自律神経応答からみた肩こりの病態 |
城 由起子ほか |
肩こりの病態には,筋の過緊張(持続収縮)のような局所の器質的変化のみならず,作業時や運動時の自律神経応答やストレス応答の変調が関与していると考えられる. |
肩こりの疫学と病態について |
藤井 朋子ほか |
肩こりの病態や危険因子は解明されていないものの,不良姿勢やオーバーユースおよび心理ストレスに関連した交感神経活動の亢進がかかわっている可能性がある. |
肩こりの鑑別疾患―整形外科的立場から |
小林 洋ほか |
肩こりは原疾患が不明な原発性と,原疾患の明らかな症候性に分けられる.原発性の肩こりは,症候性肩こりの除外により診断される.整形外科からみた鑑別疾患につき述べる. |
肩こりの鑑別疾患:神経内科からみた肩こりの鑑別疾患 |
園生 雅弘 |
肩こりの原因疾患として最も多いのは片頭痛ないし緊張型頭痛などの一次性頭痛であり,特異的治療が可能である.頚椎症は頚肩部痛と同時に背部痛,上肢の痛み・しびれを呈するのが特徴である. |
肩こりに対する私のアプローチ法「枕の調節―理論と実践」 |
山田 朱織ほか |
肩こり・首の痛みに対する保存的治療の1つとして,就寝中使用する枕の調節について,これまで検証してきた理論を概説し実践方法を示す. |
肩こりに対するアプローチ法「神経内科からの視点」 |
堀内 正浩 |
肩こりの鑑別診断として,神経内科的には痙性斜頚が挙げられ,治療にはボツリヌス毒素療法が有効である.また,ハンガー反射が有効であるという報告もある. |
肩こりに対する私のアプローチ法「麻酔科からの視点」 |
富永 喜代 |
肩こりの問診ポイントと,ペインクリニック臨床医が考える安全で確実なブロック注射治療方法について読んで頂きたい. |
肩こりに対する私のアプローチ法「運動療法・理学療法の重要性」 |
竹井 仁 |
肩こりの原因が肩にあるとは限らない.特に筋膜の影響は大きい.ストレッチングやエクササイズの前に筋膜リリースが重要となる. |
肩こりの装具療法 |
北村 歳男ほか |
腕神経叢の過敏性を伴うなで肩症例への肩甲骨装具の適応,装着方法,治療成績について解説した. |
難治性肩こりへの対処―症例をまじえて― |
北原 雅樹 |
難治性の肩こりは他の多くの慢性疾患と同じく生活習慣病ととらえるべきである.したがって,治療の基本は患者の生活習慣の歪みを見い出し,根気よく矯正していくことである. |