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Monthly Book Derma(デルマ) 127

Monthly Book Derma(デルマ) 127

細菌・ウイルス・真菌感染症治療戦略<増刊号>

渡辺晋一/編

978-4-88117-576-7 C3047

2007年6月

de0127

定価5,830円(税込み)

目次

I.細菌感染症
小児の膿皮症 馬場 直子
SSSSと薬疹の鑑別.SSSSは口・鼻・眼周囲の発赤に始まり,頸,腋窩,陰股部から全身に潮紅が広がるが,薬疹は全身にまず多形滲出性紅斑様皮疹が出現し,それらが融合して広範囲の紅斑やびらんとなる点が異なる.
毛包の膿皮症 山崎  修ほか
毛包を主体にした感染症は多く,病因もさまざまである.疾患別にその治療戦略について概説した.
真皮から皮下組織の膿皮症 多田 讓治
蜂巣炎と丹毒は必ずしも区別できない場合もあるが,定型的丹毒は化膿レンサ球菌によるという認識は,的確な抗菌薬の選択上重要である.
壊死性筋膜炎,ガス壊疽 外山 知子ほか
壊死性筋膜炎は浅在性筋膜を主に炎症の場とする皮膚軟部組織感染症である.皮膚から皮下にかけて壊死をきたし,急速に進行するため早期診断・早期治療が必要である.
TSS,TSLS 山崎  修ほか
臨床症状に共通点が多いTSSとTSLSの両疾患の病態,病因,予後などの違いを把握し,治療戦略を立てなければならない.
MRSA感染症 渡辺 晋一
最近MRSAによる皮膚感染症が増えているが,ホスホマイシンやミノサイクリン,フルオロキノロンなどで対応できることが多いので,安易に抗MRSA薬を投与すべきでない.
Pasteurella multocidaなど人獣共通感染症 原  弘之
ペットや家畜,野生動物からヒトへ感染しうる人獣共通感染症は重篤な全身症状を生じることがあるため,注意が必要である.
皮膚結核 新見やよい
皮膚結核の診断のポイントは正確な臨床像の把握にある.抗酸菌染色,培養,遺伝子診断を併用して結核菌の検出に努める.治療は副作用に留意して多剤併用療法を行う.
非結核性抗酸菌症 澁谷修一郎ほか
臨床的に皮膚非結核性抗酸菌症を疑った場合,診断確定や治療法の選択に原因菌の分離,培養からDNA診断での同定が不可欠で重要である.
ハンセン病の診断・治療―最近のトピックス 石井 則久ほか
ハンセン病は主に皮膚と末梢神経に病変を形成する慢性抗酸菌感染症であるが,偏見と差別の歴史でもあった.日本では新規患者はほとんどなく年に7名程度である.
梅 毒 大西 誉光ほか
梅毒を後天梅毒と先天梅毒に分け,症状,診断,治療について述べた.
放線菌症,ノカルジア症 服部 尚子ほか
放線菌症は嫌気性放線菌を原因とし,ペニシリン系抗生剤が有効である.ノカルジア症は,好気性放線菌(ノカルジア)を原因菌とし,サルファ剤・ミノサイクリンが有効である.
EBMに基づいた抗菌薬の正しい使い方 五味 晴美
感染症診療では,「どの患者ホスト」が「どの部位」に「どの微生物」によって感染を起こしているかを明確に把握する(=確定診断をつける)ことが最も重要である.それにより,適切な抗菌薬を,適切な投与法で,適切な期間投与し終了することで,診療が完結される.
II.ウイルス感染症
単純疱疹 石地 尚興
成人の初感染例や性感染症の単純疱疹が増えてきている.抗ウイルス薬を適切に使用し,治療,感染予防に努める必要がある.
水痘・帯状疱疹 松尾 光馬
水痘・帯状疱疹では,非特異例での診断,合併症を生じた場合の治療など皮膚科医として習熟しておく必要がある.
ウイルス性疣贅 江川 清文
疣贅治療では,どの治療法が最良とは一概に言えず,症例や状況に応じて使い分ける必要がある.1つの治療法に固執すべきでもなく,治療法を変えた途端に治ることも多い.
手足口病 三石  剛ほか
手足口病の原因ウイルスであるエンテロウイルス71による感染症は脳炎,肺出血など重篤な合併症を引き起こすことがある.予防・治療ワクチンの出現が早急に待たれる.
伝染性紅斑(ヒトパルボウイルスB19感染症) 加藤 直子
ヒトパルボウイルスB19の感染により,伝染性紅斑,関節障害,aplastic crisis,胎児水腫などが誘起される.皮膚科医は,これらの幅広い臨床スペクトラムを熟知する必要がある.
ウイルス性急性発疹症(麻疹・風疹・突発性発疹) 日野 治子
遭遇する機会の多い麻疹,風疹,突発性発疹について,病態および予防などを述べた.
EBウイルス感染症 山本 剛伸ほか
予後良好なEBウイルス関連皮膚疾患は,一般に対症療法で改善する.一方,予後不良な疾患は,化学療法・骨髄移植などが必要となる.両者の区別が重要である.
HIV感染症,AIDS 木村 聡子ほか
現在のHIV感染症の治療法の中心である多剤併用療法(HAART)の最近の傾向と1日1回療法を中心に述べた.
III.真菌感染症表題
白癬の治療 田邉  洋
皮膚科医に対する白癬治療のニーズは高い.直接鏡検を怠らず正しく診断し,新旧さまざまな抗真菌剤を多様な症状によって使い分け治療する白癬の臨床は,皮膚科医の専門性を要求される.
カンジダ症 加藤 卓朗
カンジダ症の診断は直接鏡検で行う.臨床的特徴は膜様鱗屑を伴う小膿疱が多発する境界不鮮明な中心治癒傾向のない紅斑で,治療の基本は抗真菌剤の外用で経口剤も用いられる.
マラセチア感染症 清  佳浩
癜風とマラセチア毛包炎の起因菌は,M. globosaである.マラセチア毛包炎の診断には胞子を染色して検出する必要がある.
スポロトリコーシス 白木 祐美ほか
スポロトリコーシスは,我が国では深在性皮膚真菌症の代表的なものであり,診断と治療には特に精通することが肝要である.
黒色真菌感染症 原田 敬之
黒色真菌感染症は自然環境の変化から我が国での発症例は減少してきている.しかし,稀ながら決して忘れてはならない皮膚深在性真菌症であるので,皮膚科医はその診断および治療法には精通しておく必要がある.
IV.虫が関与する感染症
つつがむし病(tsutsugamushi disease) 荒瀬 誠治
ツツガムシ病オリエンチアによる急性発疹性感染症.高熱と汎発性小紅斑,刺し口が特徴で,Weil-Felix反応でOXKが陽性.テトラサイクリン系抗生剤が著効する.第四類(全数把握)感染症である.
ライム病 橋本 喜夫ほか
北海道のライム病は本邦症例の過半数を占め,一般に遊走性紅斑主体で軽症であることが臨床的特徴である.post-Lyme disease syndromeの存在にも言及した.
疥癬の診断と治療 大滝 倫子
経口剤イベルメクチンが保険で使えるようになった.ダニなどの検出により確定診断の下に使う.1回投与,必要に応じ1週間空け再投与する.体重15kg以下の乳幼児,妊婦,授乳婦,髄膜炎,肝障害のある場合には使えない.毒性も高く,過剰に頻回使わない.安香酸ベンジル,γ-BHCなど医師の責任の下にインフォームドコンセントを得て使う.
シラミ症(pediculosis) 夏秋  優
アタマジラミは頭髪,コロモジラミは衣類,ケジラミは陰毛に寄生し,主に毛髪や衣類の接触によって感染する.治療にはフェノトリンが有効である.

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