外耳道炎・皮膚感染症 |
原田 保 |
耳介・外耳道を中心とした疾患および鼻癤に関して特に局所治療およびS. aureus,P. aeruginosaを起因菌と考えた抗菌薬治療を記載した. |
外耳・中耳真菌症 |
飯野ゆき子 |
外耳道真菌症ではアスペルギルス,カンジダが高頻度に検出され,ブロー液と抗真菌薬クリームによる局所治療が有効である.深在性の場合は更に経口抗真菌薬を投与する. |
急性中耳炎 |
山田 雅人ほか |
急性中耳炎の起炎菌の現状,診断,治療,予防について述べる.さらに,小児の反復性中耳炎,成人の難治性中耳炎としてムコーズス中耳炎の問題点と対策について言及する. |
慢性中耳炎 |
比野平恭之 |
耳漏の停止していない慢性中耳炎例における手術には,乳突削開を併用した外耳道保存鼓室形成術を適用する.局所処置と感受性のある抗菌薬の術前後における全身投与が重要である. |
滲出性中耳炎 |
高橋 晴雄 |
今回は滲出性中耳炎の診療のうちでもとくに保存治療と鼓膜チューブ留置の適応と抜去時期に重点を置いて解説した.日常臨床の参考になれば幸いである. |
中耳炎の合併症 |
東野 哲也 |
中耳炎合併症は頭蓋外合併症と頭蓋内合併症に分けられるが,合併症の重篤度に応じて原病巣と合併症への外科治療のタイミングを見定める能力が要求される. |
内耳の炎症性疾患 |
吉田 忠雄ほか |
最近になりMRIを用いた内耳の詳細な画像評価が可能となった.内耳炎の評価においてMRIは内耳の状態をよく反映し,治療や予後の予測に有用である. |
顔面神経麻痺 |
江崎 伸一ほか |
急性末梢性顔面神経麻痺は発症2週間以内に生じる神経変性の程度によって予後が決まる.麻痺の原因と病態,時期を考慮した治療の選択が重要である. |
急性鼻副鼻腔炎 |
林 正樹ほか |
2010年に作成された急性鼻副鼻腔炎診療ガイドラインに沿って,重症度に応じた急性鼻副鼻腔炎の推奨される治療法を解説する. |
慢性副鼻腔炎 |
出島 健司 |
慢性副鼻腔炎には複数の病態があり,正確に臨床像を判断し,個々の症例に最適な保存的,観血的治療法を遂行してゆくことが重要である. |
歯性上顎洞炎 |
佐藤 公則 |
歯科治療後の歯でも歯性上顎洞炎の原因歯として疑う.原因歯はその病態に応じて治療を行う.保存的治療に抵抗する歯性上顎洞炎は内視鏡下副鼻腔手術の良い適応である. |
う蝕に関連する耳鼻咽喉科疾患 |
五十嵐文雄 |
う蝕が進行し根尖部周囲組織に炎症が波及すると根尖性歯周炎となる.根尖性歯周炎がさらに拡大し,歯槽骨,顎骨内を進展,骨膜にまで及ぶと,口腔内,顔面,頸部などに多彩な病変を引き起こす. |
副鼻腔真菌症 |
鈴木 正志ほか |
副鼻腔真菌症の分類,診断,治療について解説する.とくに浸潤型・非浸潤型真菌症における手術の要点について解説する. |
副鼻腔炎の合併症 |
鴻 信義 |
急性副鼻腔炎に起因する眼窩内・頭蓋内合併症は,抗菌薬の投与と手術による排泄・副鼻腔炎の除去が必須である.副鼻腔真菌症も眼窩内・頭蓋内へ進展する事がある.抗真菌薬の強力な投与が肝要だ. |
上咽頭炎 |
杉本 寿史ほか |
上咽頭炎について,過去の文献をもとに概説する.また上咽頭炎および上咽頭細菌叢に対する上咽頭処置の有用性について考察した. |
咽頭炎・扁桃炎 |
坂東 伸幸ほか |
急性咽頭・扁桃炎診療のポイントは,咽頭痛,発熱を主訴に受診した患者に対し,問診と扁桃や咽頭の所見から重症度をスコア化し,重症度に応じた治療法を選択することである. |
口腔・咽頭のウイルス感染症 |
中田 誠一ほか |
口腔・咽頭のウイルス感染症にて主な起因ウイルスであるアデノウイルス,コクサッキーウイルス,単純ヘルペスウイルス,水痘帯状疱疹ウイルス,EBウイルスなどについて概説した. |
口腔・咽頭・喉頭の真菌症 |
嶋根 俊和ほか |
口腔・咽頭の真菌症の症状・分類,診断,治療を実際の症例を呈示し要点を述べる.特に喉頭の真菌症は稀といわれているが今回3例を呈示する. |
扁桃周囲膿瘍・深頸部感染症 |
菊地 茂ほか |
耳鼻咽喉科領域の重症感染症である扁桃周囲膿瘍,咽後膿瘍,深頸部感染症に対する治療戦略を記載した.特に深頸部感染症は種々の合併症により,対応を誤れば死に至る危険性のある疾患であるため,切開・排膿,気管切開,デブリードメントなどの外科的治療のタイミングを逸しないことが重要である. |
唾液腺感染症 |
吉原 俊雄 |
唾液腺感染症はウイルス性,細菌性の他,特殊感染症など多彩である.ムンプスと反復性耳下腺炎の鑑別の他,結核,HIV感染などの唾液腺疾患も存在し正確な診断が大切となる. |
急性喉頭蓋炎 |
黒野 祐一 |
咽頭痛を訴える患者では常に急性喉頭蓋炎を疑い,必ず喉頭所見を確認する.その際,なるべく喉頭ファイバーを用いるともに,常に気道確保の準備をしたうえで診療する. |
風邪症候群・喉頭炎・気管支炎(インフルエンザを含む) |
平林 秀樹 |
風邪は異なった種々のウイルスによって起こる“症候群”である.喉頭炎は,ウイルスや細菌感染により発症し,急性鼻炎や急性咽頭炎を合併する.音声酷使など物理的刺激,化学的刺激でも起こる.生命に問題となるのが,急性喉頭蓋炎と急性声門下喉頭炎である. |
嚥下性肺炎 |
兵頭 政光ほか |
嚥下性肺炎は嚥下障害患者の生命予後を左右する.発症機序としては夜間の不顕性誤嚥が重要で,口腔管理,嚥下リハビリテーション,外科的治療,薬物治療などによる対応が必要である. |
先天性頸部嚢胞・甲状腺の感染症 |
堀 龍介ほか |
先天性頸部嚢胞・甲状腺の感染症の治療はまず抗菌薬で感染を制御することであるが,根治治療を目指すには頸部の局所解剖を熟知して外科的切除に臨むことが肝要である. |
頸部リンパ節炎 |
森 一功 |
日常診療で遭遇することが比較的多い,急性,慢性,亜急性,結核性リンパ節炎と,伝染性単核球症,悪性リンパ腫について,症状や診断のポイントを述べた. |
頭頸部癌術後の感染症 |
峯田 周幸 |
手術部位感染の原因菌は皮膚の常在菌か唾液内の菌である.手術中の対応ではドレーンの挿入と固定が大切であり,術前から抗菌薬による予防的投与を行う. |
特殊感染症 |
余田 敬子 |
患者数が少ない,診断が困難,難治性のいずれかに該当する特殊な感染症として,梅毒,淋菌およびクラミジア感染症,結核,ジフテリアについて概説した. |