿疱症は手掌,足底に発症し,膿疱と水疱が混在する.ダーモスコープが有用な診断ツールとなる. | |
掌蹠膿疱症の鑑別診断と病理組織学的特徴 | 杉田 和成 |
表皮内汗管付近に形成される水疱は,膿疱化水疱(pustulo-vesicle)を経て,単房性膿疱となる.PPPと湿疹との鑑別にはspongiosisの有無も参考になる.しかしながら,PPPの皮膚病理組織学的特徴は多岐に及ぶので,それらを組み合わせながら鑑別診断を行う. | |
掌蹠膿疱症の爪病変と掌蹠外病変 | 黒木 香奈 |
掌蹠膿疱症の爪病変は,患者のQOLを低下させ,乾癬の爪病変とは出現する症状の傾向が異なる.掌蹠外病変は臨床像,病理組織像ともに非特異的であり,他疾患との鑑別を要する. | |
掌蹠膿疱症性骨関節炎の診断と治療 | 辻 成佳 |
PAOの診断および治療について学びつつ,欧米でSAPHO症候群に代わるCNOという新しい概念が形成されつつあることを注意喚起したい. | |
掌蹠膿疱症の併存疾患と診療連携 | 西田 絵美 |
掌蹠膿疱症の併存症には,病巣感染や喫煙習慣が発症や症状悪化に関与し,自己免疫性甲状腺炎,糖尿病,精神科疾患などが治療に影響を与える.これらの併存症の適切な管理がPPP治療に重要である. | |
掌蹠膿疱症の治療Ⅰ―外用と病巣感染治療を中心に― | 小林 里実 |
掌蹠膿疱症において病巣治療と禁煙が治療の中心であり,外用療法は皮疹に対する大事な初期治療である. | |
掌蹠膿疱症の治療Ⅱ―内服・生物学的製剤など全身療法を中心に― | 山本 俊幸 |
掌蹠膿疱症の新規治療について概説した.抗TNF製剤を代表とする生物学的製剤によって掌蹠膿疱症が新規に誘発されたり,元々の症状が悪化することがあり,paradoxical reactionと呼ばれる. |