I.上 肢 |
オーバーヘッドアスリート利き手側の反復性肩関節脱臼に対する鏡視下手術 |
高橋 憲正ほか |
オーバーヘッド競技における初回脱臼の受傷機転,利き手側の手術療法における注意点と後療法について解説する.また当院で行った症例の術後成績について述べ,症例を紹介する. |
コリジョンアスリートの反復性肩関節脱臼に対する鏡視下Bristow-Bankart法 |
鈴木 一秀ほか |
コリジョンアスリートの反復性肩関節脱臼に対する鏡視下Bristow-Bankart法の手術手技について詳述した.烏口突起の骨切り面中央に,骨切り面に対して垂直にスクリューを挿入することがポイントである. |
コリジョンアスリートの反復性肩関節前方不安定症に対する鏡視下手術 |
菅谷 啓之 |
若年コリジョンアスリートは術後再脱臼・再受傷のリスクが高いため,従来の鏡視下Bankart修復と腱板疎部縫合に加え,棘下筋腱と小円筋腱のfootprintを延長させるようにHill-Sachs remplissageを加える. |
後上方型腱板断裂に対する鏡視下手術 |
石田 康行ほか |
画像上の腱板断裂すべてが手術適応ではない.症状,社会的背景,これまでの反省から手術で改善する状態なのかの判断が重要である. |
前上方型腱板断裂に対する鏡視下手術 |
永澤 雷太 |
肩甲下筋は骨頭求心位のために大切な役割を担う.肩甲下筋断裂の修復は棘上筋・棘下筋のそれと比較し難易度は高いが,その修復は必須である. |
腱板大~広範囲断裂に対する関節鏡視下手術 |
小林 尚史 |
腱板大~広範囲断裂に対する関節鏡視下一次修復が成功するためには,適切な術前の診断と術中の判断,さらに正確な術式を行うことが重要である. |
肩関節腱板広範囲断裂に対する上方関節包再建術 |
三幡 輝久 |
修復困難な腱板断裂に対する鏡視下上方関節包再建術の手術手技と後療法のポイントを述べた.適切なサイズの大腿筋膜を移植することにより,術後再断裂の危険性が低くなり,術後成績は安定する. |
肩鎖関節脱臼に対する鏡視下手術 |
橋口 宏 |
烏口突起基部の鏡視は肩甲上腕関節内から行い,専用ドリルガイドを用いて鎖骨および烏口突起の骨孔を作製することで人工靱帯による烏口鎖骨靱帯再建術が容易となる. |
化膿性肩関節炎に対する鏡視下手術 |
安井 謙二ほか |
化膿性肩関節炎に対する関節鏡視下デブリドマンとペンローズドレーンによる開放性ドレナージおよび早期可動域訓練は,感染鎮静化と肩関節機能回復に有効である. |
変形性肘関節症に対する鏡視下手術 |
河合 伸昭ほか |
初期から中期の変形性肘関節症に対する鏡視下での遊離体摘出や骨棘などの余剰骨切除の手術手技のポイント,成績について解説する. |
上腕骨小頭離断性骨軟骨炎に対する鏡視下手術 |
鈴江 直人 |
終末期の上腕骨小頭離断性骨軟骨炎に対する鏡視下病巣郭清術について,実際の手技に沿ってコツや注意点を交えながら解説した. |
手関節鏡視下手術の適応と実際 |
中村 俊康 |
現在,手関節鏡は診断のみならず治療に応用され,その適応は旧来からのTFCC損傷に対する鏡視下部分切除術,関節リウマチを含む手関節炎に対する鏡視下滑膜切除術から鏡視下でのTFCC縫合術や舟状骨骨折の接合,関節拘縮に対する鏡視下授動,変形性手関節症に対する鏡視下部分手関節固定へと拡大している.本稿では手関節鏡視下手術の適応と近年盛んに行われつつある鏡視下TFCC縫合術について解説する. |
II.下 肢 |
半月板損傷に対する鏡視下手術 |
黒田 良祐ほか |
様々な半月板損傷に対する半月板切除術,半月板縫合術についてその手術適応,手術手技を述べる. |
外側円板状半月損傷に対する形成的部分切除と縫合術 |
津田 英一ほか |
小児期に多い円板状半月損傷に対する手術治療では,十分な鏡視野の確保と愛護的操作により合併症の発生を回避し,縫合術では各手技に精通し適切な選択のもと最大限の半月機能温存を目指す. |
解剖学的前十字靱帯再建術:膝蓋腱,膝屈筋腱を用いた再建法 |
前 達雄ほか |
膝蓋腱を用いた解剖学的長方形骨孔再建術やハムストリング筋腱を用いた解剖学的三重束再建法は,形態的だけでなく,生体力学的にも正常ACLに近似した再建法である. |
遺残組織を温存する解剖学的2束前十字靱帯再建術と再再建術 |
近藤 英司ほか |
経脛骨手技は,遺残組織の中を通して解剖学的位置に腱を移植するための合理的な手技である.再再建では,骨移植後,二期的手術により解剖学的2束ACL再建術を行うことができる. |
後十字靱帯再建術と前十字靱帯・後十字靱帯同時再建術 |
武冨 修治 |
膝屈筋腱を用いた解剖学的2重束後十靱帯再建術,および膝屈筋腱または大腿四頭筋腱を用い,大腿骨に2つの骨孔,脛骨に1つの骨孔を作成する後十字靱帯bisocket再建法について解説する. |
膝離断性骨軟骨炎・骨軟骨損傷に対する鏡視下治療 |
中前 敦雄ほか |
離断性骨軟骨炎に対しては逆行性ドリリングや骨軟骨片固定などの鏡視下手術の良好な成績が示され始めている.軟骨損傷に対するmicrofracture法は長期臨床成績が劣る可能性がある. |
膝蓋大腿関節障害に対する鏡視下治療 |
二木 康夫 |
鏡視下外側支帯解離術は,手技的には比較的容易であるが,適応は限定され単独で行われることは現在ほとんどない.MPFL再建術や修復術だけでは制御できない場合の追加術式として認められている. |
膝関節内骨折に対する鏡視下治療 |
渡邉 聡ほか |
膝関節内骨折では関節面の整復内固定および合併損傷に対する鏡視下手術が中心となる.これらに必要な基本術式を紹介する. |
膝関節滑膜病変に対する鏡視下アプローチ |
小林 正明ほか |
関節リウマチ,化膿性膝関節炎,色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS),滑膜(骨)軟骨腫症などに対する鏡視下滑膜切除術の適応,手技を中心に述べる. |
足関節軟骨損傷に対する治療 |
安田 稔人 |
鏡視下骨穿孔術(マイクロフラクチャー法)は,直径15 mm未満または150 mm2未満の病巣に対しては良好な短・中期成績が期待できる.自家骨軟骨移植術は骨軟骨採取部の痛みに注意を要する. |
足関節インピンジメント症候群に対する鏡視下手術 |
安井 洋一ほか |
本稿では,足関節前方インピンジメント症候群の概略,足関節鏡の基本手技,そして足関節前方インピンジメント症候群に対する手術手技について解説する. |
関節鏡の足関節外への応用 |
熊井 司 |
足関節後方インピンジメント症候群(有痛性三角骨や弾発母趾),アキレス腱滑液包炎(踵骨後部滑液包炎),足底腱膜症といった足関節外病変に対する鏡視下手術法の実際について紹介する. |
変形性足関節症に対する治療 |
倉 秀治 |
低位脛骨骨切り術の適応と術前後の関節鏡所見の重要性,鏡視下関節固定術の適応と術式の実際と工夫について述べた. |
股関節唇損傷,変形性股関節症に対する鏡視下治療 |
今井 教雄ほか |
近年,本邦でも股関節鏡視下手術が急速に普及してきている.本稿では関節唇損傷に対する主に当科で行っている関節唇縫合術,関節唇再建術および変形性股関節症に対する治療を紹介する. |
Femoroacetabular impingement(FAI)に対する鏡視下手術 |
大原 英嗣 |
FAIの股関節鏡視下手術では,詳細な画像診断と各々の病態に対する処置(骨軟骨切除や関節唇縫合術)を十分な関節包切開を行い良好な作業条件のもとで行うことが重要である. |
III.脊 椎 |
腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡的脊椎手術 |
粟飯原孝人 |
チュブラーレトラクターを適切に設置し,エアトームで黄色靱帯後方の椎弓を過不足無く切除する.吸引管を用いて硬膜を愛護的に押さえながら鉗子を使用し,過不足無くヘルニアを摘出する. |
腰部脊柱管狭窄症に対する脊椎内視鏡手術 |
南出 晃人ほか |
超高齢化社会とともに腰部脊柱管狭窄症に対する脊椎内視鏡手術の社会的ニーズは高くなっている.今回はその手術手技のポイント,合併症とその対策について解説した. |
頚椎疾患に対する内視鏡手術 |
中川 幸洋 |
頚部脊髄症に対する内視鏡下除圧術は片側進入両側脊髄除圧が特徴で,OPLL以外の頚椎症性脊髄症,椎間板へルニアにも適応がある.神経根症に対する内視鏡下手術とともに低侵襲で早期社会復帰を可能にする. |