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Monthly Book Orthopaedics(オルソペディクス) 24/5

Monthly Book Orthopaedics(オルソペディクス) 24/5

運動器の痛み―その診断と治療―<増刊号>

牛田享宏/編

2011年5月

or2405

定価6,270円(税込み)

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目次

頚部痛の診断
竹林 庸雄ほか
頚部痛の原因としては,頚椎を構築する骨・関節・筋肉由来と,脊髄や神経根の神経組織由来がある.診察の基本は問診であり,理学所見,画像所見と併せて総合的に診断を行う.
脊髄損傷と脊髄障害性疼痛症候群 内田 研造ほか
脊髄に由来する痛みのメカニズムは多種多様であり,その治療に難渋する病態が存在する.本稿では脊髄損傷後の神経障害性疼痛および「脊髄障害性疼痛症候群」の現況・頻度について述べた.
肩関節拘縮と五十肩 岩堀 裕介
五十肩は,名称としては一般的な疾患でありながら,その病態については不明な点が多いが,諸家の報告を踏まえてその発症機序を整理してみた.とかく対症療法に終始しがちな治療方法のポイントについても概説した.
胸郭出口症候群と斜角筋症候群 井手 淳二
胸郭出口症候群の主症状は頚・肩・腕の痛みやしびれである.上肢症状の原因を腕神経叢の圧迫と牽引に分類し,治療も症状に応じて行う.
Entrapment neuropathy(足根洞症候群を含む) 矢島 弘毅
四肢の絞扼性神経障害の原因,症状,治療について述べた.障害を受けた神経や障害の部位によって特徴的な症状を呈することが多く,各疾患の特徴や症状を理解することが重要である.
手指および手関節の痛み 中村 俊康
手指と手関節の痛みを生じる疾患のうち,弾発指,TFCC損傷,DRUJ障害,舟状骨月状骨間靱帯損傷,SLAC wrist,月状骨三角骨間靱帯損傷について解説した.
脊柱の変形に伴う痛み(変性側弯症,強直性脊椎炎など) 田中 雅人ほか
脊柱変形は小児期に症状を呈さないが,加齢により変形が高度になり骨棘形成も加わると疼痛を生じる.その代表的疾患は腰椎変性側弯症,脊柱後弯症,強直性脊椎炎である.
椎間板障害と椎間関節痛―診断と治療― 大鳥 精司ほか
椎間板,椎間関節障害由来の腰痛の診断,治療方法としての局所ブロック,伝達経路に基づくブロック,サイトカイン療法を記載する.また,手術療法の適応を述べる.
腰椎分離症―診断と治療― 小坂 浩史ほか
当科では腰椎分離症はCT,MRIの両方を用いて診断している.初期は全例,進行期でもMRI T2脂肪抑制条件でpedicleが高輝度の症例は骨癒合が期待できるため,腰椎硬性体幹装具を最低3か月装着し,スポーツ完全中止を治療の原則としている.
梨状筋症候群の診断と治療 齋藤 貴徳
梨状筋症候群は体性感覚誘発電位を用いて診断すれば,従来考えられていたよりも頻度の高い疾患であり,本検査異常例に限定して治療を行えば,治療成績は良好である.
半月板・靱帯障害 朱  寧進ほか
半月板・靱帯障害による膝痛については,機械的な不安定性の評価と膝痛の由来となる組織の局在を圧痛点として把握し,手術治療,保存治療をすべきである.
変形性膝関節症 池内 昌彦
変形性膝関節症に伴う痛みは,一般に侵害受容性慢性疼痛である.重症例においては,膝関節局所のみならず神経系,心理社会的背景を含めた包括的アプローチが必要である.
股関節障害 園畑 素樹ほか
股関節痛の原因が股関節疾患によるものに限らないことと,股関節疾患が股関節部痛を伴うとは限らないことを念頭に入れて診療を行うことが大切である.
足と足関節の痛み―診断と治療― 平野 貴章ほか
足部・足関節の疼痛の治療には解剖学的特徴を考慮し診察に当たることが重要である.また,同一疾患でも痛みの部位や性質が経時的に変化することも考慮しなければならない.
関節リウマチと炎症性疾患―診断と治療のゴール 小嶋 俊久
現在の関節リウマチの治療キーワードは,早期診断,早期治療,寛解という治療ゴールである.早期診断で重要な他の疾患との鑑別についても概説した.
リウマチと炎症性疾患(SAPHO症候群も含めて)―外科的治療(特に脊椎)― 山田  圭
主な炎症性疾患として関節リウマチ,SAPHO症候群,強直性脊椎炎を挙げ,その痛みの性状と手術に至る病態,手術治療について述べた.
Enthesisアップデート 熊井  司ほか
Enthesisの障害(enthesopathy)の理解およびその治療は,enthesis自身と周囲組織を包括したenthesis organという捉え方でアプローチすることが重要である.
骨粗鬆症 恩田  啓ほか
骨粗鬆症による骨脆弱性を基盤として生じる骨折のうち,最も頻度が高いのが脊椎椎体骨折である.本稿では,椎体骨折について,骨粗鬆症による痛みのメカニズムとその治療法について紹介する.
筋痛の診断と治療 青木 吉嗣ほか
筋痛には侵害受容器を介在する急性疼痛と,神経系の可塑的異常が原因の慢性疼痛がある.筋痛は,脊髄・椎間板の異常,腱炎,関節炎などと誤診されることがあり,鑑別に注意する.
痛みを伴う末梢神経障害 森田ゆかり
痛みの原因となりうる代表的な末梢神経疾患を挙げ,その病態,特徴,診断のポイントについて解説する.
難治性神経障害性疼痛と幻肢痛 住谷 昌彦ほか
神経障害性疼痛は治療対象としての疾患と認識されなければならない.神経障害性疼痛の治療として脳可塑性を応用した神経リハビリテーションも研究が進められている.
手術後の痛み:瘢痕性の痛み 西上 智彦ほか
瘢痕性の痛みが生じる各疾患における成因,治療および予防法について概説し,さらに,これまで十分に明らかでなかった瘢痕性疼痛のメカニズムについて述べる.
視床痛と肩手症候群―診断と治療― 青木 可奈ほか
視床痛と肩手症候群は脳卒中後に起こる難治性疼痛として臨床上問題となることが多い.痛みを最小限にするため,発症早期の慎重な診断と病態把握にて適切な治療法を選択することが重要である.
線維筋痛症 三木 健司ほか
線維筋痛症は慢性痛症の中でも症状が多彩で,診断の際には合併する疾患の鑑別などが重要である.
低髄液圧性頭痛(脳脊髄液減少症)についての最近の知見―硬膜穿刺後頭痛,特発性および外傷性脳脊髄液減少症― 橋爪 圭司ほか
髄膜の破綻部からの髄液漏出の診断には,RI脳槽造影は偽陰性,偽陽性がともに多く不確実で,CT背髄造影での硬膜外液貯留の証明が最も確実である.
事故や労災と運動器の痛み(頚部痛を中心に)―事故や労災から発生した痛みの実態およびその対応方法について― 遠藤 健司ほか
骨傷のない頚部損傷において,外傷後の遺残性頚部痛の評価は難しい場合も多い.客観的資料を伴った後遺障害の評価が重要である.
天気と運動器の痛み 櫻井 博紀ほか
気象の変化により痛み,しびれ感などの症状が悪化する慢性痛患者は多い.気象変化により痛みが変化する要因として考えられるメカニズムを述べ,診断法および治療の可能性について述べた.
痛みの脳内機序 紺野 愼一
ストレス,不安,うつなどが存在すると,痛み刺激に対するphasic dopamineの反応性は低下し,十分なμ-opioidが産生されなくなり,痛みは増幅されていく.
運動器疼痛の精神・心理学的な問題 西原 真理
運動器疼痛の精神医学的・心理学的問題について概観した.治療には精神的問題への配慮と同時に整形外科的治療の継続が必要であり,また他科との連携づくりが大切であることを強調した.
薬物療法(プレガバリン,ガバペンチンおよびこれまでの薬物) 川口 善治
神経障害性疼痛に対して抗てんかん薬であるプレガバリンおよびガバペンチンが使用され,効果があったとされるエビデンスが報告されている.本稿では特にプレガバリンの詳細について記載した.
薬物療法(オピオイド) 橘  俊哉
急性疼痛である術後痛と神経障害性疼痛などの慢性疼痛におけるオピオイドの使用について述べた.
運動療法 村上 孝徳
個々の運動機能へのアプローチは生活機能訓練へ結びつけるべきものであり,そのためには痛みの部位・程度のみならず患者の心理状態,包括的な身体機能障害の程度,および生活環境を把握しておく必要がある.

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